「訪問看護の求人票を並べて見ているけれど、どこを比較すればいいのか分からない」。看護師の転職支援サイトを開くたびに、そんな戸惑いを抱くあなたに向けて書いています。訪問看護の求人票は、病棟看護師の求人票とは見るべき軸が別物です。結論から先に置くと、比較すべき9項目は「オンコール体制」「同行訪問期間」「給与内訳」「移動手段」「教育体制」「事業所の姿勢」「多職種連携」「電子カルテとICT」「福利厚生と休暇」です。
この記事は、足立区で2020年3月に訪問看護ステーションを開設し6年目を迎えた、株式会社すえひろ(すえひろ訪問看護ステーション)の現場視点でまとめました。求人票の段階で読み取れる情報、面接で必ず聞くべき質問、内定前に確認しておきたい書面——この3段階で整理してお伝えします。訪問看護は「誰ひとりとり残さない社会」という視点で医療・看護・介護をつなぐ仕事です。だからこそ、あなた自身が長く働ける環境を見極める目線が欠かせません。読み終える頃には、次の面接で使えるチェックリストが手元に残るはずです。
条件を比べている方へ
オンコール回数も手当も、実額のまま公開しています。
一人あたり月4〜10回、待機手当1回3,000〜6,000円。退職金制度がないことも、そのまま書いています。比べるための材料としてお使いください。気になる項目だけLINEで聞くこともできます。
このLINEは、訪問看護への転職を考えている方の「聞くだけ」の窓口です。応募の受付ではありません。勤務地は東京都足立区の2拠点です。
訪問看護の求人票は「表面の条件」だけで判断できない
訪問看護の求人票は、月給・休日数・オンコール回数を横並びで見比べるだけでは実態が掴めません。病棟と違って、事業所ごとに移動距離・オンコールの分担・独り立ちまでの期間・電子カルテの有無が大きく異なるためです。同じ「オンコール月4回」でも、実際に出動する回数と手当額はまったく違うことが少なくありません。
厚生労働省の「訪問看護療養費実態調査」によれば、24時間対応体制加算を届け出ている訪問看護ステーションは全国で9割を超えています(※出典:厚生労働省 令和4年度訪問看護療養費実態調査、2023年公表)。つまり求人票の「オンコールあり」は事業所選びの決め手にならないほど一般的な条件になりました。差が出るのは、その運用の中身です。
求人票の3つの落とし穴
私自身、訪問看護に転職を考える看護師の方から「求人票の給与欄と、実際の手取りが違って驚いた」という声を聞くことが多くあります。落とし穴は主に3つ。①固定残業代を含んだ総支給額の表示、②オンコール手当が「基本給に含む」と書かれているケース、③処遇改善加算の反映方法が事業所ごとに違うこと——この3点です。
固定残業代は労働基準法上、基本給と分離し、何時間分かを明記することが求められます(労働基準法施行規則第5条)。求人票で「月給35万円(残業代込み)」とだけ書かれている場合は、応募段階で内訳を確認してみてください。オンコール手当も同様で、待機分と出動分を分けて表示する事業所と、まとめて記載する事業所が存在します。
訪問看護ならではの確認項目とは
病棟の求人票では見かけない項目が、訪問看護では鍵を握ります。移動手段(車貸与か自家用車か)、同行訪問期間(独り立ちまでの日数)、電子カルテとタブレット、多職種連携の実際の4つが代表例です。求人票で見えるのは1つ目と3つ目までで、2つ目と4つ目は面接で聞く領域という理解が現実的です。
厚生労働省の「令和5年衛生行政報告例」によれば、全国の訪問看護ステーション数は2023年時点で15,697事業所に達しています(※出典:厚生労働省 令和5年衛生行政報告例、2024年公表)。10年前(2013年の6,704事業所)と比べて約2.3倍の水準です。事業所数が急速に増えたため、求人票の書き方や条件の設計に事業所ごとの差が広がっている、というのが今の実態です。
看護師の求人票の見極め方について、YouTubeチャンネル「キャリアホスピタル」の動画『訪問看護への転職適齢期は何年目?求人の見るべきポイントも徹底解説』でも同様の視点が語られています。求人票に書かれた条件と、面接で確認する実態の両輪で判断する姿勢が、後悔しない転職への近道です。関連する視点は訪問看護ステーションの選び方|転職で失敗しない判断軸と確認方法でも整理しています。
オンコール体制で確認すべき3点|回数・手当・免除
訪問看護のオンコール体制は「月何回」「手当」「免除条件」の3点で比較します。この3点が透明に開示されている事業所ほど、運用が安定していると考えて差し支えありません。1つずつ順に整理していきます。
| 確認項目 | 相場・目安 | 出典 |
|---|---|---|
| 24時間対応体制加算の届出率 | 91.2% | 厚生労働省 令和4年度訪問看護療養費実態調査(2023年公表) |
| オンコール待機手当(1回あたり) | 1,000〜3,000円 | 日本看護協会「2022年病院看護実態調査」参考値(2023年公表) |
| オンコール出動手当(別途) | 2,000〜5,000円 | 同上・訪問看護事業所ヒアリング(2024年) |
| 同行訪問期間の目安 | 1〜3ヶ月 | 日本訪問看護財団「訪問看護新任者研修」ガイドライン(2023年) |
月あたりの担当回数と分担ルール
オンコール担当は、看護師の頭数と体制で決まります。常勤看護師が10名の事業所と5名の事業所では、単純計算で月あたりの担当回数が倍近く違うことも珍しくありません。求人票で「オンコール月4回程度」と書かれていたら、面接では「実際の平均は何回でしたか」「繁忙期はどれくらいまで増えますか」と踏み込んで聞いてみてください。
分担ルールも要確認です。1週間単位の輪番制、平日と休日を分ける方式、常勤・非常勤で線を引く方式——事業所によって設計に差が出ます。1回持ったら次の担当まで何日空くか、という感覚まで把握しておくと、生活リズムが具体的に描けます。
手当の金額と出動時の追加支給
オンコール手当は「待機1回◯円」「出動1回◯円(別途)」の分離表記が誠実です。相場としては、待機1回1,000〜3,000円、出動1回2,000〜5,000円のレンジに収まる事業所が多いと聞きます。ただし相場は地域と事業所規模で幅が出るため、あくまで参考値として捉える姿勢が現実的です。
深夜の出動が発生した場合の翌日勤務の扱いも、あわせて確認しましょう。「翌日は半休扱い」「深夜出動後は翌朝の訪問を後ろ倒し」など、体を守る仕組みを持っている事業所は、スタッフを大切にしている姿勢が読み取れます。
免除条件(子育て・介護・体調)
小さなお子さんがいる方、家族の介護を担う方、体調に波がある方にとって、免除条件の運用は死活問題です。就業規則に免除条件が書き込まれているか、書き込まれていなくても運用で配慮されるのか——面接ではここまで踏み込んで聞くと、事業所の姿勢が見えてきます。
「制度としてはあるが、実際に免除された人はいない」というケースも稀に見られます。就業規則の該当条項を面接で見せてもらえるか、あるいは制度活用の実例を教えてもらえるかも、判断材料の一つに加えたい情報です。
| 確認項目 | 求人票で見る | 面接で聞く |
|---|---|---|
| 月あたりの回数 | 「月◯回程度」の表記 | 実際の平均回数と繁忙期の最大回数 |
| 手当 | 待機・出動の分離表記 | 深夜出動時の翌日勤務の扱い |
| 免除条件 | 就業規則の該当条項 | 実際に免除された事例と制度活用の実績 |
同行訪問期間と独り立ちまでの流れ|スタッフを護る事業所の見抜き方
訪問看護は原則として1人でお宅に伺うため、独り立ちまでの同行訪問期間が短すぎると事故と離職の両方につながります。求人票の「同行◯ヶ月」の数字だけでなく、その中身と独り立ち後のフォロー体制まで確認するのが安全です。
同行訪問の一般的な期間の考え方
同行訪問期間は、事業所と個人の経験によって幅がありますが、1ヶ月〜3ヶ月を段階的に組む事業所が多く見られます。臨床経験が長くても、訪問看護は環境が病棟と別物のため、経験値の高い方でも最初の数週間は同行から始めるのが一般的です。
「明日から1人でお願いします」という運用の事業所は、避けたほうが無難です。訪問先の物理環境(階段・段差・家族構成)、家族関係、主治医の連絡方法、緊急時のバックアップ——これらは同行を通じてしか掴めない情報が多く含まれます。求人票に「即戦力歓迎」と書いてあっても、同行の期間と設計は必ず面接で確認しましょう。
先輩に同行してもらえる頻度と相談窓口
独り立ちの前だけでなく、独り立ち後もどれだけ相談できるかが、長く働ける環境の分かれ目です。「困ったときに即電話できる先輩がいるか」「訪問後にケースを振り返る時間があるか」「月1回のカンファレンスなど、判断を共有する場があるか」の3点を面接で聞いてみてください。
私たちの事業所では、独り立ち後も同行訪問を希望に応じて組み直しています。難しい医療処置が入る利用者様のケースや、判断に迷う場面が出てきたときに、先輩看護師が同行して一緒に考える体制です。こうした「独り立ち後の再同行」を仕組み化している事業所は、スタッフを護る姿勢が根付いていると読み取れます。
独り立ち後のフォロー体制
独り立ち後のフォローは、事業所の教育観がもっとも表れる部分です。定期的な症例検討会、外部研修の受講支援、認定看護師や専門看護師の資格取得サポート——これらの制度がどれだけ実際に活用されているかを確認しましょう。日本看護協会の「2023年度調査」では、認定看護師の取得者数は全国で23,000名を超え、専門看護師は3,000名台となっています(※出典:日本看護協会 認定看護師・専門看護師登録データ、2023年公表)。事業所が資格取得を後押しする仕組みを持っているかは、教育予算の実態を映す指標です。
訪問看護経営者の視点として、YouTubeチャンネル『看護師独立チャンネル じょんTV』の動画『訪問看護経営者が語る 面接で圧倒的に合格率を上げる方法』でも、面接で「独り立ち後のフォロー」を具体的に確認する姿勢が採用側から高く評価されると語られています。応募者から質問することは、遠慮する必要はありません。
給与の内訳|固定残業代・オンコール手当・加算の分離を確認
訪問看護の給与は、基本給・固定残業代・オンコール手当・処遇改善加算の4つに分解して確認するのが基本です。総支給額だけを見比べても、実態は掴めません。ここで見るべきは「何が固定で、何が変動か」の切り分けです。
基本給と固定残業代の分離
労働基準法施行規則第5条は、賃金の決定・計算・支払方法を明示することを求めています。固定残業代を支払う場合は、基本給と分離した金額、時間数(何時間分に相当するか)、超過分の追加支給を明示することが厚生労働省のガイドラインでも示されています(※出典:厚生労働省「固定残業代を賃金に含める場合の明示ルールについて」2019年)。
求人票で「月給35万円」とだけ書いてあり、面接で「そのうち固定残業代がいくらで、何時間分か」を答えられない事業所は、避けたほうが賢明です。逆に「基本給287,200円+固定残業代32,800円(15時間分を含む。超過分は別途支給)」のように内訳が明示されている事業所は、募集要項の作り方から誠実さがにじみます。
オンコール手当・出動手当
オンコール手当は月給の中に含む事業所と、別立てで支給する事業所の2パターンです。含まれている場合、手当を差し引いた基本給がいくらになるかを計算してみてください。ボーナスや退職金の算定基礎は基本給がベースになるため、この差は長い目で見ると小さくありません。
出動手当も同様で、待機に対する手当と、実際に電話対応・訪問した場合の手当が分かれているかを確認します。深夜の出動があった場合の翌日勤務の扱い、代休の取得可能性まで見ておくと、家計と生活の両面で見通しが立ちます。
処遇改善加算の反映方法
給与の目安については、当ステーションの訪問看護のモデル年収を公開|足立区すえひろの実額とキャリア別の目安でも、キャリア別の実額を整理していますので、比較の材料としてご覧いただけると幸いです。訪問看護の事業所は、処遇改善加算や特定処遇改善加算などの加算を受け取っている場合、その一部をスタッフの賃金に反映する義務を負います。厚生労働省の2024年度介護報酬改定に関する資料によれば、訪問看護は「介護職員等処遇改善加算」の対象サービスとして位置づけられており、加算の算定要件と賃金改善計画の届出が事業所に求められています(※出典:厚生労働省 令和6年度介護報酬改定に関する資料、2024年公表)。反映の方法は事業所ごとに違い、①月給に上乗せ、②賞与に組み込み、③一時金として年1〜2回支給の3パターンが一般的です。
どの方法を採用しているか、また金額のおおよそのレンジを面接で確認してみてください。加算の説明ができない事業所は、そもそも制度理解が浅い可能性が拭えません。逆に、加算の説明を丁寧にしてくれる事業所は、経営的にも安定していると判断できます。
移動手段と交通費|車・自転車・自賠責保険の実態
訪問看護の1日は、移動時間が3割前後を占めることも珍しくありません。エリアの広さ、移動手段、交通費と保険の負担者は、求人票では見えにくい部分です。面接では地図を見せてもらい、具体的に聞いてみましょう。
事業所貸与か自家用車か
移動手段の主流は、事業所貸与の軽自動車、自家用車の業務利用、電動アシスト自転車の3つに大別されます。事業所貸与であれば車両保険とガソリン代の負担が事業所側になることが多く、自家用車の場合は事業所からのガソリン代支給と、任意保険の等級への影響が論点として浮上します。
自家用車を業務に使う場合、任意保険が「業務使用」に切り替わっているかを見落とせません。私用扱いのまま業務で運転して事故を起こすと、保険が下りない事態が起こり得ます。面接で「保険は事業所側で用意しているか」「等級への影響はどう扱っているか」を確認しておくと安心です。
自転車・電動アシストの選択肢
エリアが狭く、住宅密集地の訪問看護ステーションでは、電動アシスト自転車が主力になるケースも見かけます。車の運転に不安がある方、免許を持っていない方でも働ける可能性が広がるのが強みです。ただし冬場の寒さ、雨天時の対応、駐輪スペースなど、車とは別の課題も出てきます。
自転車の場合も、事業所貸与か自前かで負担のかたちに差が出ます。雨具・防寒具の支給、故障時の修理費負担、駐輪場代——面接では小さな項目まで確認しておくと、入職後のギャップが減っていきます。
自賠責・任意保険・ガソリン代の負担
自賠責保険は法令上必須ですが、任意保険とガソリン代は事業所と個人の分担が事業所ごとに大きく異なる領域です。①事業所が任意保険とガソリン代を全額負担、②任意保険は個人、ガソリン代は距離に応じて実費支給、③すべて個人負担で交通費として月◯円支給——この3パターンが代表例です。
金額換算すると年間で10万円以上の差が出るケースも珍しくありません。月給の額面が同じでも、この負担が違えば手取りの実感がまったく別物です。求人票の「交通費支給」だけでは判断できないため、面接で具体的な負担割合を聞いてみましょう。
事業所の「姿勢」を見抜く3つの質問
求人票の数字よりも大切なのが、事業所の姿勢です。訪問看護は制度に守られていない領域が必ず出てきます。そのときに「制度上できません」で会話が終わる事業所と、「何ができるかを一緒に考える」事業所とでは、日々の仕事の手応えがまったく別物です。
私たちすえひろ訪問看護ステーションは、まずお受けすることを基本にしています。ただし体制上お受けできない場合もあり、そのときは対応できる事業所を一緒に探すのが立ち位置です。6年間で正式にお断りしたのは1件だけで、その1件は担当スタッフが精神的に追い詰められる状況だったため、「スタッフを護れる会社を創る」という創業時の考えを優先しました。姿勢は、こうした具体エピソードを聞くと見えてきます。面接で以下の3つを聞いてみてください。
「これまで断った事例はありますか」と聞いてみる
「断らない」と看板に書いてある事業所ほど、この質問への答え方に姿勢が出ます。「断ったことは一度もありません」と即答する事業所より、「◯件断ったことがあり、理由はこうでした」と具体的に答えられる事業所のほうが、実務の解像度が高いと受け取れます。
なぜかというと、訪問看護の現場では体制の限界や地理的な制約、スタッフの安全確保の観点から、お受けできないケースが必ず生まれるからです。ゼロ件と答える事業所は、統計を取っていないか、事実と少し違うことを話しているか、のどちらかを疑う余地が残ります。
「多職種連携の実際」を具体エピソードで聞く
訪問看護は、主治医・ケアマネジャー・薬剤師・PT/OT・地域の医療機関と連携して成り立つ仕事です。求人票に「多職種連携」と書かれていても、実態は事業所によって深さが別物です。「先月、多職種で連携した具体的なケースを1つ教えてください」と聞くと、実際の動き方が見えてきます。
「毎月ケアマネジャーとカンファレンスをしています」「薬剤師と連携して残薬管理を進めた例があります」「主治医とやりとりして訪問頻度を調整しました」——具体エピソードが出てくる事業所は、日常的に連携が回っている証拠です。
「スタッフを護る仕組み」を聞く
訪問看護は精神的な負荷が高い仕事です。ターミナル期の利用者様、認知症のご家族との対応、判断が難しいケースでの単独訪問——こうした場面で、スタッフを1人にしない仕組みがあるかが、長く働ける事業所の条件です。
デブリーフィング(振り返り)の時間、産業医との相談窓口、メンタルヘルス休暇の実績——これらを聞いてみてください。「うちは大丈夫」で終わる事業所より、「先月はこういう相談があってこう対応した」と具体を返せる事業所のほうが、実際にスタッフを護る運用が回っています。
面接前チェックリスト|求人票と面接で確認したい9項目
ここまでの内容を、そのまま面接前に持ち込める9項目のチェックリストにまとめました。求人票の段階で分かるものと、面接で必ず聞くべきものを分けてあります。印刷して面接に持参してください。
求人票の段階で確認する4項目
① 給与の内訳(基本給と固定残業代が分離されているか)
月給の総額ではなく、基本給部分がボーナスと退職金の算定基礎になります。分離表記の有無が要チェックです。
② オンコール手当(待機と出動が分離されているか)
月給に含まれているのか別立てなのか、含まれている場合は差し引いた基本給がいくらかを計算しましょう。
③ 年間休日数と有給取得実績
年間休日120日以上が一つの目安です。有給消化率が求人票に書いてあれば、実態を読み取る材料の一つとして使えます。
④ 職種構成と常勤看護師数
看護師・PT・OT・ケアマネジャーの人数バランスがオンコール担当回数と直結します。求人票の「スタッフ紹介」に人数が出ていれば必ず見ましょう。
面接で必ず聞く5項目
⑤ 同行訪問期間と独り立ち後のフォロー
「独り立ち後も先輩に同行してもらえるか」まで踏み込んで確認しましょう。
⑥ 移動手段と自賠責・任意保険の負担
車貸与か自家用車か、任意保険が業務使用に切り替わっているかを確認します。
⑦ 教育体制(研修・資格取得支援・症例検討会)
認定看護師や専門看護師の資格取得支援の実績を聞くと、事業所の教育観が見えます。
⑧ 多職種連携の具体エピソード
先月の連携事例を1つ聞くだけで、実態が見えてきます。
⑨ スタッフを護る仕組み(デブリーフィング・メンタル支援)
「先月あった具体例」を聞くことで、姿勢と実運用の両方が浮かび上がってきます。
内定前に確認しておきたい書面
内定を承諾する前に、次の3つの書面を確認できるかを事業所に相談してみてください。①労働条件通知書(賃金の内訳・休日・保険)、②就業規則(オンコール免除条件・産休育休の取得実績)、③募集要項どおりの契約書の3つです。
労働条件通知書は労働基準法第15条で交付が義務付けられています。この書面を面接時か内定時に必ず受け取り、口頭説明と内容が一致しているかを確認しましょう。相違があれば、その場で理由を聞くのが正解です。誠実な事業所であれば、書面と口頭説明のギャップは丁寧に埋めてくれます。
訪問看護でできること・できないこと(応募前に理解しておく)
求人票を読み解くのと並行して、訪問看護そのものの業務範囲を正確に理解しておくことは、あなたの志望動機にも直結します。「できること」と「できないこと」の線引きは、事業所によって差はありません。制度で決まっている領域です。
訪問看護でできること
- 医師の指示に基づく医療処置(点滴・褥瘡ケア・服薬管理・カテーテル管理など)
- 健康状態の観察と相談対応
- 在宅でのリハビリテーション(PT・OT・STが在籍する事業所)
- 服薬管理支援と薬剤師との連携
- ご家族への介護指導と精神的サポート
- 利用者様の目標達成に向けた個別ケア計画の実施
訪問看護でできないこと
- 家事援助(ヘルパーの業務範囲)
- 買い物代行
- 医師の診察行為
- 保険外の自費サービス(事業所により対応可否あり)
制度上できない領域があるからこそ、多職種連携が重要になります。ケアマネジャーがヘルパーの手配を行い、訪問看護が医療面を担い、主治医が診察を担う——このチームで初めて在宅療養が成り立ちます。私たちが大切にしているのは、制度上難しいと思われることでも、利用者様の幸せのために何ができるかを一度お聞きし、様々な可能性を一緒に考えていく姿勢です。この姿勢に共感してくださる方には、訪問看護の仕事がやりがいのある選択肢として見えてきます。
FAQ|訪問看護の求人でよくある質問
面接前の疑問を、6つのQ&Aにまとめました。実際に応募者から寄せられる質問をベースにしています。
Q1. 訪問看護のオンコール手当の相場はどれくらいですか?
事業所により幅がありますが、待機1回あたり1,000〜3,000円、出動時に別途1回あたり2,000〜5,000円というレンジが一般的な目安です。求人票では「オンコール手当◯円/回(出動時別途)」のように分離表記されているかを確認してください。合算表記の場合は、面接で内訳を必ず聞きましょう。
Q2. 訪問看護の独り立ちまで平均何ヶ月かかりますか?
事業所と個人の経験によって幅がありますが、同行訪問1〜3ヶ月を経て段階的に単独訪問へ移行するケースが多く見られます。臨床経験が長い方でも、最初の数週間は同行から入る事業所が一般的です。求人票の期間だけでなく「同行の頻度」「独り立ち後の相談窓口」まで面接で確認しましょう。
Q3. 訪問看護は未経験でも応募できますか?
臨床経験3年以上を条件にする事業所が多い一方で、教育体制を整えて経験2年前後から受け入れる事業所も出てきています。応募条件の「経験年数」と「教育プログラムの中身」の両方を求人票で見比べたい部分です。研修プログラムの日数、同行訪問の期間、独り立ちまでの支援体制が明示されている事業所を選ぶと、未経験でも安心して働けます。新卒からのキャリアパスについては、新卒で訪問看護師になれる|育成プログラムと職場選びの基準もあわせて参考にしてみてください。
Q4. 車の運転に不安がある場合、訪問看護は難しいですか?
エリアが狭く、電動アシスト自転車が主力の事業所であれば、車の運転をせずに働くことも可能です。訪問エリアの広さと移動手段の選択肢を、求人票と面接で確認してください。足立区のように地域内の距離が短めのエリアでは、自転車中心の運用も現実的な選択肢として成立します。
Q5. 訪問看護の面接では、応募者から何を聞いてよいですか?
給与の内訳、オンコールの実回数、同行訪問期間、教育体制、多職種連携の具体例、スタッフを護る仕組み——これらはすべて聞いて構いません。むしろ、応募者側から質問することを歓迎する事業所ほど、採用後のミスマッチが少ないと言えます。「これまで断った事例はありますか」という質問は、事業所の姿勢と誠実さを見抜く手がかりの一つです。
Q6. 内定前に確認しておくべき書面は何ですか?
労働条件通知書(労働基準法第15条で交付義務あり)、就業規則、契約書の3つです。労働条件通知書に記載された賃金・休日・保険の内容と、面接での口頭説明が一致しているかを、必ずその場で照合しましょう。相違があった場合はその場で理由を聞き、修正が必要であれば書面での訂正を求めてかまいません。
訪問看護の求人選びは、あなた自身の生活と直結する
訪問看護の求人票は、給与や休日数だけで判断すると入職後にギャップが生まれやすい領域です。本記事で紹介した9項目——オンコール体制、同行訪問期間、給与内訳、移動手段、教育体制、事業所の姿勢、多職種連携、電子カルテとICT、福利厚生と休暇——を軸に整理してみましょう。求人票で読み取れる情報と、面接で聞くべき情報を分けて準備することで、比較の精度が一段上がります。
私たちすえひろは、「誰ひとりとり残さない社会」を掲げる一方で、「スタッフを護れる会社を創る」ことを創業時からの前提に置いています。2020年3月の開設から6年目を迎え、認定看護師・専門看護師の資格取得を全面的にバックアップしながら、看護師・理学療法士・作業療法士・ケアマネジャー・事務が21名(2026年7月2日時点・当社社内データ)の体制で3拠点を運営中です。24時間365日、足立区全域で在宅療養を支えるチームです。
まず見学だけでも構いません。1日の流れと、実際に働く人を見てから決めていただければ嬉しく感じます。応募を検討されている方は、当ステーションの採用ページから、あるいは電話(03-5888-6375)から、まずお問い合わせをお待ちしております。あなたの転職が、あなた自身にとっても、これから出会う利用者様にとっても、良い一歩になることを願っています。
参考・出典
- 厚生労働省「令和4年度訪問看護療養費実態調査」(2023年公表)
- 厚生労働省「固定残業代を賃金に含める場合の明示ルールについて」(2019年)
- 労働基準法第15条・労働基準法施行規則第5条
- 職業安定法における労働条件明示義務
