「訪問看護に興味はある。でも、女性ばかりの職場でやっていけるだろうか」。転職を考える男性看護師の方から、見学や面談で伺うことのある不安です。
男性看護師が訪問看護へ転職するのは、珍しいことではありません。採用で性別を条件にすることは、男女雇用機会均等法で原則として禁止されています。病院で身につけた観察力も、訪問先でそのまま活かせます。
ただ、同性介助の調整や力仕事の任され方は、職場で差が出る部分です。
本記事では、公的統計で現状を押さえたうえで、転職の不安5つと見学で確かめたい質問を整理しました。職場選びのお役に立てれば嬉しく思います。
男性看護師は訪問看護でどのくらい働いているのか|公的統計で見る現状
男性看護師は、看護師全体のおよそ12人に1人です。人数は増え続けていますが、職場ではまだ少数派という状況は変わっていません。まずは数字で全体像をつかんでおきましょう。
厚生労働省は、就業している看護職の数を2年ごとに集計しています。性別の内訳と、就業場所の内訳は公表されています。一方で「訪問看護ステーションで働く男性看護師の数」という掛け合わせは、概況には載っていません。
ここでは、公表されている数字だけを使って読み解きます。元データは厚生労働省の令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況で確認できます。
就業看護師に占める男性は約8.7%(令和6年末)
令和6年末の就業看護師は136万3,142人で、そのうち男性は11万8,068人でした。割合にすると約8.7%です。
10年前の平成26年末、男性は7万3,968人で、割合は約6.8%でした。人数で約1.6倍、割合で約2ポイントの伸びです。看護師全体の伸び(約1.25倍)と比べると、男性の増え方の大きさがわかります。
| 年末 | 就業看護師(総数) | うち男性 | 男性の割合 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 平成26年末 | 1,086,779人 | 73,968人 | 約6.8% | 厚生労働省(平成26年) |
| 令和4年末 | 1,311,687人 | 112,164人 | 約8.6% | 厚生労働省(令和4年) |
| 令和6年末 | 1,363,142人 | 118,068人 | 約8.7% | 厚生労働省(令和6年) |
訪問看護ステーションで働く看護師は9万1,022人
令和6年末、訪問看護ステーションで働く看護師は9万1,022人でした。看護師全体の6.7%にあたります。病院(約89万6千人)や診療所(約19万5千人)より小さな職場ですが、在宅療養を支える場として広がってきました。
訪問看護ステーションは、数名から数十名で運営している事業所が多い職場です。少人数だと、男性が1人いるかどうかで雰囲気が大きく変わります。全国の割合が約8.7%なら、10人規模で男性が0〜1人という姿は、統計から見ても自然と言えます。
就業場所別の看護師数(令和6年末)
訪問看護ステーションで働く看護師は、看護師全体(1,363,142人)の6.7%です。
出典:厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」
男性看護師は令和4年末から約5,900人増えている
令和4年末から令和6年末の2年間で、男性看護師は5,904人増えました。増加率は5.3%です。同じ期間の看護師全体は3.9%増で、男性の伸びが上回りました。
人数が増えるにつれて、男性看護師が選ぶ職場の幅も広がりつつあります。動画サイトでも、男性看護師が自身の転職や訪問看護での働き方を語る発信が見られるようになりました。
それでも、職場ではまだ少数派です。だからこそ、入る前に「男性の受け入れ方」を確かめておく価値があるのです。次の章では、多くの方が抱える不安を5つに分けて見ていきます。
男性看護師が訪問看護への転職で抱えやすい5つの不安
男性看護師が訪問看護への転職で迷う理由は、大きく5つに分かれます。どれも「入ってみないとわからない」と言われがちです。けれど実際は、見学や面接で事前に確かめられるものがほとんどを占めます。
不安の中身を言葉にしておくと、見学で何を見ればよいかがはっきりします。ここでは5つの不安を一つずつ取り上げ、判断の手がかりを整理しました。
後の章の質問チェックリストと対応させてあります。あわせて読むと、見学の準備が進めやすくなるはずです。気になる不安から読み進めても構いません。
女性が多い職場で、自分だけ浮かないか
いちばん多いのが、人間関係への不安です。病棟でも少数派だった方は多いでしょう。訪問看護は少人数で、毎日顔を合わせる相手が限られます。そのぶん、一人ひとりとの関係が働きやすさを大きく左右するのです。
訪問看護は、基本的に一人で利用者様のお宅を訪ねる仕事です。病棟のように、一日中同じフロアで過ごすわけではありません。事務所にいるのは朝の打ち合わせや記録の時間が中心です。
つまり、職場の空気を表すのは情報共有の場の運営です。見学では、朝の申し送りやカンファレンスに同席できるか聞いてみてください。誰が発言しているか、相談が気軽に出ているか。そこを見ると、性別に関係なく溶け込みやすい職場かが見えてきます。
利用者様やご家族から同性の看護師を希望されたらどうなるか
入浴や排泄のケアなどで、同性の看護師を希望される利用者様はいらっしゃいます。女性の利用者様から、男性看護師の訪問を控えてほしいと言われることもあるでしょう。反対に、男性の利用者様から男性を希望されることもあります。
これは利用者様の尊厳に関わる、当然の希望です。問われるのは、希望が出たときにステーションとして担当をどう調整しているかという点です。仕組みがあれば、担当を外れたことを個人の問題として抱え込まずに済みます。
調整のルールがない職場では、担当の偏りが起きがちです。面接では「同性介助の希望が出たとき、誰がどう担当を決めていますか」と具体的に聞いてみましょう。
「力仕事要員」として体力頼みにされないか
男性だからという理由で、移乗や体位変換の多い利用者様ばかり担当にされないか。これも、よく伺う不安のひとつです。
訪問看護の担当は、本来は利用者様の状態や必要な看護の内容で決まります。訪問の曜日や時間、移動の距離も考えて組むものです。体の大きな利用者様を一人で抱え上げると、看護師の腰を痛める原因にもなりかねません。福祉用具を使い、ご家族やヘルパーと介助方法をすり合わせて負担を減らすのが基本です。
体力を頼りにされること自体は、悪いことではないでしょう。気をつけたいのは、それが「いつも男性だけ」になっていないかです。担当の決め方を聞けば、職場の考え方がつかめるはずです。
オンコールや緊急訪問の負担が男性に偏らないか
オンコールとは、夜間や休日に利用者様やご家族からの電話を受け、必要に応じて訪問する待機当番のことです。子育て中のスタッフが多い職場だと、独身の男性に当番が集中しないかと心配される方もいます。
確かめたいのは、「一人あたり月何回か」という数字です。「事業所全体で月◯回」という答え方では、一人ひとりの負担が見えません。待機手当の金額と、呼び出されたときの手当もあわせて聞いておくと、比べやすくなります。
オンコール回数の聞き方で、見える負担が変わる
あわせて確認:待機手当の金額/呼び出されたときの手当/当番表の組み方
オンコールのつらさや乗り越え方は、訪問看護がきつい理由7つの記事でも詳しく取り上げました。
病院でのキャリアが訪問看護で通用するか
急性期病棟や手術室、ICUで経験を積んだ方ほど、「在宅では強みが活きないのでは」と感じがちです。訪問看護は、生活の場で一人で観察し、判断する仕事です。病院での全身管理やアセスメントの経験は、むしろ土台として役立つでしょう。アセスメントとは、観察した情報から利用者様の状態を判断し、必要な看護を考えることです。
新しく覚えるのは、介護保険と医療保険の制度、ご家族への介護指導、ケアマネジャーとの連携などです。こうした在宅ならではの知識は、入職後の同行訪問で身につけていく職場が多いでしょう。
管理者や主任を目指したい方は、キャリアの道筋も聞いておくと安心です。転職全体の流れは、訪問看護師への転職をまとめた記事で紹介しています。
男性看護師が訪問看護への転職で抱えやすい5つの不安
訪問看護で男性看護師が力を発揮しやすい場面
訪問看護で問われるのは、性別よりも一人で判断し、多職種とつなぐ力です。そのうえで、男性看護師だからこそ頼まれやすい場面もあります。
ここで挙げるのは、男性に役割を押しつけるための一覧ではありません。本人が望めば力を発揮しやすい場面として、選択肢を並べたものです。
自分の得意なことと重なる場面があるか、考える材料にしてください。見学のときに「こうした場面で男性スタッフはどう関わっていますか」と聞くのも一つの手です。答えから、男性看護師への期待の中身が見えてきます。
男性の利用者様の入浴・排泄ケアで同性を希望されたとき
前の章で触れたとおり、同性の看護師を希望される利用者様がいらっしゃいます。男性の利用者様の中には、女性の看護師に体を見せることに抵抗を感じる方もおられます。
男性看護師が訪問すると、清潔ケアや排泄ケアを受け入れていただきやすくなる場合があります。ケアを受け入れていただければ、皮膚の状態や体調の小さな変化にも気づきやすくなるでしょう。
利用者様が望む形でケアを受けられることは、在宅での暮らしを続けるうえで欠かせない条件です。男性看護師がいれば、ステーション全体として応えられる希望の幅も広がるでしょう。
移乗・体位変換で、ご家族への介助指導を一緒に行うとき
ご自宅での介護は、ご家族が担う時間がいちばん長いものです。訪問看護師の役割には、ご家族への介護指導も含まれています。
移乗や体位変換を伝えるとき、力任せのやり方は長続きしません。体の使い方や、福祉用具の使い方を一緒に練習することが基本です。介護を担うご家族が、高齢の男性というケースも見られます。
同性の看護師だと、体格や力の入れ方の感覚が伝わりやすいという声もあります。ご家族が無理なく介護を続けられることは、利用者様が自宅で暮らし続けるための土台です。介助のコツを一緒に探す役割は、男性看護師が力を発揮しやすい場面と言えます。
主治医・ケアマネジャー・PT/OTとの連携の窓口になるとき
訪問看護は、主治医の指示のもとで多職種とチームを組む仕事です。ケアマネジャー、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)、ヘルパーと一緒に利用者様を支えます。病院で多職種カンファレンスを経験してきた方は、この場面で力を発揮しやすいでしょう。
利用者様の状態の変化を主治医に報告し、ケアマネジャーとサービスの組み立てを相談する。こうした調整は、性別に関係なく、経験と丁寧さがものを言う仕事です。私たちも、多職種との連携を日々の看護の中心に置いています。
見学・面接で確かめたい質問チェックリスト
求人票だけでは、男性看護師にとっての働きやすさは見えません。見学や面接では、5つの不安に対応する質問を用意しておくと、短い時間でも職場の実情をつかめます。
ここでは質問と、その答えで見えてくることを5項目に整理しました。すべてを一度に聞く必要はありません。いちばん気になる不安から順に聞いてみてください。
聞きにくいと感じる質問もあるでしょう。けれど、答えをはぐらかさない職場かどうかも、判断材料の一つになるでしょう。質問をメモにして持参すると、聞き漏らしを防げます。
見学・面接で確かめたい質問チェックリスト
| 不安 | 見学・面接での質問 | 答えで見えること |
|---|---|---|
| 女性が多い職場で浮かないか | 朝の申し送りに同席できますか。男性スタッフは何名いますか | 情報共有の雰囲気、相談のしやすさ |
| 同性介助の希望が出たらどうなるか | 同性介助の希望が出たとき、誰がどう担当を調整していますか | 調整ルールの有無、担当の偏り |
| 力仕事要員にされないか | 担当はどう決めていますか。福祉用具はどう使っていますか | 担当の決め方の考え方 |
| オンコールが偏らないか | オンコールは一人あたり月何回ですか。待機手当はいくらですか | 負担の実数と手当 |
| 病院のキャリアが通用するか | 同行訪問は何週間ですか。単独訪問はいつからですか | 教育体制と独り立ちまでの道のり |
すべてを一度に聞く必要はありません。気になる不安から順に聞いてみてください。
同性介助の希望が出たとき、誰がどう調整しているか
同性介助の希望への対応は、男性看護師にとっていちばん確かめておきたい点です。管理者が担当表を組み替えるのか、チーム内で相談して決めるのかを聞いてみましょう。
あわせて、男性スタッフが何名いるかも聞いてかまいません。人数が少ない職場でも、調整の仕組みが整っていれば働きにくさにはつながりにくいものです。
見るべきは、人数より仕組みの有無です。担当を外れた分の訪問がどう埋め合わされるかまで聞けると、より安心できます。担当の数が減って収入に響く職場もあるため、手当や訪問件数の数え方も確かめておくと確実です。
単独訪問はいつから・同行訪問は何回くらいか
同行訪問とは、入職後に先輩看護師と一緒に利用者様のお宅を訪ね、仕事の流れを覚える期間のことです。期間や回数は、ステーションによって大きく違います。
「何週間くらいで独り立ちしますか」と聞くと、教育の考え方がわかります。「もう少し同行したいと言えますか」と重ねて聞くのも効果的です。
決まった先輩がつく仕組み(プリセプター制)があるかも確かめておきましょう。訪問看護が初めての男性看護師にとって、相談相手が決まっていることは大きな支えです。
オンコールの当番回数と、呼び出しの実際の回数
オンコールは、当番の回数と、実際に呼び出された回数を分けて聞くのがおすすめです。当番が月に数回でも、毎回のように呼び出される職場もあります。反対に、ほとんど電話だけで済む職場も珍しくありません。
待機手当や緊急訪問の手当も、比べるうえで欠かせない情報です。手当の付き方は職場ごとに違い、年収の見込みに直結する項目です。
当番が男性に偏っていないかは、「当番表はどう組んでいますか」と聞けばわかるはずです。子育てや介護の事情を持つスタッフへの配慮と、全体の公平さをどう両立しているか。そこに職場の姿勢が表れます。
更衣室・休憩スペースなど職場の設備
見落としがちなのが、更衣室や休憩スペースです。女性スタッフが多い職場では、男性用の更衣スペースが十分でないこともあります。
制服がある職場なら、どこで着替えるのかを聞いておきましょう。小さなことに見えて、毎日のことなので、働き続けるうえでの気持ちの負担に関わってきます。
見学では、事務所の中を一通り案内してもらうのが近道です。休憩や記録の時間をどこで過ごすのかを見ておくと、入職後の一日を具体的に思い描けます。
スタッフの年代構成と、相談しやすい体制があるか
年代構成も、職場の雰囲気を知る手がかりです。平均年齢を公開している職場もあるので、見学の前に確認しておくと話が早く進みます。
訪問中に判断に迷ったとき、誰に相談できるかも大切なポイントです。電話で先輩や管理者につながるのか、主治医に直接連絡するのか。相談の流れが決まっていれば、一人で訪問する不安はぐっと小さくなるもの。夜間のオンコール中に迷ったときの連絡先も、あわせて聞いておきましょう。
求人票の読み方は、訪問看護の求人票に潜む5つの落とし穴の記事が参考になります。年代ごとの転職の実情は、50代看護師の訪問看護への転職の記事でもまとめました。
訪問中に迷ったときの相談の流れ(例)
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例:すえひろ訪問看護ステーションの相談体制(数字で見るすえひろ・2026年8月時点)
すえひろ訪問看護ステーションで公開している働き方の情報
私たちは足立区で、24時間365日の体制をとる訪問看護ステーションです。オンコールの回数や手当、教育期間など、採用にまつわる数字を基準日つきで数字で見るすえひろに公開しています。
ただし、スタッフの男女別の人数は公開していません。少人数の職場では入退職のたびに数字が大きく動き、比べる材料になりにくいためです。
見学・面談のときに、その時点の実数でお答えします。ここでは、公開している情報の中から、男性看護師の方が気にされやすい項目を抜き出しました。
2020年3月開設、看護師・PT/OT・ケアマネジャー・事務の職種構成
株式会社すえひろは2019年11月に設立し、2020年3月に訪問看護ステーションを開設しました。開設から6年目を迎えています。
拠点は、すえひろ訪問看護ステーションと足立西すえひろ訪問看護ステーションの2か所です。ほかに、居宅介護支援のケアクリエイションすえひろがあり、あわせて3拠点で運営しています。
職種は看護師、理学療法士、作業療法士、ケアマネジャー、事務で構成しています。訪問エリアは足立区全域と、埼玉県草加市の一部区域です。移動用の電動自転車は、こちらで貸与する形です(出典:数字で見るすえひろ、2026年8月時点)。
すえひろ訪問看護ステーションの体制(公開情報)
24時間365日対応
出典:すえひろ訪問看護ステーション「数字で見るすえひろ」(2026年8月時点)
看護師の平均年齢41.0歳と、教育の数字
看護師の平均年齢は41.0歳、セラピストは30.8歳です(出典:数字で見るすえひろ、2026年8月時点)。令和7年度時点で、訪問看護が未経験で入職した人は86%でした。
入職後は、同行訪問を4〜6週、見守り訪問を3〜6週行います。単独訪問は7〜12週目からが目安です。決まった先輩がつくプリセプター制をとっています。
訪問中に迷ったときは、3段階で相談できます。当日リーダー、管理者・主任、主治医・連携医療機関の順です。期間は人によって前後し、「もう少し同行したい」と言える前提で組んでいます。
オンコールは一人あたり月4〜10回で、待機手当は対応担当が1日6,000円です(出典:数字で見るすえひろ・募集要項)。ご家庭の事情に応じて免除・軽減する枠も設けました。
入職から単独訪問までの目安
期間は人によって前後します。決まった先輩がつくプリセプター制で、「もう少し同行したい」と言える前提で組んでいます。
出典:すえひろ訪問看護ステーション「数字で見るすえひろ」(2026年8月時点)
毎週月曜朝の理念共有ミーティングと勉強会「目からウロコ」
2026年4月から、毎週月曜の8:30〜9:30を全員参加の理念共有ミーティングに充てています。訪問中は一人で動く仕事だからこそ、週の始まりに顔を合わせ、考え方をそろえる時間をつくりました。
地域の看護師向けには、勉強会「目からウロコ」を3ヶ月に1回開いています。毎回約50名が参加し、ほかの事業所の看護師と知り合う場にもなってきました。
2020年3月の開設から6年間で、ご依頼をお受けできなかったのは1件だけです。その1件は、担当スタッフが精神的に追い詰められる状況でした。私たちは「スタッフを護れる会社を創る」という考えを、そのとき優先しています。
まずお受けすることを基本にしつつ、体制上お受けできない場合は、対応できる事業所を一緒に探します。性別にかかわらず、スタッフが無理なく働き続けられること。それも、この前提のひとつです。私たちが一緒に育ちたいのは、制度にとらわれず挑み続ける「志が高い、愛ある開拓者」です。挑み続けるには、安心して働ける土台が欠かせません。
訪問看護の仕事でできること・できないこと
転職後のギャップを減らすには、訪問看護で看護師が担う範囲を知っておくことが近道です。訪問看護は、主治医の指示に基づく看護をご自宅で行う仕事と言えます。
医療処置や健康状態の観察、ご家族への介護指導は訪問看護の役割です。一方で、家事援助や買い物代行は訪問介護(ヘルパー)の役割で、医師の診察もできません。
病院では医師や薬剤師がすぐ近くにいましたが、在宅では一人で判断する場面が増えます。だからこそ、できることとできないことの線引きを知っておくと、迷いが少なくなるのです。
訪問看護師ができること
訪問看護師は、主治医が出す訪問看護指示書に沿って医療処置を行います。訪問看護指示書とは、どんな看護や処置を行うかを医師が書面で示したものです。点滴や褥瘡の処置、カテーテルの管理などが代表的です。
血圧や呼吸、食事や排泄の様子を見て、体調の変化を早めに主治医へ伝えるのも大切な役割です。リハビリテーションや服薬管理の支援、ご家族への介護指導も含まれます。
利用者様の「こう暮らしたい」という目標に向けて、個別にサポートすることもできます。病院のように医師がすぐそばにいるわけではありません。そのため、観察と報告の正確さが何より求められる仕事です。
訪問看護師ができないこと(ほかの職種につなぐこと)
掃除や洗濯、調理などの家事援助は、訪問介護(ヘルパー)の業務です。買い物代行も、訪問看護の範囲には入りません。診察や薬の処方は医師が行います。
できないことがあるからこそ、チームで支える意味が生まれます。主治医、ケアマネジャー、ヘルパー、理学療法士・作業療法士と情報を共有し、それぞれの役割で利用者様を支える形です。
制度上は難しいと思われることでも、利用者様の幸せのために何ができるか。私たちはそれを、チームで一緒に考え続けています。
訪問看護でできること・できないこと
主治医・ケアマネジャー・ヘルパー・PT/OTとチームで利用者様を支えます
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 男性看護師でも訪問看護に転職できますか?
できます。採用で性別を条件にすることは、男女雇用機会均等法で原則禁止されています。厚生労働省の令和6年衛生行政報告例でも、就業看護師の約8.7%が男性です。病院での臨床経験は、訪問看護でもそのまま活かせます。
Q2. 女性の利用者様から男性看護師を断られることはありますか?
入浴や排泄のケアなどで、同性の看護師を希望される利用者様はいらっしゃいます。その場合は、ステーション内で担当を調整するのが一般的です。見学のときに、希望が出たときの調整方法を聞いておくと安心です。
Q3. 訪問看護の男性看護師は力仕事ばかり任されませんか?
移乗や体位変換で頼られる場面はありますが、担当は利用者様の状態や看護の内容で決まるのが基本です。福祉用具の活用や、ご家族との介助方法のすり合わせで負担を減らします。担当の決め方は、面接で確かめておきましょう。
Q4. 訪問看護未経験の男性看護師でも大丈夫ですか?
多くのステーションでは、先輩との同行訪問を重ねてから単独訪問に移ります。すえひろ訪問看護ステーションでは、令和7年度時点で入職者の86%が訪問看護未経験でした。単独訪問は7〜12週目からが目安です。
Q5. 男性看護師は訪問看護で管理者を目指せますか?
目指せます。介護保険の運営基準では、訪問看護ステーションの管理者は原則として保健師または看護師とされています。性別の条件はありません。面接で、管理者や主任への登用の考え方を聞いておくとよいでしょう。
Q6. すえひろ訪問看護ステーションの男性スタッフの人数は公開していますか?
現時点では公開していません。少人数の職場では、数字が大きく動くためです。見学・面談のときに、その時点の実数でお答えします。
おわりに|不安は見学で一つずつ確かめる
就業看護師のうち男性は約8.7%で、10年で約1.6倍に増えました(出典:厚生労働省 令和6年衛生行政報告例)。訪問看護でも、男性看護師はもう特別な存在ではありません。
同性介助の調整、担当の決め方、オンコールの一人あたりの回数、同行訪問の期間。この4つを見学や面接で確かめると、男性看護師にとって働きやすい職場かどうかが見えてきます。
すえひろは「誰ひとりとり残さない社会」を掲げています。同時に、「スタッフを護れる会社を創る」ことを創業時からの前提に置いてきました。男女の人数は数字では公開していませんが、見学ではありのままをお話しします。
まず見学だけでも構いません。1日の流れと、実際に働く人を見てから決めてください。
参考・出典
確認状況は「確認済み(公式資料で数値・内容を確認)/部分確認/未確認」の3段階で示しています。いずれも2026年11月に確認しました。
- 【確認済み】厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」(2025年7月公表):就業看護師数・男女別人数・就業場所別人数・年次推移
- 【確認済み】厚生労働省「男女雇用機会均等法」関連ページ:募集・採用での性別による差別の禁止
- 【確認済み】すえひろ訪問看護ステーション「数字で見るすえひろ」(2026年8月基準):教育期間・オンコール回数・待機手当・平均年齢・未経験入職者の割合
- 【部分確認】訪問看護ステーションの管理者要件(介護保険の指定居宅サービス等の運営基準):要件の原則のみ記載し、例外規定は省略
