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准看護師は訪問看護で働ける|できることの範囲と報酬の扱い

この記事の要点(30秒でわかる)

  • 准看護師の方も訪問看護で働けます。全国で6,293人が訪問看護ステーションに就業しています
  • 保健師助産師看護師法上の位置づけが看護師と異なり、担えない業務が3つあります(書類作成や判断に関わる領域)
  • 介護報酬では、准看護師が訪問した場合は所定単位数の90%の算定になります
  • すえひろ訪問看護ステーションでは、准看護師の募集は行っておりません

「准看護師でも訪問看護で働けるのだろうか」。
求人を探すなかで、そんな疑問を持たれた方は少なくないはずです。

はじめにお答えすると、准看護師の方も訪問看護で働けます。
厚生労働省の統計では、全国で6,293人の准看護師が訪問看護ステーションで働いています。
ただし看護師とは法律上の位置づけが違い、担えない業務がはっきり決まっています。

この記事では、制度上の位置づけと、担えること・担えないことの線引き、報酬の扱いを整理しました。
そのうえで、看護師資格を目指す道筋についてもお伝えしましょう。
最後に、すえひろの採用方針についても率直に書かせてください。
読み終えたときに、次の一歩を決める材料が残るよう努めました。

📝 当コラムの記事内容について

当コラムは、訪問看護に関する一般的な情報提供を目的としたものです。個別の症状・保険適用・制度のご判断についてお答えするものではありません。制度の運用は地域・保険者・個別のご状況により異なりますので、あらかじめご了承ください。

記事内容に関するご質問は、お問い合わせフォームよりお願いいたします(お電話・コメント欄でのご質問にはお答えいたしかねます。回答までお時間をいただく場合があります)。

※訪問看護サービスのご利用・ご相談に関するお問い合わせは、受付時間(8:30〜17:30)にお電話でも承っております。

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このLINEは、訪問看護への転職を考えている方の「聞くだけ」の窓口です。応募の受付ではありません。勤務地は東京都足立区の2拠点です。

准看護師は訪問看護で働けるのか|制度上の位置づけ

准看護師の方も、訪問看護ステーションで働けます
ただし保健師助産師看護師法において、看護師とは異なる位置づけが置かれました。
その違いが、日々の業務の進め方を左右します。

違いは免許の交付者、業務の進め方、担える書類の3点に表れます。

看護師と准看護師 制度上の違い
免許の交付者・業務の進め方・担える書類の3点に違いが表れます
比較する項目 看護師 准看護師
免許の交付者 厚生労働大臣 都道府県知事
業務の進め方 自らの判断で療養上の世話・診療の補助を行う 医師・歯科医師または看護師の指示を受けて行う
訪問看護計画書・報告書の作成 ×
訪問看護ステーションの管理者 ×
介護報酬の算定 所定単位数 所定単位数の90%
根拠条文 保健師助産師看護師法第5条 保健師助産師看護師法第6条

全国で6,293人の准看護師が訪問看護ステーションに就業している

厚生労働省の令和6年衛生行政報告例によると、訪問看護ステーションで働く准看護師は6,293人でした。
常勤換算に直すと5,141.6人という規模です。
常勤換算とは、勤務時間の短い職員を常勤職員の何人分にあたるかへ換算する数え方です。
同じ調査によると、訪問看護ステーションの看護師は91,022人でした。

割合で見ると、就業准看護師全体のうち訪問看護ステーションで働く方は2.7%にとどまります。
同じ調査の看護師6.7%と比べると低い数字ですが、准看護師が訪問看護の現場で働けないわけではありません
求人数が少ないという実情はあるものの、道は開かれた状態です。

保健師助産師看護師法が定める看護師との違い

看護師と准看護師の違いは、保健師助産師看護師法が明記しています。
同法第5条は、看護師を次のように定義します。
「厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者」。

一方の第6条が定める准看護師の定義は、次のとおりです。
「都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、前条に規定することを行うことを業とする者」。

業務の中身そのものは、第5条を引用する形で共通しています。
違うのは、「医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて」という一句が入っている点だけです。
免許の交付者も、厚生労働大臣と都道府県知事に分かれます。

同じ発熱を確認した場面でも、次の一手が変わります。

訪問先で発熱を確認したときの流れ
同じ場面でも、次の一手が変わります
看護師の場合
発熱を確認
全身状態を評価
自らの判断で主治医へ連絡
指示に基づき対応
准看護師の場合
発熱を確認
看護師へ報告
看護師が評価し指示
指示に沿って対応
どちらの流れも、利用者様への対応にたどり着きます

「指示を受けて行う」とは実務では何を意味するか

条文の一句は、訪問看護の現場で具体的な形をとって表れます。
訪問先で利用者様の状態を見て、次にどうするかを自分の判断だけで決めることは認められていません。
気になる変化があれば、看護師へ報告し、指示を仰いだうえで動きます。

例えば、訪問先で発熱を確認した場面を思い浮かべてください。
看護師であれば、状態を評価して主治医へ連絡するかどうかを自分で決められます。
准看護師の場合は、その判断を看護師に委ね、指示に沿って対応する形です。

この違いは能力の差ではなく、法律が定めた役割の分担です
私自身、准看護師の方と組んで働いた経験があります。
観察の鋭さや利用者様との距離の取り方に、何度も助けられました。
報告を受けて指示を返すやり取りも、慣れてくれば数分で済むものです。
現場では、事業所がこの手順をどう組んでいるかが働きやすさを分けます。
連絡が取りやすい体制かどうか、入職前に確かめておきたいところです。

准看護師が担えること・担えないこと

訪問看護の業務のうち、准看護師が担えないものは制度上はっきり定められました。
担えない業務は3つで、いずれも書類の作成や判断に関わる領域です。

知らずに入職すると、想定していた働き方とのずれが生まれかねません。
逆に言えば、訪問そのものや医療処置は制限を受けずに担えます。
バイタルサインの測定も、医師の指示に基づく処置も、看護師と同じように実施できます。
違いが表れるのは、書類にサインする場面と、その場で方針を決める場面に限られます。

制限がかかるのは書類と判断の領域で、訪問そのものには及びません。

訪問看護で准看護師が担える業務・担えない業務
制限がかかるのは書類と判断の領域で、訪問そのものには及びません
○ 准看護師が担えること × 准看護師が担えないこと
バイタルサインの測定と観察
指示に基づく医療処置 医師や看護師の指示のもとで、点滴の管理、褥瘡の処置など
療養上の世話 清拭・入浴介助など
服薬状況の確認
ご家族への日常的な助言
訪問記録の記載
×訪問看護計画書の作成
×訪問看護報告書の作成
×訪問看護ステーションの管理者
×24時間対応体制における判断
×看護師の指示なしでの状態評価と対応方針の決定

担えること(医師や看護師の指示に基づく療養上の世話・診療の補助)

准看護師が担える業務は多岐にわたります。
バイタルサインの測定、全身状態の観察、清拭や入浴の介助が含まれます。
バイタルサインとは、体温・血圧・脈拍・呼吸など、体の状態を示す基本的な数値を指します。
清拭とは、蒸しタオルで身体を拭いて清潔を保つケアのことです。

医師の指示に基づく点滴の管理や褥瘡の処置も、看護師の指示のもとで実施可能です。
褥瘡とは、長時間の圧迫で皮膚がただれてしまう状態を指します。
例えば、寝たきりの方の腰やかかとに生じやすいものです。

服薬状況の確認や、ご家族への日常的な助言も業務の範囲内です。
訪問時の記録を書くことも当然可能です。
訪問という行為そのものに制限はなく、実際の業務量は看護師と大きく変わりません

1日の流れも同じです。
朝の申し送りで当日の指示を受け、日中は数件の訪問をこなし、夕方に記録をまとめます。
看護師との違いが表れるのは、訪問中に想定外の変化があった場面だけです。
利用者様やご家族から見れば、訪問してくださる看護職という点で違いはありません。
信頼関係を築く力が問われるのも、資格の区分とは無関係です。

担えないこと1:訪問看護計画書・報告書の作成

訪問看護計画書と訪問看護報告書の作成は、看護師や保健師などの役割とされました。
准看護師の方は、これらの書類を作成できません。
計画書は利用者様のケアの方針を定める書類、報告書は主治医へ提出する経過報告です。

ただし、実務が止まってしまうわけではありません。
准看護師が訪問で得た情報を看護師へ伝え、看護師が計画書や報告書へ反映する流れです。
訪問記録そのものは准看護師も記載しますので、日々の情報が抜け落ちる心配は要りません。

担えないこと2:訪問看護ステーションの管理者

訪問看護ステーションの管理者は、省令上「保健師又は看護師」に限られます。
そのため准看護師の方は、原則として管理者に就けません
根拠は、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準の第61条第2項です。

同項のただし書きには、やむを得ない理由がある場合の例外も置かれました。
適用されるのは、管理者の長期の傷病や出張などのやむを得ない理由がある場合だけです。
そのうえで、管理者としてふさわしいと都道府県知事に認められる必要があります。
あくまで暫定的な措置とされており、速やかに保健師または看護師の管理者を確保するよう求められています。
管理者を目指す道を考えるなら、看護師資格の取得が前提になります

担えないこと3:24時間対応体制での判断

訪問看護ステーションの多くが、24時間の連絡体制を敷いた運営です。
この体制のもとで夜間や休日の連絡を受ける当番を、オンコール当番と呼びます。
夜間や休日に利用者様から連絡が入った際、状態を評価して対応を決める役割を担います。
この判断は、原則として保健師または看護師が担う領域とされています

准看護師の方が営業時間外に訪問すること自体は可能です。
ただしその場合も、看護師の指示を受けたうえで動く形です。
オンコール当番を准看護師に割り当てない事業所が多いのも、この仕組みゆえです。
見方を変えれば、夜間の呼び出しがない働き方とも言えます。
生活のリズムを優先したい方には、この点が利点と受け止められる働き方です。

報酬上の扱い|准看護師が訪問すると90%の算定になる

介護報酬の算定基準では、准看護師が訪問した場合の報酬が所定単位数の90%となる決まりです。
所定単位数とは、介護保険で1回のサービスごとに定められた点数を指します。
この仕組みが、事業所の採用判断にも影響を与えました。
背景と実務への影響を順に見ていきます。

就業者数、業務の進め方、報酬、書類、管理者の5点で差が出ます。

訪問看護における報酬の扱い(介護保険・訪問看護ステーション)
訪問した職種・場面算定される報酬根拠
看護師・保健師が訪問した場合所定単位数(100%)指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)
准看護師が訪問した場合所定単位数の90%同告示(准看護師による訪問の減算)
ケアプランは看護師予定・実際は准看護師が訪問所定単位数の90%同告示の解釈通知
医療保険の訪問看護(基本療養費I・週3日目まで)准看護師は5,050円(看護師等5,550円)訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(令和6年度改定)

同じ訪問でも、誰が行くかで事業所の受け取りが1割変わります。
なおケアプランとは、ケアマネジャーが作成する介護サービスの利用計画を指します。

訪問看護の報酬は誰が訪問するかで変わります
同じ訪問でも、事業所の受け取りが1割変わる仕組みです
介護保険
看護師が訪問した場合 100% 所定単位数 基準となる単位数がそのまま算定されます
介護保険
准看護師が訪問した場合 90% 所定単位数の90% 所定単位数に90%を乗じて算定します
医療保険
職種別の別建て金額(減算ではありません)
看護師等 5,550円
准看護師 5,050円
訪問看護基本療養費(I)週3日目まで

所定単位数の90%という減算の仕組み

厚生労働省の告示に基づき、准看護師が訪問を行った場合は所定単位数の90%を算定する仕組みです。
例えば30分以上1時間未満の訪問看護なら、定められた点数に地域ごとの単価を掛けて金額が決まります。
この告示上の扱いを、10%の減算という言い方で説明する場面も見かけます。
同じ内容の訪問でも、事業所が受け取る報酬に差が出ます。

この差は、事業所の収支に直結する要素です。
訪問1回あたりの単価が下がるため、准看護師の採用に慎重な事業所も出てきます。
准看護師の求人が看護師に比べて少ない背景には、この報酬の仕組みがあります

一方、医療保険の訪問看護では、算定の方式そのものが違います。
介護保険は所定単位数に90%を乗じる減算方式です。
一方の医療保険は、職種ごとに金額があらかじめ別建てで設定されています。
訪問看護基本療養費(I)では、保健師・助産師・看護師が5,550円、准看護師は5,050円という具合です。

つまり、どちらの保険でも准看護師が訪問した場合の報酬は下がります。
違うのは、減算という形をとるか、別建ての金額という形をとるかという点です。

ケアプラン上は看護師予定だった場合の扱い

もう一つ知っておきたいのが、ケアプランとの関係です。
誰がどのサービスを週に何回受けるかを、あらかじめ定めた書類にあたります。
ケアプラン上は看護師が訪問する予定だったところ、事業所の事情で准看護師が訪問した場面を考えます。
このときも、准看護師が訪問した場合の単位数で算定する決まりです。

つまり、当日の人員配置によって報酬が変わってきます。
シフトを組む立場からすると、看護師と准看護師の配置を意識せざるを得ない状況です。
この点も、事業所が採用を判断する際の材料に加わってきます。
准看護師の方を採用する事業所では、看護師とペアで担当を組む運用をとる例も見られます。
チームで補い合う形をとれるかどうかが、受け入れの分かれ目です。

この仕組みが採用にどう影響するか

報酬の仕組みは、求人の出方にも表れます。
募集要項で「看護師」とだけ書かれた事業所は、准看護師を対象としていない場合がほとんどでしょう。
応募の前に、対象資格の記載をご確認いただければ確実です。

一方で、准看護師を積極的に受け入れる事業所も存在します。
経験を重視する事業所や、チームで補い合う体制を組んだ事業所です。
求人票の対象資格欄と、面接での確認を組み合わせて探していただけたらと思います。
訪問看護師の一日のスケジュールを知っておくと、面接での質問も具体的になります。

准看護師の就業者数は減り続けている|数字で見る背景

准看護師の就業者数は、統計上はっきりと減っています。
養成課程の縮小が背景にあり、この傾向は今後も続く見込みです。

10年で10万人以上という減り方は、資格を取り巻く環境の変化を映しています。
厚生労働省の調査では、減少が10年前から続いており、直近2年でも2万人以上減りました。
ただし、いま持っている免許が失効するような話ではありません。
将来の選択肢を考えるための材料として、数字を見ていただければと思います。

同じ統計で、平成26年の34万人から令和6年の23万人まで一貫した下降線を描いています。

就業准看護師数の推移
平成26年から令和6年まで、一貫した下降線を描いています
平成26年
340,153人
平成28年
323,111人
平成30年
304,479人
令和2年
284,589人
令和4年
254,329人
令和6年
233,022人
※ 参考: 同じ統計における就業看護師数は令和6年で 1,363,142人 です。

10年で10万人以上減少している

厚生労働省の令和6年衛生行政報告例が示す就業准看護師数は、233,022人でした。
前回調査にあたる令和4年の254,329人から、21,307人減った計算です。
率にすると8.4%減という水準です。

さらに10年前と比べると、変化の大きさが見えてきます。
同調査の平成26年340,153人と比べると、10年で10万人以上の減少です。
一方、同じ報告例の就業看護師数は1,363,142人で、こちらは3.9%増えました。
両者の差は開き続けており、医療現場の人員構成そのものが変わりつつあります。

養成課程の縮小という構造的な要因

減少の背景にあるのが、養成課程の縮小です。
准看護師を養成する学校や課程は、全国的に数を減らしてきました。
新たに資格を取得する方が減れば、就業者数も自然と縮小します。

加えて、准看護師から看護師へ進学される方も一定数いらっしゃいます。
この流れも、就業者数が減る要因のひとつでしょう。
資格そのものが今すぐなくなるわけではありませんが、長期的な傾向としては縮小方向にあります
現在お持ちの免許が失効するような話ではないため、過度に不安を抱く必要はありません。
ただし10年後、20年後を見据えるなら、進路の選択肢として頭に入れておきたい流れです。

求人市場で准看護師の募集が減っている理由

就業者数の減少と報酬の仕組みが重なり、准看護師向けの求人は減少傾向です。
訪問看護に限らず、医療機関全体で同じ傾向が見て取れます。
求人を探す際に選択肢が限られると感じられるのも、こうした構造ゆえでしょう。

ただし、准看護師としての経験が評価されないという話ではありません。
長く現場で培った観察力や、利用者様との関係づくりの力は、資格の区分とは別の価値です。
求人が見つかりにくい状況でも、ご自身の経験の価値まで低く見る必要はないでしょう。

看護師資格を目指すという選択|進学の道筋と支援制度

訪問看護でキャリアを広げたい准看護師の方には、看護師資格の取得が現実的な道でしょう。
働きながら通える課程が複数あり、支援制度も整えられました。

実務経験5年以上であれば、通信制という選択肢が開けます。
この要件は令和8年4月1日から適用され、以前の7年以上から短縮されました。
学費についても、給付金や貸与制度で負担を軽くする道があります。
進学は簡単な道ではありませんが、環境を整えれば十分に射程に入ります。
入学の要件と支援制度を順に見ていきます。

全日制・定時制と通信制で、入学の要件が変わります。

准看護師から看護師資格を目指す3つの進学ルート
働きながら続けられるかという観点で比べる
ルートA
2年課程(全日制)
入学の要件
准看護師資格を有すること
(中学校卒業の場合は実務経験3年以上)
修業年限
2年
学び方
昼間に通学して学ぶ課程
ルートB
2年課程(定時制)
入学の要件
全日制と同じ
(中学校卒業の場合は実務経験3年以上)
修業年限
3年
学び方
通学しながら年限を長めにとる課程
ルートC
2年課程(通信制)
入学の要件
実務経験5年以上
(令和8年4月1日から。それ以前は7年以上)
修業年限
2年
学び方
働きながら学べる課程
3ルートに共通するゴール
修了により看護師国家試験の受験資格を得る
※ 出典:日本看護協会 准看護師のための進学特設サイト/最新の要件は志望校の募集要項で要確認

2年課程(通信制を含む)という選択肢

准看護師から看護師を目指す場合、2年課程への進学が基本の道筋です。
2年課程とは、准看護師の資格を持つ方を対象にした看護師養成課程です。
例えば全日制なら2年間通い、修了すると看護師国家試験の受験資格を得られます。
全日制、定時制、通信制の3つの形態から、生活の事情に合わせて選べます。
いずれの課程を修了しても、看護師国家試験の受験資格を得られる仕組みです。

全日制なら2年、定時制なら3年が標準的な修業年限です。
働きながら学ぶことを前提にするなら、定時制か通信制が候補です。
ご自身の勤務形態と両立できる形を選ぶことが、続けるための第一条件です

入学の要件は、最終学歴と課程によって変わります。
保健師助産師看護師法第21条第4号によると、高等学校または中等教育学校を卒業した准看護師の方は、実務経験を問われません。
高校を卒業していない場合は、免許を取得したあと3年以上の業務従事が必要です。

全日制と定時制の要件は同じで、中学校卒業の方のみ実務経験3年以上が求められます。
進学を検討される際は、志望校の募集要項で最新の要件をご確認ください。

実務経験5年以上で通信制に進める

通信制の2年課程には、実務経験の要件が設けられました。
准看護師として5年以上の実務経験があれば、進学の対象です(日本看護協会の進学特設サイトによる)。
この要件は令和8年4月1日から適用されました。
かつては10年以上、その後7年以上とされてきたものが、さらに短縮された形です。

通信制では、自宅学習に加えて面接授業や実習も組み込まれます。
完全に通学が不要というわけではない点も、あらかじめ知っておきたいところです。
勤務先の理解が得られるかどうかも、進学を検討するうえで欠かせない要素でしょう。

給付金、貸与制度、勤務先の支援の3方向から学費の負担を軽くできます。

看護師資格を目指すときに使える支援制度
給付金・貸与制度・勤務先の支援という3方向
01
雇用保険
専門実践教育訓練給付金
一定の条件を満たせば、受講費用の一部が支給されます。
※ 制度の内容は地域・事業所によって異なるため要確認
02
都道府県
看護師等修学資金の貸与制度
一定期間その地域で働くことを条件に、返還が免除される設計が多く見られます。
※ 制度の内容は地域・事業所によって異なるため要確認
03
事業所
勤務先の支援制度
勤務日数の調整や学費補助を設けている事業所もあります。
※ 制度の内容は地域・事業所によって異なるため要確認
※ 支給額や対象要件は制度改正や自治体の運用で変わります。利用を検討する際は、ハローワーク・都道府県の担当窓口・勤務先の就業規則で最新の内容をご確認ください。

使える支援制度(専門実践教育訓練給付金など)

学費の負担を軽くする制度がいくつか用意されました。
代表的なものが、雇用保険の専門実践教育訓練給付金でしょう。
一定の条件を満たせば、受講費用の一部が支給される仕組みです。

このほか、都道府県が実施する看護師等修学資金の貸与制度も選べます。
一定期間その地域で働くことを条件に、返還が免除される設計が多く見られます。
制度の内容は地域によって異なりますので、お住まいの都道府県のナースセンターへご相談ください

働きながら学ぶ場合の現実的な負担

正直にお伝えすると、働きながらの進学は楽な道ではありません。
勤務、学習、実習、そして家庭の事情。
これらを2年間にわたって並行させる必要が出てきます。

一方で、多くの方が実際に修了されているのも確かです。
例えば通信制の場合、平日は勤務し、夜と週末に課題を進める形が典型です。
面接授業や実習の期間だけは勤務日数を減らし、年に数回まとまった時間を確保します。
勤務先が日程を早めに把握できていれば、シフトの調整もしやすくなります。

勤務日数を調整できる職場を選ぶこと、家族の協力を得ること、学習の時間を先に確保すること。
この3つが土台になります。
続けられた方に共通するのは、環境を整えてから始めたという順序です。
入学してから調整しようとすると、途中で立ち行かなくなる場面が出てきます。
勤務先への相談を、出願より先に済ませておくことをおすすめします。

すえひろの採用方針について

すえひろ訪問看護ステーションでは、准看護師の募集を行っておりません
採用方針として、率直にお伝えしておきたいことです。

ここまで読んでいただいた方には、理由もあわせてお伝えするのが誠実でしょう。
資格の価値を低く見ているという話ではなく、私たちの運営体制の問題です。
他の事業所であれば受け入れの余地があることも、あわせてお伝えします。
進路の選択肢を狭める意図はありません。

まず、募集を行っていない理由からお話しさせてください。

法律の役割分担、私たちの運営体制、入職後のずれ。この3点が判断の理由です。

すえひろが採用の対象を看護師としている理由
法律の役割分担・私たちの運営体制・入職後のずれという3層
最上層/目指していること
入職後に「思っていた働き方と違う」となる事態を避けたい
中間層/すえひろの運営体制
訪問に出るスタッフ全員が自ら判断し、主治医へ直接報告する体制をとっている
最下層/前提となる決まり
法律が定める役割分担を正確に守る
准看護師は、看護師の指示を受けて業務を行う立場と定められています
※ 准看護師という資格を低く見ているという話ではありません
制度上の役割分担と、当ステーションの運営体制の組み合わせによる判断です。准看護師の方が力を発揮できる職場は数多くあります。
※ 募集の対象資格は事業所ごとに異なります。当ステーションの採用状況は最新の募集要項をご確認ください。

准看護師の募集を行っていない理由

私たちの事業所では、訪問に出るスタッフ全員が自らの判断で利用者様の状態を評価します。
そのうえで主治医へ直接報告する体制をとってきました。
准看護師の方は法律上、看護師の指示を受けて業務を行う立場です。
この体制のもとでは、准看護師の方に本来の力を発揮していただくのが難しいと判断しました。

これは准看護師という資格を低く見ているという話ではありません。
私たちの運営体制と、法律が定める役割分担が噛み合わないためです。
入職いただいてから「思っていた働き方と違う」となる事態を避けたいというのが、率直な理由です

看護師資格を取得された際はぜひご相談ください

現在准看護師として働きながら、看護師資格の取得を考えておられる方もいらっしゃるでしょう。
そうした方のご相談は、応募の前段階でも承ります。
どの課程を選ぶか、勤務と両立できるかといった話も、一緒に考えさせてください。

資格を取得されたあと、改めてご連絡いただけたら嬉しく思います。
すえひろでは認定看護師・専門看護師の資格取得を支援する体制も用意しました。
看護師になられたあとも、専門性を高める道を一緒に考えていけます。
働きながら認定看護師を目指す方法については、別の記事でお伝えしています。

他の事業所を検討される方へ

准看護師を受け入れている訪問看護ステーションは、実際に存在します。
厚生労働省の統計が示す6,293人という数字が、その裏づけです。
探し方としては、求人票の対象資格欄の確認から始めてみてください。

訪問看護の研修制度がどう設計されているかは、事業所を選ぶ際の判断材料になります。
あわせて確認していただきたいのが、教育体制と連絡の取りやすさです。
看護師への報告と指示のやり取りが、日常的に発生する立場だからです。
そこがスムーズな事業所を選べるかどうかが、働きやすさを決めます。
「無理かもしれない」と諦める前に、様々な可能性を一緒に探っていきましょう。

職場を探す際に確認したい項目を、チェックリストにまとめました。

訪問看護ステーションを探すときに確認したい6項目
求人票と面接でそのまま使えるチェックリスト
クリックでチェックを付けられます(求人票を見ながらお使いください)
※ チェックの状態はページを再読み込みするとリセットされます。運用や制度は事業所ごとに異なるため、詳細は各事業所へご確認ください。

准看護師の訪問看護に関するよくある質問

准看護師の方から実際にいただくご質問を、6つにまとめました。
就職の可否、単独訪問、書類、給与、進学、すえひろの方針が中心です。

Q. 准看護師でも訪問看護ステーションに就職できますか。

就職できます。
厚生労働省の統計では、全国で6,293人の准看護師が訪問看護ステーションに就業しています。
ただし求人数は看護師に比べて少なく、事業所によっては募集していない場合があります。
応募前に募集要項で対象資格をご確認ください。

Q. 准看護師が一人で訪問することはできますか。

訪問そのものは可能です。
ただし保健師助産師看護師法上、准看護師は医師・歯科医師または看護師の指示を受けて業務を行う立場です。
訪問前に看護師から具体的な指示を受けます。
訪問先で判断に迷う場面があれば、看護師へ報告して指示を仰ぐ運用です。
自分の判断だけで対応を決めることはできません。

Q. 訪問看護計画書は准看護師でも書けますか。

訪問看護計画書と訪問看護報告書の作成は、看護師・保健師などが行うこととされており、准看護師は作成できません。
実際の運用では、准看護師が訪問で得た情報を看護師へ伝えます。
それを受けて看護師が計画書に反映する流れです。
訪問記録そのものは准看護師も記載します。

Q. 准看護師だと給料は下がりますか。

事業所によりますが、看護師より低く設定されている例が多く見られます。
介護報酬の告示で、准看護師が訪問した場合の報酬が所定単位数の90%と定められているためです。
ただし給与の決め方は事業所ごとに異なりますので、求人票で基本給と手当の内訳をご確認ください。

Q. 働きながら看護師資格を取ることはできますか。

できます。
准看護師として実務経験が5年以上ある方は、通信制の2年課程に進学できます(令和8年4月1日から適用)。
全日制・定時制の2年課程を選ぶ方もいらっしゃいます。
学費については専門実践教育訓練給付金などの支援制度を使えるケースもあります。
お住まいの都道府県のナースセンターやハローワークへご相談ください。

Q. すえひろでは准看護師を採用していますか。

申し訳ございませんが、すえひろ訪問看護ステーションでは准看護師の募集を行っておりません。
看護師資格を取得された際には、ぜひご相談いただければと思います。
現在准看護師として働きながら進学を検討されている方のご相談も、応募の前段階から承っています。

まとめ

本記事の要点を振り返ります。
准看護師の方も訪問看護で働けます。
全国で6,293人が訪問看護ステーションに就業しており、道は開かれています。

一方で、担えない業務は制度上はっきり決まっています。
訪問看護計画書と報告書の作成、ステーションの管理者、24時間対応体制での判断の3つです。
これらは看護師や保健師が担う領域です。

介護保険の報酬は所定単位数の90%となるため、求人数は看護師より少なめです。
厚生労働省の統計では、就業准看護師数も10年で10万人以上減りました。
キャリアを広げたい方には、看護師資格の取得が現実的な道でしょう。

すえひろでは准看護師の募集を行っておりません。
それでも、この記事が進路を考える材料になれば嬉しく思います。

訪問看護は、ご自宅での療養生活を医療面から支えるサービスです。
私たちすえひろ訪問看護ステーションは、利用者様お一人おひとりが望まれる生活の実現を目指しています。

制度にとらわれず、「どうすればこの方が幸せに暮らせるか」を本気で考え、諦めずに実行していきます。

「こんなこと相談してもいいのかな」「制度上難しいと言われたけれど…」と迷われることも、どうぞお気軽にご相談ください。
専門職としての責任と誇りを持って、真摯に向き合わせていただきます。

看護師資格を取得された際、あるいは進学のご相談だけでも、当ステーションのお問い合わせ窓口までご連絡いただければと思います。

参考文献・出典

本記事の数値と法令の記述は、以下の一次資料に基づいています。
制度は改正によって内容が変わりますので、実際に手続きを進められる際は最新版をご確認ください。

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