「訪問看護に移りたい。でも、この先の出産や育児のときに、本当に休めるのだろうか」。転職を考える看護師さんから、見学や面談でよく伺う不安です。
求人票には「産休・育休あり」と書かれていることが多いものです。けれど、実際に何人が取り、何人が戻ってきたのかまでは載っていません。
理由ははっきりしています。育休の取得状況を公表する義務があるのは、常時雇用する労働者が300人を超える企業だけです。数十人規模の訪問看護ステーションは対象外のため、取得実績は自分で聞いて確かめるしかありません。
本記事では、全国の育休取得率という物差しと、看護師が使える産休・育休の制度をまず整理します。そのうえで、面接で取得実績と復帰後の働き方を具体的に確かめる5つの質問をまとめました。職場選びのお役に立てれば嬉しく思います。
訪問看護の産休・育休の取得実績は、なぜ求人票に出てこないのか
訪問看護ステーションの多くは、法律上、育休の取得状況を公表しなくてよい規模です。そのため取得実績は、求人票ではなく面接で確かめる情報だと考えておくと迷いません。まずは、公表の仕組みと小規模な職場ならではの事情を押さえておきましょう。
公表義務の線引きは、2025年4月施行の改正育児・介護休業法で決まっています(出典:厚生労働省「育児・介護休業法について」2026年11月閲覧)。求人サイトの「産休・育休あり」は制度があるという意味で、取得した人数を示す表示ではありません。数字が見えないのは、訪問看護に限らず小規模な職場に共通する事情です。
公表義務の対象は300人超の企業
育児・介護休業法では、一定規模以上の企業に、男性の育児休業等の取得状況を年1回公表するよう定めています。2025年4月の改正で、対象はそれまでの「1,000人超」から「300人超」の企業に広がりました(出典:厚生労働省 改正ポイントのご案内)。
逆に言えば、従業員が300人以下の職場には公表の義務がありません。訪問看護ステーションは看護師やリハビリ職が数名から数十名で運営しているところが多く、多くは義務の対象外です。
公表義務がないことは、取得しにくい職場だという意味ではありません。単に「外から見える形で数字を出す決まりがない」というだけです。だからこそ、見学や面接の場で直接たずねる価値があります。
育休の取得状況を公表する義務があるのは
規模が小さくなると
出典:厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」(2026年11月閲覧)
詳しい法改正の内容は、厚生労働省の育児・介護休業法についてで確認できます。
小規模ステーションは「数え方」が決まっていないことも
取得実績を聞いたときに、すぐに数字が返ってこない職場もあります。それは隠しているのではなく、数え方が決まっていないことが理由のひとつです。
たとえば「取得率」を出すには、分母を決める必要があります。「出産したスタッフ」にするのか、「対象となりうる全スタッフ」にするのか。少人数の職場では、1人の取得で数十ポイント上下し、率で出すと実態とずれてしまいます。
そこで面接では、率より実数を聞くのが近道です。「何年で、何人が取り、何人が戻ったか」と聞けば、答えは具体的になるでしょう。数え方が決まっていない職場でも、実数なら答えやすいからです。
私たちも、取得人数や復帰率はまだ社内で数え方を確定できていない項目です。この点は後半の「すえひろ訪問看護ステーションで公開している働き方の数字」で正直にお伝えします。
全国の育休取得率はどのくらいか|公的統計で見る基準
厚生労働省の令和7年度雇用均等基本調査によると、育児休業取得率は女性88.3%、男性50.9%です。女性はほぼ9割が取得しているのが全国の姿で、面接で聞いた数字を比べる物差しになります。
男性は前年度の40.5%から10ポイント以上伸びました(出典:厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」2026年7月公表)。ここでは数字の読み方と、取得率だけでは分からない点を順に見ていきます。全国の平均は、職場の答えを聞いたときに「高いのか、低いのか」を判断する土台です。
女性88.3%・男性50.9%(令和7年度)
| 調査年度 | 女性の育休取得率 | 男性の育休取得率 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 令和7年度 | 88.3% | 50.9% | 出典:厚生労働省 令和7年度雇用均等基本調査(2026年7月公表) |
| 令和6年度 | 86.6% | 40.5% | 出典:厚生労働省 令和6年度雇用均等基本調査 |
※男性の取得率は、調査前年の一定期間に配偶者が出産した男性のうち、調査時点までに育児休業(産後パパ育休を含む)を開始した人の割合です。
雇用均等基本調査とは、厚生労働省が毎年行っている、職場の男女の雇用管理や育児・介護の制度の利用状況を調べる統計です。全国の事業所を対象にしているため、業界をまたいだ平均的な姿をつかむことに役立ちます。
令和7年度の結果では、女性の取得率は前年度の86.6%から88.3%に上がりました。男性は40.5%から50.9%へ伸び、調査で初めて5割を超えました(出典:厚生労働省 令和7年度雇用均等基本調査)。
看護職は女性が多い職種です。面接で「出産したスタッフのうち、育休を取った人はどのくらいか」と聞いたら、全国の女性の取得率88.3%(出典:厚生労働省 令和7年度調査)を目安に比べてみてください。男性の看護師や理学療法士・作業療法士にとっては、男性の5割という数字が参考になるでしょう。
「取得率」だけでは見えないこと
一方で、取得率は「育休を取り始めた人の割合」です。何か月休めたのか、復帰後にどう働けているのかまでは、この数字だけでは分かりません。
訪問看護で働き続けるうえで気になるのは、むしろ復帰後の暮らしではないでしょうか。保育園のお迎えに間に合うか、オンコール(夜間・休日の緊急連絡への待機)を続けられるか、子どもの急な発熱で休めるか。こうした点は、職場の運用によって大きく変わります。
全国の数字は「休めるかどうか」の物差しです。「休んだあと、戻って働き続けられるか」は、職場ごとに確かめる必要があります。後者を確かめる質問は、後の章でまとめています。
育休の「取得率」で分かること・分からないこと
- 育休を取り始めた人の割合
- 全国平均(女性88.3%・男性50.9%)との比較
- 休業した期間の長さ
- 復帰した人数
- 復帰後のオンコール・時短の扱い
実数と復帰後の働き方は、面接で確かめる
看護師が使える産休・育休と給付の基本
産前産後休業(産休)と育児休業(育休)は、職場の規模を問わず、要件を満たせば使える法律上の制度です。
お金の面では、出産手当金・出産育児一時金・育児休業給付の3つを押さえておくと見通しが立ちます。出産手当金と一時金は健康保険から、育児休業給付は雇用保険から出るお金です。窓口が違うため、手続きの相手も変わります。さらに2025年の法改正(出典:厚生労働省「育児・介護休業法について」2026年11月閲覧)で、復帰後の働き方を支える制度も広がりました。順に確認していきましょう。
産前42日・産後56日の産休と出産手当金
産前休業は、出産予定日の6週間前(多胎妊娠は14週間前)から本人の請求で取れる休みです。産後休業は出産の翌日から8週間で、原則として働けない期間と定められています(出典:協会けんぽ「出産手当金について」)。
産休中に給与が出ない場合、勤務先の健康保険から出産手当金が支給されます。全国健康保険協会(協会けんぽ)では、支給期間を「出産の日以前42日(多胎妊娠は98日)から出産の翌日以後56日目まで」としています。1日あたりの額は、標準報酬月額をもとにした日額の3分の2相当です。
出産そのものの費用には、出産育児一時金があります。2023年4月以降の出産では、1児につき50万円が支給されます(出典:協会けんぽ「出産育児一時金について」)。産科医療補償制度に加入する医療機関で、在胎週数22週以降に出産した場合の額です。
いずれも加入している健康保険によって手続きが異なるため、勤務先の事務担当に早めに相談しておくと安心です(出典:全国健康保険協会「出産手当金について」・「出産育児一時金について」、2026年11月閲覧)。
育児休業給付(67%→50%)と出生後休業支援給付金
育休中は、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。額は、休業開始から180日目までは休業開始時賃金日額の67%相当、181日目以降は50%相当です(出典:厚生労働省「育児休業等給付について」)。
2025年4月には、出生後休業支援給付金が新しく設けられました。対象は、子の出生直後の一定期間に本人と配偶者がともに14日以上の育休を取った場合です。一定期間とは、男性は出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内を指します。
上乗せは最大28日間、賃金日額の13%相当です。育児休業給付金と合わせた給付率は80%で、手取りでおおむね10割に相当します(出典:厚生労働省「育児休業等給付について」2026年11月閲覧)。
また、育児休業中は申出により健康保険・厚生年金保険の保険料が免除されます。休業中の家計を考えるときは、給付と保険料の免除をセットで見積もりましょう(出典:厚生労働省「育児休業等給付について」、2026年11月閲覧)。
産休から復帰までの流れと、受け取れるお金
出典:全国健康保険協会「出産手当金について」「出産育児一時金について」/厚生労働省「育児休業等給付について」(2026年11月閲覧)
パート・有期雇用でも育休は取れる
育休は正社員だけの制度ではありません。パートや契約社員などの有期雇用でも、申出の時点で「子が1歳6か月になるまでに契約が満了し、更新されないことが明らかでない」場合は取得できます。
ただし、職場が労使協定を結んでいれば、継続して雇用された期間が1年未満の人などは対象外にできる決まりです。入職して間もない時期に出産を考えている方は、労使協定の有無を面接で確認しておくと、あとで慌てずに済みます(出典:厚生労働省「育児休業等給付について」、2026年11月閲覧)。
訪問看護はパート勤務の看護師も多い分野です。雇用形態を選ぶときに、育休の扱いもあわせて聞いておくと、将来の選択肢を狭めずに済みます。
2025年の法改正で広がった子育て中の働き方
2025年の育児・介護休業法の改正では、育休明けの働き方を支える仕組みが広がりました。復帰後の暮らしを考えるうえで、知っておきたい改正です。
2025年4月からは、子の看護等休暇の対象が小学3年生修了までに延びました(出典:厚生労働省 改正ポイントのご案内)。入園式・卒園式などの行事も、取得の理由に加わっています。残業免除を請求できる対象も、3歳未満から小学校入学前までの子に広がっています。
2025年10月からは、職場が「柔軟な働き方を実現するための措置」を講じることになりました(出典:厚生労働省 改正ポイントのご案内)。対象は3歳から小学校入学前の子を育てる人です。始業時刻の変更、テレワーク、短時間勤務など5つの中から、事業主が2つ以上を選んで用意します。あわせて、妊娠・出産の申出時や子が3歳になる前に、働き方の希望を個別に聞くことも義務になりました。
面接では「改正にあわせて、どの措置を用意しましたか」と聞いてみましょう。職場が制度をどう運用しているかが見えてきます。
2025年の育児・介護休業法改正と、面接での聞き方
| 施行時期 | 改正の内容 | 面接での聞き方 |
|---|---|---|
| 2025年4月 | 子の看護等休暇の対象が小学3年生修了までに拡大。入園式・卒園式なども取得理由に | 子どもの行事で休んだ例はありますか |
| 2025年4月 | 残業免除を請求できる対象が、小学校入学前までの子に拡大 | 残業免除を使っている人はいますか |
| 2025年4月 | 育休取得状況の公表義務が、常時雇用300人超の企業に拡大 | (小規模な職場なら)取得人数を直接聞く |
| 2025年10月 | 3歳〜小学校入学前の子について、柔軟な働き方の措置(5つから2つ以上)と個別の意向聴取 | 改正にあわせて、どの措置を用意しましたか |
出典:厚生労働省「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」(2026年11月閲覧)
面接で取得実績を確かめる5つの質問
「産休・育休の取得実績はありますか」と聞くだけでは、「あります」で会話が終わってしまいます。人数・復帰・復帰後の働き方まで、答えが具体的になる聞き方に変えると、職場の実態が見えやすくなります。
5つの質問は、見学の場でも面接の場でも使えるように並べました。①②は「休めるか」、③〜⑤は「戻って働き続けられるか」を確かめる質問です。全部を一度に聞く必要はありません。気になるものから、メモを見ながら聞いて構いません。職場の答えを、先ほどの全国の数字(女性88.3%・男性50.9%、出典:厚生労働省 令和7年度調査)と並べると判断しやすくなります。
面接で取得実績を確かめる5つの質問
①直近3年の取得人数と、そのうち復帰した人数
最初に聞きたいのは、期間を区切った実数です。「直近3年で、産休・育休を取った方は何人いますか。そのうち復帰された方は何人ですか」と聞いてみてください。
期間を区切るのは、開設からの年数が職場によって違うためです。また、取得人数だけでなく復帰した人数を聞くことで、休んだあとに戻りやすい職場かどうかが分かります。
「まだ対象になった人がいない」という答えも、立派な実績のひとつです。その場合は「もし対象になったら、どう対応する予定ですか」と続けると、職場の考え方を聞けます。
②男性スタッフの取得例
男性の看護師や理学療法士・作業療法士がいる職場なら、男性の取得例も聞いておきましょう。全国では男性の取得率が5割を超えました。男性が取りやすい職場は、休む人をチームで支える仕組みがある職場だと言えます。
2025年4月に始まった出生後休業支援給付金は、夫婦ともに14日以上の育休を取ることが要件です(出典:厚生労働省「育児休業等給付について」)。配偶者の職場の取りやすさも、あわせて確かめておくと安心です。
聞き方の例は「男性スタッフで育休を取った方はいますか。期間はどのくらいでしたか」。期間まで聞くと、数日だけの取得なのか、数か月単位で休めたのかが分かります。男性が長く休めた例がある職場は、女性スタッフの産休・育休にも慣れていると考えてよいでしょう。
③復帰後のオンコールと訪問件数の扱い
訪問看護ならではの質問が、オンコールです。復帰後もすぐに以前と同じ回数を担当するのか、一定期間は免除や軽減ができるのかで、暮らしの組み立て方は大きく変わります。
聞くときは「事業所全体で月何回か」ではなく、「一人あたり月何回か」を確かめてください。全体の回数は、スタッフ数で割らないと一人の負担が分かりません。
オンコールの回数は「一人あたり」で聞く
- 自分が担当する回数がそのまま分かる
- 保育園や家族の予定に置き換えられる
- 面接ではこちらを聞く
- スタッフ数で割らないと一人の負担が分からない
- 人数の多い職場ほど多く見える
復帰後の免除・軽減の有無もあわせて確かめる
あわせて、復帰直後の訪問件数をどう決めるかも聞いておきたい点です。慣らし期間を設けるのか、保育園のお迎え時間から逆算して訪問を組むのか。答えの具体さが、そのまま職場の慣れ具合を表します。オンコールの仕組みや「オンコールなし」で働く選択肢は、オンコールなしの訪問看護求人の記事で詳しく扱っています。
④子どもの急な発熱時の代わりの訪問
小さな子どもは、朝に急に熱を出します。そのとき、予定していた訪問を誰が、どう代わるのかを聞いておきましょう。
訪問看護は、利用者様のご自宅に決まった時間に伺う仕事です。休むこと自体よりも、代わりの訪問の段取りが決まっているかどうかが、休みやすさを左右します。当日リーダーが調整するのか、管理者が入るのか、利用者様やご家族、ケアマネジャーへの連絡は誰がするのか。
ここが具体的に答えられる職場は、子育て中のスタッフに限らず、急な体調不良にも対応できる体制を持っていると考えられます。
⑤時間単位の年休と時短勤務の実際
最後に、制度が「ある」だけでなく「使われているか」を聞きます。「時間単位の年休や短時間勤務を、いま使っている方はいますか」という聞き方がおすすめです。
時間単位の年休とは、年次有給休暇を1日単位ではなく1時間単位で取れる仕組みのことです。たとえば、子どもの予防接種や保育園の面談のために、午後だけ2時間抜けるといった使い方ができます。
実際に使っている人がいる制度は、復帰後も遠慮せずに使えるはずです。規程にあっても誰も使っていない制度は、使い始めるのに勇気が要ります。育休明けに訪問看護を選んだ看護師の1週間は、育休明けの復職先に訪問看護を選んだ理由で紹介しています。
すえひろ訪問看護ステーションで公開している働き方の数字
私たちは、オンコールの回数や手当、休日など採用にまつわる数字を、基準日つきで数字で見るすえひろに公開しています。ただし、産休・育休の取得人数と復帰率は、まだ社内で数え方を確定できていないため、公開していません。見学・面談のときに、その時点の実数でお答えします。
「数字で見るすえひろ」は、すべての数字に基準日をつけ、四半期ごとに見直しています(出典:すえひろ訪問看護ステーション「数字で見るすえひろ」2026年8月基準)。募集要項に載せている数字も、このページに合わせています。載せていない項目は、数え方がまだ確定していないものです。良い数字だけを並べず、ないものはないと書く。比べる材料として使っていただくための方針です。
子育て中の働き方に関わる数字
公開している数字のうち、子育てと両立するうえで関わりの深いものを抜き出しました(出典:数字で見るすえひろ、2026年8月時点)。
すえひろ訪問看護ステーションの、子育てとの両立に関わる数字
| 項目 | 数字 | 基準日 |
|---|---|---|
| 夜勤 | なし | 2026年8月 |
| 就業時間 | 8:30〜17:30(休憩60分) | 募集要項 |
| 休日 | 年間115日(シフト制) | 募集要項 |
| 時間単位年休 | あり | 募集要項 |
| オンコールの免除・軽減 | あり(ご家庭の事情に応じた枠) | 2026年8月 |
| オンコールの担当 | 一人あたり 月4〜10回 | 2026年8月 |
| 離職率 | 0% | 令和7年度 |
| スタッフ数 | 22名 | 2026年8月 |
| 産休・育休の取得人数・復帰率 | 未公開(数え方を確定中。見学・面談で実数をお答えします) | — |
出典:すえひろ訪問看護ステーション「数字で見るすえひろ」
夜勤はありません。就業時間は8:30〜17:30(休憩60分)で、年間休日は115日です(出典:募集要項)。時間単位の年休も使えます。
訪問エリアは足立区全域と埼玉県草加市の一部区域で、移動には電動自転車を貸与しています(出典:数字で見るすえひろ)。保育園の送り迎えと訪問の動線を、地図の上で一緒に確かめることもできます。
オンコールは一人あたり月4〜10回(出典:数字で見るすえひろ、2026年8月時点)で、ご家庭の事情に応じて免除・軽減する枠を設けています。子育て中の方がこの枠をどう使えるかは、ご家庭の状況を伺いながら一緒に決めていきます。
取得実績を公開していない理由と、お答えの仕方
取得人数や復帰率を出していないのは、社内で数え方をまだ確定できていないためです。前の章でふれたとおり、少人数の職場では分母の取り方ひとつで「率」が大きく動きます。数え方を決めないまま数字を出しても、ほかの職場と比べる材料にはなりません。
その代わり、見学や面談では、その時点での実数をそのままお伝えします。先ほどの5つの質問を、そのまま私たちに聞いていただいて構いません。答えられないことは、答えられないとお伝えします。
すえひろは「誰ひとりとり残さない社会」を掲げています。同時に、「スタッフを護れる会社を創る」ことを創業時からの前提としてきました。出産や育児で働き方が変わる時期も、無理をせず働き続けられること。それも、この前提のひとつです。私たちが育てたいのは、制度にとらわれず挑み続ける「志が高い、愛ある開拓者」です。挑み続けるには、暮らしの変化に合わせて働き方を組み直せる土台が欠かせません。
職場の規模による違いや選び方は、訪問看護の大手と小規模の違いの記事も参考になります。
訪問看護の仕事でできること・できないこと
復帰後に担う仕事の範囲を知っておくと、働き方を考える材料になります。訪問看護は、主治医の指示に基づく看護をご自宅で行う仕事です。
訪問看護でできるのは、医師の指示に基づく医療処置、健康状態の観察と相談、リハビリテーション、服薬管理の支援、ご家族への介護指導です。利用者様の目標に向けた個別のサポートも担います。一方で、掃除や調理などの家事援助、買い物代行は訪問介護(ヘルパー)の役割で、医師の診察も訪問看護ではできません。
この線引きがあるからこそ、主治医、ケアマネジャー、ヘルパー、理学療法士・作業療法士とチームで利用者様を支えます。子育て中のスタッフが急に休む日も、チームで情報を共有していれば、利用者様へのケアを途切れさせずに済みます。制度上は難しいと思われることでも、利用者様のために何ができるかを、チームで一緒に考え続けています。
訪問看護でできること・できないこと
- 主治医の指示に基づく医療処置
- 健康状態の観察・相談
- リハビリテーション
- 服薬管理の支援
- ご家族への介護指導
- 家事援助(ヘルパーの業務)
- 買い物代行
- 医師の診察
主治医・ケアマネジャー・ヘルパー・PT/OTとチームで支えます
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 訪問看護ステーションで産休・育休は取れますか?
取れます。産前産後休業と育児休業は法律で定められた制度で、事業所の規模にかかわらず対象になります。パートや有期雇用でも、子が1歳6か月になるまでに契約が終わり更新されないことが明らかでなければ、育児休業を取得できます。
Q2. 産休・育休の取得実績はどこで確認できますか?
常時雇用する労働者が300人を超える企業には取得状況の公表義務がありますが、小規模な訪問看護ステーションの多くは対象外です。見学や面接で、直近の取得人数と復帰した人数を直接たずねるのが確実です。
Q3. 育休中の収入はどのくらいになりますか?
雇用保険の育児休業給付は、休業開始から180日までは休業開始時賃金日額の67%、181日目以降は50%です。両親ともに14日以上の育休を取ると、出生後休業支援給付金(13%・最大28日)が上乗せされます(出典:厚生労働省「育児休業等給付について」)。
Q4. 復帰後にオンコールは免除してもらえますか?
法律で一律に決まっているものではなく、職場ごとの運用によります。すえひろ訪問看護ステーションでは、ご家庭の事情に応じてオンコールを免除・軽減する枠を設けています。
Q5. すえひろ訪問看護ステーションの育休取得人数は公開していますか?
現時点では公開していません。社内で数え方を確定できていないためです。見学・面談のときに、その時点の実数でお答えします。
おわりに|取得実績は「人数」と「復帰後の働き方」で確かめる
全国の育休取得率は女性88.3%・男性50.9%です(出典:厚生労働省 令和7年度調査)。
小規模な訪問看護ステーションには公表の義務がなく、取得実績は面接で確かめる情報です。人数と復帰した人数、そして復帰後のオンコールや休み方まで聞くと、働き続けられる職場かどうかが見えてきます。
産休・育休は、取得実績の有無にかかわらず使える制度です。給付や2025年の法改正の内容を知っておくと、面接での質問もより具体的になります。
すえひろは、取得人数をまだ数字で公開できていません。その分、見学や面談では実数と、ご家庭の状況に合わせた働き方の組み立て方をお話しします。まず見学だけでも構いません。実際に子育てをしながら働く1日の流れを見てから決めてください。
参考・出典
=2026年11月に公式ページで内容を確認したもの。
- 厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」
- 厚生労働省「令和6年度雇用均等基本調査」
- 厚生労働省「育児・介護休業法について」「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内(令和7年4月1日から段階的に施行)」
- 厚生労働省「育児休業等給付について」
- 全国健康保険協会「出産手当金について」「出産育児一時金について」
- すえひろ訪問看護ステーション「数字で見るすえひろ」(2026年8月基準)
