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「病院リハビリの未来が不安」なPTへ|2026年以降の医療・介護再編と訪問リハビリという選択肢

「改定のたびに単位数が厳しくなる。このまま病院にいて、5年後も同じように働けるんだろうか…」病院で働く理学療法士(PT)の方から、こうした声を聞くことが増えています。2026年の診療報酬改定を機に、入院リハビリの評価体系が大きく見直されたことで、キャリアへの不安が広がっています。

一方で、在宅・訪問リハビリの領域では、高齢化の加速に伴い需要が着実に拡大しています。「今すぐ転職しなくても、知っておいて損はない」情報として、訪問リハビリという選択肢をご紹介します。すえひろ訪問看護ステーションでも、病院から転職されたPTの方を受け入れてきた経験があります。その視点からも、リアルな情報をお伝えできればと思います。

この記事では、2026年改定の変更点、PT余剰の背景、訪問リハビリの安定需要、転職後のリアル、そして情報収集の始め方まで、段階的に整理してお伝えします。

2026年の診療報酬改定が病院リハビリにもたらした変化

2026年(令和8年)の診療報酬改定では、入院リハビリに関して「離床を重視する」方向への明確な転換が打ち出されました。最も注目すべき変更は、患者の離床を伴わないリハビリを実施した場合、算定点数が10%減算される規定が新設されたことです。これは「ベッドサイドでのリハビリ」が評価されにくくなることを意味しており、病棟運営に直接影響します。

早期リハビリへの評価も変わりました。入院3日以内の早期リハビリテーション加算が25点から60点に引き上げられる一方、より早く・より積極的に離床させる体制が求められています。回復期リハビリ病棟では、休日の1日あたり提供単位数が平均2単位から3単位に引き上げられ、週7日体制での提供が事実上の標準となりました。

さらに、「回復期リハビリテーション強化体制加算」という新加算が設けられました。実績指数48以上をはじめとする厳しい施設基準が課され、これを満たせない病棟は評価上不利になります。加算を取得できる病棟とそうでない病棟の差が広がることで、病院間・部署間での「人員の最適化」が進む可能性があります。

これらの変更は単なる点数の増減ではなく、入院リハビリの「質」を厳しく問う流れの加速です。対応できる病棟は評価が上がる一方、準備の遅れた病棟では人員配置の見直しが起きやすくなります。

病院PTが感じている「将来への不安」の正体

病院PTの将来不安は、改定の影響だけではありません。構造的な供給過剰という問題が、じわじわと現実になりつつあります。厚生労働省の推計では、理学療法士・作業療法士の供給数は2040年頃に需要数の約1.5倍になると見込まれています(出典:厚生労働省 医療従事者の需給に関する検討会 第3回理学療法士・作業療法士需給分科会 平成31年4月)。養成校数は2000年頃の約118校から2023年には275校超に増加しており、毎年多くの新人PTが業界に参入し続けています。

国家試験合格者の累計は2025年3月末時点で約23万6,000人に達しています(出典:日本理学療法士協会 統計情報)。2012年頃の累計約10万人から10年余りで2倍以上に増えた計算です。需要の伸びよりも供給の伸びが大きい状態が続いており、特に病院という「雇用の受け皿」が相対的に縮小するなかで、競争が激しくなっています。

不安の正体をひとことで表すなら、「同じやり方で同じ病院に居続けることが、必ずしも安定を意味しなくなってきた」という変化です。これは病院PTが悪い、ということではありません。医療・介護政策の大きな流れが「入院から在宅へ」にシフトしており、その影響が個人のキャリアにも及んでいるということです。

訪問リハビリが「安定的に需要がある」と言える理由

訪問リハビリの需要は、高齢化の加速によって今後も拡大していきます。厚生労働省の推計では、2020年から2040年にかけて75歳以上への在宅医療需要は43%増、85歳以上では62%増が見込まれています(出典:厚生労働省 2040年に向けた人口動態・医療需要等)。病院リハビリが「供給過多」の圧力にさらされるなか、訪問リハビリは需要が構造的に増え続ける領域です。

制度面でも訪問リハビリへの支援が強化されています。2026年度の介護報酬臨時改定では、これまで処遇改善加算の対象外だった訪問リハビリテーションが初めて加算対象となりました(加算率1.5%、2026年6月施行)。政府が在宅リハビリに携わる理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の待遇改善を制度として後押しし始めたことは、訪問リハビリが「重要な社会インフラ」として位置づけられた証です。

訪問リハビリは単にニーズが多い、というだけではありません。利用者様お一人おひとりの「その人らしい生活」を支えるという、リハビリ本来の意味に向き合いやすい領域でもあります。病院では見ることのできなかった「退院後の生活」の現場に関わることができる点が、訪問リハビリに転職したPTが口にする最も多い動機のひとつです。

病院から訪問への転職が「逃げ」ではなくなってきた理由

「病院のほうがしっかりしたリハビリができる」という考え方は、かつては広く共有されていました。しかし、医療政策の転換とともに、その前提が変わりつつあります。在宅での生活支援を重視する方向へのシフトは、「生活の場で行うリハビリこそ本質的」という考え方を後押しします。病院から訪問リハビリへのキャリアチェンジは、今や「逃げ」ではなく「より専門性の高い領域への移行」として語られるようになっています。

実際に訪問リハビリへ転職した理学療法士が語る理由として多いのは、「退院後に利用者様の生活がどうなっているかを見届けたい」「生活動作に直接かかわるリハビリをしたい」という動機です。これは職業的な純粋さから来る選択であり、病院でのキャリアを否定するものではありません。むしろ、病院で身につけた臨床経験を在宅の現場で活かす、発展的な選択と言えます。

すえひろ訪問看護ステーションでは、病院PTから転職された方を受け入れてきました。転職当初は「病院のような設備がない」ことへの戸惑いを感じる方もいます。一方で、利用者様の自宅という環境のなかで、「その人の日常生活そのもの」に関わる面白さを感じていただく方がほとんどです。訪問リハビリは、マニュアルではなく、観察力・発想力・コミュニケーション力が問われる仕事です。病院でのキャリアが、ここで存分に活きます。

今すぐ転職しなくても「情報収集」だけ始める方法

転職の決断は、急ぐ必要はありません。まず「訪問リハビリとはどういう仕事か」を知るところから始めるだけで十分です。情報収集の入口として有効なのは、訪問看護ステーションや訪問リハビリ事業所が発信するブログ・SNS・採用ページを読むことです。実際に働くPTの声が掲載されているものも多く、「具体的なイメージ」を持つのに役立ちます。

次のステップとして、職場見学や体験同行を申し込む方法があります。多くの訪問リハビリ事業所では、見学や1日体験を受け入れています。実際に利用者様のお宅へ同行し、現場の雰囲気や業務の流れを体感することで、転職後のギャップを減らせます。転職エージェントに相談する前に、まず現場を見てみることをおすすめします。

すえひろ訪問看護ステーションでも、「見てから考えたい」というご相談は大歓迎です。転職を決めていない段階でのご連絡でもかまいません。制度上難しいと思われることでも、まずはご相談ください。専門職として責任を持って、誠実に向き合わせていただきます。病院で積み重ねてきた経験とご自身のキャリアの可能性について、一緒に考えさせてください。

まとめ

2026年の診療報酬改定で入院リハビリへの評価体系が見直され、病院PTのキャリア不安は以前より具体的なものになっています。PT供給過剰という構造問題と重なり、「このままでいいのか」という問いを持つことは、決して根拠のない不安ではありません。

一方で、訪問リハビリの領域には、高齢化による構造的な需要拡大と制度的な後押しが揃っています。病院での経験を活かしながら、生活の現場で本質的なリハビリに取り組めるフィールドがあります。すえひろでは、病院PTの皆さんの「次の一歩」を、転職という形に限らず、一緒に考えていきたいと思っています。

「今すぐ転職する必要はない。でも、知っておいて損はない」。その気持ちのままで、まずは情報収集だけ始めてみてください。その小さな一歩が、5年後のキャリアを守ることにつながるかもしれません。

よくある質問

Q. 病院でのキャリアが浅くても、訪問リハビリに転職できますか?

A. 訪問リハビリでは、病院での臨床経験が直接活きます。経験年数の目安は事業所によって異なりますが、「3年以上の臨床経験があれば十分な入口として評価される」ケースが多いとされています。まずは気になる事業所に確認してみることをおすすめします。

Q. 訪問リハビリと訪問看護ステーションでの理学療法士は何が違うのですか?

A. 訪問リハビリテーション事業所と訪問看護ステーションは、PTが訪問する際の制度上の区分が異なります。訪問看護ステーションに所属するPTは医療保険または介護保険の「訪問看護」として訪問します。利用者様の生活支援という目的は共通ですが、算定方法や対象者の条件に違いがあります。

Q. 訪問リハビリは収入が下がると聞いたことがあります。本当ですか?

A. 訪問件数に応じた歩合制や処遇改善加算の活用により、病院と同水準またはそれ以上の収入が得られるケースも少なくありません。2026年の介護報酬臨時改定で訪問リハビリも処遇改善加算の対象となったため、今後の待遇改善が期待される領域でもあります。実際の給与水準は事業所によって差があるため、見学や相談の場で確認することが大切です。

Q. 訪問先での緊急対応が不安です。病院のようにサポートがない環境で働けるか心配です。

A. 一人での訪問に不安を感じるのは自然なことです。多くの事業所では、同行研修やオンコール体制・管理者への相談窓口など、新しく入職したスタッフへのサポート体制が整っています。すえひろでも、転職後のサポート体制については丁寧にお伝えしていますので、ご不安な点はご相談ください。

Q. 「訪問リハビリに向いている人」はどんな人ですか?

A. 利用者様の生活全体に関心を持ち、「その人らしい暮らし」をともに考えることに喜びを見出せる方は、訪問リハビリとの相性がよい傾向があります。設備が整った環境でなくても発想とコミュニケーションで課題に向き合える方、利用者様やご家族との継続的な関係に価値を感じられる方に、訪問リハビリのやりがいはより深く感じていただけます。

訪問看護のご相談は、すえひろへ

「制度上難しいかも」と思われることでも、まずはご相談ください。
専門職として責任を持って、誠実に向き合わせていただきます。

📞 お電話でのご相談:03-5888-6375(平日 9:00〜17:00)

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