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訪問看護師の賞与は何ヶ月分か|病院との差と2026年相場を公開

「訪問看護に興味はあるけれど、賞与が病院より下がるのが不安」という声を、面談の場でよくお聞きします。転職の意思決定を左右する数字だからこそ、曖昧なままでは動きにくいものです。

総合病院と並べると賞与月数だけで見劣りする事業所もあります。しかしオンコール手当や訪問件数手当を含めた年収では、訪問看護のほうが高くなるケースも出てきています。「訪問看護=薄給」という一昔前のイメージは、2026年の今、実態と少しずれ始めています。

本記事では、①相場の全体像、②病院との比較、③賞与額を決める3要素、の順で整理します。続けて、④運営母体別の傾向、⑤年収ベースの見方、⑥入職前に押さえておきたい5項目、⑦すえひろの考え方まで踏み込みます。訪問看護への転職をお考えの方が、面接でご自身の言葉で数字を確認できるようになることを目指しています。

訪問看護師の賞与相場・年間賞与額のイメージ

image: 訪問看護師の賞与相場・2026年時点/中心帯=年2〜4ヶ月分/年間賞与額の目安=70万〜90万円台/出典=厚生労働省 賃金構造基本統計調査 の3枚カード横並び

訪問看護師の賞与は平均何ヶ月分?結論と2026年の相場

訪問看護師の賞与は、基本給の年2〜4ヶ月分が中心帯です(厚生労働省 賃金構造基本統計調査 令和5年)。額面で見ると、常勤看護師の年間賞与額は平均70万〜90万円前後の帯に入る事業所が多い状況です(厚生労働省 賃金構造基本統計調査 令和5年)。月給25万〜30万円クラスの基本給に対して2.5〜3.5ヶ月分となる計算です。地域や運営母体で幅があるため、単一の数字で語りにくいのが実情と言えます。読者の皆さまが最初に持ち帰っていただきたい答えは、「訪問看護の賞与は病院と大きくは変わらない」という一点です。ただし事業所ごとの分散が大きい点も同時に押さえてください。求人票の一行を鵜呑みにせず、平均値と実額の距離感を掴んでいただければと考えています。

訪問看護師の賞与月数と年間額の相場イメージ

全体の中心帯は年2〜4ヶ月分(賃金構造基本統計調査より)

看護職の年間賞与額を全体で見ると、厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和5年)では常勤看護師の年間賞与その他特別給与額は85万円前後で推移しています。月々の基本給が26万〜28万円帯の場合、年3ヶ月前後に相当する水準です(厚生労働省 賃金構造基本統計調査 令和5年)。病院・診療所・介護施設・訪問看護ステーションを合わせた平均である点は押さえておきたいところです。

同じ「訪問看護」でも、東京23区の株式会社系事業所と、地方の医療法人系事業所では、賞与月数の設計思想がまったく違います。全国平均は「そこそこ揃った真ん中の数字」であり、個別の事業所の答えではありません。求人票を見るときは、平均と実額の差を意識してください。

私たち訪問看護の現場では、面談で「賞与の平均が知りたい」と聞かれたら、まず全国統計を提示します。そのうえで、自事業所の実額と比較していただく手順を取っています。数字は比較して初めて意味を持つ、という考え方です。

「額面ボーナス」ではなく「基本給×◯ヶ月」で見る理由

賞与を語るときに混乱の元になるのが、「額面で幾ら」なのか「基本給の何ヶ月分」なのかという単位のずれです。たとえば「賞与年80万円」という求人票を考えてみます。基本給が20万円なら年4ヶ月分、基本給が30万円なら年2.7ヶ月分と、意味合いが大きく変わります。

看護師の求人では、資格手当・住宅手当・通勤手当などが月給に含まれていることが多いです。賞与算定の対象になるのは基本給部分だけというケースが一般的です。月給35万円でも基本給が22万円という事業所も見受けられます。月給30万円で基本給が28万円という事業所も存在します。同じ「賞与3ヶ月」でも、手元に入る額はまったく違います。

比較の物差しをそろえるには、「基本給ベースの月数」で聞くのが確実です。面接で数字を聞くときは、「賞与は基本給の何ヶ月分ですか」と一言添えるだけで、比較可能な情報が返ってきます。

2026年時点で相場が動いている背景(処遇改善加算・人手不足)

2026年の今、看護職の賞与相場は緩やかに上向いています。背景には、訪問看護ベースアップ評価料(2024年度診療報酬改定で新設・その後も継続議論)があります。あわせて、介護報酬側の処遇改善加算の見直し、構造的な看護師不足も要因です(厚生労働省 令和6年度診療報酬改定資料)。

看護師独立チャンネル『じょんTV』では、訪問看護に転職した方の給与内訳が公開されています。日勤中心・オンコール込みで年収450万〜550万円台に到達している事例も紹介されています(同チャンネル公開動画・厚生労働省 賃金構造基本統計調査 令和5年ベース)。基本給の3〜4ヶ月分の賞与を確保している事業所も現場では確認できるという傾向です(日本訪問看護財団 令和5年経営実態調査)。ただしオンコールの有無や訪問件数の目標達成状況が実額に効いてくるため、平均だけでは語れない領域だと感じています。

処遇改善の原資は事業所ごとに使い道が違います。賞与に厚めに回す事業所、月給に上乗せする事業所、教育投資に振り向ける事業所と分かれます。求人票の一行では見えない配分の考え方こそ、面接で押さえておきたいポイントです。

病院看護師と訪問看護師の賞与を比較する

病院看護師と訪問看護師の賞与を並べると、総合病院の常勤ナースの年間賞与額は90万〜110万円帯、訪問看護ステーションは70万〜100万円帯という傾向が、厚生労働省の統計(令和5年 賃金構造基本統計調査)から読み取れます。月数だけを見ると病院がやや上です。ただし年収ベースでは、オンコール手当・訪問件数手当・処遇改善加算の分配で逆転する事業所も出てきています。読者の皆さまに持ち帰っていただきたい要点は、「病院>訪問看護」という直線的な序列は既に崩れてきているという事実です。特に東京・大阪・名古屋のような都市部では、積極採用のために賞与原資を厚めに配分する動きが目立ちます。

病院と訪問看護ステーションの賞与比較イメージ

以下は、公的統計から読み取れる大まかな傾向を整理した比較表です。数字は事業所ごとの幅が大きく、あくまで中心帯としてご参照ください。統計は年度によって変動する点も、あわせてご留意いただければ幸いです。

勤務先タイプ 年間賞与額の中心帯 基本給換算 出典(例)
総合病院(100床以上)看護師 約85〜100万円前後 2.8〜3.5ヶ月分 厚労省 賃金構造基本統計調査 令和5年
診療所看護師 約60〜80万円前後 2.0〜3.0ヶ月分 厚労省 賃金構造基本統計調査 令和5年
訪問看護ステーション看護師 約70〜90万円前後 2.5〜3.5ヶ月分 厚労省 賃金構造基本統計調査 令和5年

※上記は厚生労働省の統計を素材に、年間賞与額の中心帯を幅で示したものです。年度によって上下しますので、最新の統計と求人票を突き合わせて確認してください。

厚生労働省統計に見る看護職の年間賞与額

賃金構造基本統計調査(令和5年)を見ると、常勤看護師の年間賞与額は病院で90万〜100万円台、診療所で60万〜80万円台、その他医療福祉サービスで70万〜90万円台という分布が典型です。訪問看護ステーションは統計上「その他」区分に入ることが多く、事業所ごとのばらつきが数字に埋没しがちです。

一方、人口密度の高い地域では傾向が変わります。東京都・大阪府では、訪問看護ステーションの給与水準が病院に近づいている事例も出ています。あるいは上回っている報告もあります(日本訪問看護財団「訪問看護ステーション経営実態調査」)。地域の需給が実額に反映される構造なので、同じ職種名でもエリアで別物として見る必要があると考えています。

年数の古い調査を根拠に「訪問看護は病院より低い」と断じるのは、実態から離れた結論になりかねません。最新版の令和5年・令和6年データを、年次を明示したうえで確認する習慣を持っておくと安心です。

病院・診療所・訪問看護ステーションの傾向差

病院は組織規模が大きく賞与制度が確立しているため、月数のブレは小さめです。診療所は院長の経営判断で幅が大きく、賞与を出さない代わりに月給を厚くする方針の医院も見受けられます。訪問看護ステーションは、運営母体(医療法人・株式会社・NPO・社会福祉法人)による差が大きい業態です。加えて、事業所単体の業績が賞与に反映されやすい構造です(日本訪問看護財団 令和5年調査)。

さあや社長のYouTubeチャンネル『地域をつなぐ看護日記』でも、給与に関する背景が紹介されていました。訪問看護の給与が「爆上がり」と表現される要因が語られていました。そこには、オンコール手当・訪問件数手当・管理者手当の重層構造があるという解説です。ベース賞与だけでなく、こうした付帯手当まで見て初めて総額が見えてくる、というのが現場報告の一致した見解です。

面談で私がよくお伝えするのは、「賞与月数だけで判断すると、年収の実額を見誤ることがある」という点です。数字は積み上げで判断してください、というお願いを毎回しています。

「訪問看護=薄給」というイメージが古くなっている理由

10年ほど前までは、確かに「訪問看護は病院より給料が下がる」というのが一般的なイメージでした。2010年代半ばまでの訪問看護ステーションは中小規模が大半で、原資も限られていたのが理由です。

しかし2020年代に入り、大手医療法人系・株式会社系の参入で事業所数が増え、給与テーブルの整備も進みました。厚生労働省の統計(賃金構造基本統計調査 令和3〜5年)上も、訪問看護分野の平均給与は緩やかな上昇基調です。「訪問看護=薄給」という言葉は、2015年頃までの実感が今も引きずられているという側面が強いと捉えています。

一方で、小規模事業所の中には依然として賞与原資が限られているケースも見受けられます。だからこそ、平均で語らず、個別の事業所ごとに数字を確認する姿勢が求められる領域だと考えています。

賞与が「何ヶ月分」で決まる3つの要素

訪問看護師の賞与月数は、①基本給の設計、②評価制度と査定係数、③事業所の業績連動係数、という3つの掛け算で決まります。それぞれが独立変数のように見えて、実は相互に影響し合っています。数字の裏側にある構造を知っておくと、面接で押さえておきたい質問が自然に浮かびます。この節では、求人票の「賞与年◯ヶ月」の一行を分解して読む視点をお伝えします。①〜③のどこで決まる数字なのか、切り分けて読み解ける状態を目指します。特に③の業績連動は年度で変動しやすく、規程上の月数と実支給月数が乖離する要因になります。

賞与月数を決める3要素の構造図

①基本給の水準(月給ではなく基本給ベース)

賞与は「基本給×月数×評価係数」で計算する事業所が大半です。月給30万円のうち基本給が18万円なら、賞与3ヶ月分は54万円。基本給が25万円なら75万円になります。同じ月給・同じ月数でも、基本給の設計次第で年間20万円以上の差が出るということです。

面接で「月給いくら」だけを比較すると、この構造が見えません。求人票の給与欄が「基本給◯万円+各種手当◯万円」と分けて書かれているか、必ず確認してください。基本給が納得できる水準になっているかも同時にチェックすべきポイントです。

私たちの経験では、基本給比率が7割を切る求人は、賞与算定で不利になりやすい傾向です。ただし、その分月給が厚めに設定されている場合もあるので、単年度年収と併せて総合判断することをお伝えしています。

②評価制度の有無と査定係数の刻み

賞与月数が「年3ヶ月」と書かれていても、実際の支給は評価係数で上下します。評価制度が整っている事業所では、S・A・B・C・Dの5段階、あるいは1.2倍〜0.8倍の査定係数を用意しています。頑張った人が実額で反映される仕組みです。

一方、評価制度が形骸化している事業所では、査定が「一律B評価」に落ち着き、賞与が固定化しがちです。これは経営として悪いという話ではなく、予測可能性が高い代わりに、成長への還元は限定的という特性の話です。どちらが自分に合うかは、価値観の問題という点です。

看護師独立チャンネル『じょんTV』では、評価制度の透明性が働き続けやすさに直結するという指摘も紹介されていました。私も面談で必ずご説明するテーマの一つです。

③事業所の業績連動係数(訪問件数・稼働率)

訪問看護ステーションは、訪問件数と稼働率が収益に直結します。事業所単位で目標を達成した年は、賞与に業績連動加算が乗る運用を取る事業所も見受けられます。逆に、目標未達の年は原資が縮み、支給月数が0.5ヶ月ほど下がる年もあり得ます。

「賞与年3ヶ月」と書かれていても、それが実績値なのか、規程上の上限値なのか、平均値なのかで意味は大きく変わります。過去3年間の支給実績(最大・最小・平均)を面接で率直に聞くと、事業所の安定度が見えてきます。

トミーチャンネル『訪問看護の営業・経営の実践塾』でも、給与テーブル設計は事業所の稼働率次第という視点が紹介されています。経営者側の目線を知ると視野が広がります。この構造を知っておくと、給与だけでなく事業所全体の健康度に目が向くという実感があります。

訪問看護ステーションの規模・運営母体で変わる賞与

訪問看護ステーションの賞与は、運営母体によって設計思想が異なります。医療法人・社会福祉法人系は「安定・年功」型、株式会社系は「業績連動・成果」型という傾向です。NPO・小規模系は「地域密着・柔軟」型に近い設計と言えます。ただし例外も多く、規模が小さいから少ない、大きいから多い、と単純化できないのが実情です。この節では、応募候補の運営母体を見たときの当たりのつけ方をお伝えします。賞与月数の「上振れやすさ」「下振れリスク」「安定度」の3軸で見立てられる状態を狙っています。求人票の運営母体欄を見ただけで賞与の性格をある程度推測できると、面談での質問設計もぐっと精度が上がります。

運営母体別の賞与傾向マップ

医療法人・社会福祉法人系の傾向

医療法人・社会福祉法人系の訪問看護ステーションは、母体病院の給与テーブルに準拠することが多く、賞与も比較的安定しています。年3〜4ヶ月分を継続支給する事業所が多い印象です(日本訪問看護財団 令和5年経営実態調査)。一方で、母体病院の経営状況が悪化すると連動して減額される場合もあり得ます。「常に一定額が保証される」わけではない点は押さえておいてください。

年功序列色が残っているケースもあり、若手のうちは他業態より賞与月数が抑えめになる場面も見受けられます。長く働くほどに恩恵を受けやすい設計、と表現するのが正確だと考えています。

営利法人(株式会社)系の傾向

大手株式会社系の訪問看護は、業績連動色が強めです。基本の賞与月数は2〜3ヶ月分程度で、その上に業績インセンティブが乗る構造を取る事業所が増えています(日本訪問看護財団 令和5年経営実態調査)。達成年は病院より高い年収に到達する一方、未達年は基本部分だけに縮む、というレンジの広さが特徴です。

大手事業所は評価制度・キャリアパスの整備が進んでおり、賞与の査定根拠が明確という利点も見逃せません。数字の透明性を重視される看護師の方には、こうした運営母体は相性が良い傾向です。

小規模ステーション(看護師5名以下)の実情

看護師5名以下の小規模ステーションでは、賞与月数が2〜2.5ヶ月分程度に抑えられる事業所も存在します(日本訪問看護財団 令和5年経営実態調査)。ただし、月給の基本給が高めに設定されているケースや、業績が良い年は臨時賞与が乗るケースなど、事業所ごとの工夫は多様です。

訪問看護ニコニコチャンネルでは、社長自身のリアル年収を公開する動画が公開されています。小規模事業所の給与構造が可視化されつつあるという流れです。株式会社恵ケアグループのチャンネルでも、実際の給与明細を公開して求人につなげる動きが紹介されていました。給与明細を開示できる姿勢そのものが、その事業所の透明性を示しているとも言えます。

『安定=多い』とは限らない見方

「大きい事業所のほうが賞与が多い」というのは、必ずしも正しくない、という声も耳にします。原資の総額は大きくても、頭割りにすれば一人当たりの支給額は小さくなる場合もあり得ます。逆に、少人数の事業所で業績が伸びた年は、一人当たり配分が厚くなるケースも見受けられます。

賞与額の比較は、規模ではなく「一人当たりの支給額」と「支給の安定性」の2軸で見るのが正確です。この視点で求人票を並べ替えると、規模のイメージだけでは見えない実態が浮かび上がってきます。

賞与額だけで判断しない|総支給・退職金・福利厚生の見方

賞与月数の比較だけで転職先を決めると、後から「思っていたのと違った」という結果になりがちです。年収ベースの計算、退職金、資格取得支援、住宅・引越し手当まで含めて総額で見るのが後悔しない判断です。看護師独立チャンネル『じょんTV』でも「高ければ良いというものではない」という視点が発信されています。私たちも面談で同じ考え方をお伝えしています。この節を読み終えた時点で、5列で評価する枠組みが手元に残る状態を狙います。列の内訳は、月給/賞与/退職金/資格支援/住宅関連の5つです。この枠組みは、面談後に候補事業所を突き合わせるときにも役立ちます。

賞与だけで判断しないチェックリストイメージ

年収=月給×12+賞与+各種手当で計算する

賞与月数だけを比較すると、年収全体の姿を見誤ります。年収の計算式は「月給×12+賞与年間額+各種手当(オンコール・訪問件数・管理者・住宅など)」です。この式に自分の候補先を代入して、初めて数字が並列に比較できる状態が整います。

たとえば、月給30万円・賞与年3ヶ月の事業所と、月給28万円・賞与年4ヶ月の事業所を比べます。単純な賞与月数比較では後者が上ですが、年収では前者が上回るケースも見受けられます。必ず電卓を叩いて数字にする、という一手間が転職の後悔を減らします。

退職金制度(中退共・独自制度)の有無

退職金の設計は事業所によって大きく異なります。中退共(中小企業退職金共済)加入、独自の退職金規程、退職金制度なし、という3タイプに分かれます。長く働く可能性がある方は、この違いを賞与月数と同じ重さで確認しておく価値がある論点です。

10年勤続で退職金50万円の事業所と、200万円の事業所では、単年で見ると賞与月数の差より大きな金額差になります。退職金は「見えにくい賞与」として見ておくと、比較の物差しが揃います。

資格取得支援・研修費用の負担ルール

認定看護師・専門看護師・特定行為研修などの資格取得を目指しておられる方にとって、事業所が費用をどこまで負担してくれるかは、実質的な処遇の一部と言えます。研修費用が全額会社負担の事業所と、自己負担の事業所では、キャリア数年分で数百万円の差が生まれるケースも見逃せません。

すえひろでは、認定看護師・専門看護師の取得を全面的にバックアップする方針です。勉強会「目からウロコ」を3ヶ月に1回、地域の看護師の皆さまを含めて開催しています。学び続けたい方が学べる環境かどうかは、面接で率直に聞いていただきたいところです。

住宅・引越し・通勤に関わる手当

訪問看護は事業所の所在地から自転車・自動車で訪問する働き方が中心です。そのため通勤手当や車両手当の設計が働きやすさに直結します。引越しを伴う転職の場合、引越し費用の補助や住宅手当の有無で、初年度の手取りが変わってきます。

「賞与年◯ヶ月」の一行だけでは見えない差が、こうした付帯手当に潜んでいます。求人票を見比べるときは、月給・賞与・退職金・資格支援・住宅関連の5列を作って一覧化すると、比較しやすい状態が整います。

転職・入職前に押さえておきたい5つのチェック項目

面接や見学の段階で確認しておくと、入職後に「聞いていた話と違う」という後悔を減らせるチェック項目が5つあります。①昨年度実績と今年度見込み、②固定残業代、③試用期間中の算定、④評価制度の開示、⑤オンコール手当の扱いです。すべて聞いても失礼にはなりません。むしろ、こうした質問に率直に答える姿勢があるかどうかで、事業所の透明性が見えてきます。この節では、面談で使えるそのままの質問文もあわせて紹介します。読み終えたときに、「これを聞けば大丈夫」というリストが手元に残る状態を目指します。

面接で押さえる5ステップ図

①昨年度実績と今年度見込みの両方を聞く

「賞与年3ヶ月」と書かれていても、それが昨年度の実績なのか、規程上の上限なのか、平均なのかで意味が変わります。過去3年間の最小・最大・平均を聞くと、その事業所の安定度が見えてきます。「規程では3ヶ月ですが、直近3年は2.8ヶ月・3.1ヶ月・3.0ヶ月でした」と答えられる事業所を思い浮かべてください。記録も運用もきちんとしています。

同じ質問に「だいたい3ヶ月です」としか答えられない場合、事業所側にも数字の把握があいまいだという声も耳にします。数字を数字で答える誠実さは、働き始めてからの安心感に直結する要素です。

②固定残業代の有無と時間数の明記

月給に固定残業代が含まれている場合、その時間数と超過分の扱いを明記してもらう必要があります。「月給35万円(残業代込み)」という書き方は、職業安定法の趣旨に照らして不十分です。「月給350,000円(基本給287,200円+固定残業代62,800円 ※20時間分。超過分は追加支給)」のように、内訳が分離して書かれているかを確認してください。

固定残業代が20時間分と書かれているのに、実態が月40時間の残業だった場合を考えます。超過分の20時間が別途支給されているかが焦点です。運用の透明性は、入職前に確認できる項目です。

③試用期間中の賞与算定ルール

試用期間中の賞与は、事業所によって「支給あり(比例)」「寸志のみ」「支給なし」と分かれます。試用期間が3ヶ月・6ヶ月と設定されている場合を考えます。その間の賞与算定ルールを事前に確認しておくと、初年度の年収イメージが明確な状態で入職できます。

夏季賞与の算定期間が「10月〜3月」で、4月入職の場合は「試用期間中の勤務期間×案分」となる事業所も見受けられます。一方で「試用期間を除外し、本採用後から算定」とする事業所も存在します。細かい話ですが、初年度の手取りに数十万円の差を生みうる論点です。

④評価制度・査定シートの開示状況

評価制度が整っている事業所は、査定シートを開示できます。「S評価は上位◯%、A評価はどの水準」といった配分ルールを明文化している事業所を想像してください。頑張った人が実額で報われる仕組みを持っている、と読み取れます。

査定シートの開示を求めた際に「入職後にお見せします」となる事業所もあります。評価が属人的な運用に留まっている場合も見受けられます。開示を求められる関係性を築ける事業所かどうかは、面接段階で見えてくる大事なサインです。

⑤オンコール手当・休日出動手当の扱い

訪問看護のオンコール手当は、事業所によって「1回3,000円〜」「月5回で15,000円〜25,000円」など幅があります(日本訪問看護財団 令和5年経営実態調査)。休日に緊急訪問した場合の手当(休日出動手当)が別途支給されるか、オンコール手当に含まれるかも、収入設計に影響します。

オンコール担当の平均回数、実際の呼び出し実績、代休の付与ルールまで確認してみてください。ここまで見えれば、労働負荷と収入のバランスが見通せます。ここを曖昧にすると、年収の1割前後がブラックボックス化するという声も耳にします。

すえひろ訪問看護ステーションの考え方(透明性の確保)

私たちすえひろ訪問看護ステーションは、賞与や労働条件について面談でご質問をいただいたら、就業規則・評価制度の内容を含めて丁寧にご説明することを基本にしています。

「入ってから聞いていた話と違った」という状況を避けるために、面談で率直に数字を共有することを大切にしています。誰ひとりとり残さない社会を掲げる一方で、スタッフを護れる会社を創ることも創業時からの信念です。処遇はその両輪を成り立たせるための土台と考えています。この節では、面談でお伝えしている数字の見せ方と、評価制度の考え方をご紹介します。読み終えたときに、すえひろがどこまで手の内を開いて対話しているかを掴んでいただければ幸いです。

すえひろの透明性方針イメージ

面談で必ずお伝えしている数字と根拠

面談では、基本給・諸手当・賞与月数(規程上と直近実績の両方)・オンコール手当・退職金制度の有無を、口頭ではなく書面ベースでお示ししています。「昨年度の支給実績はこの通り」「今年度の見込みはこのレンジ」と、数字を数字でお伝えする方針です。

看護師の方に安心して意思決定していただくには、事業所側が先に手の内を開くことが必要だと私たちは捉えています。訪問看護の仕事は、利用者様のご自宅で単独で判断する場面が多く、心理的な安全は現場のケアの質にも影響します。処遇の透明性は、その安全の入口です。

評価制度と昇給の考え方

評価は、訪問件数・記録の質・多職種連携の丁寧さ・後輩指導への貢献など、複数の軸で見ています。単純な件数競争にならないよう、質の側面を評価に組み込んでいるのが特徴です。「頑張ったのに評価されない」という状態を作らないことを、制度設計の目的にしています。

昇給は年1回、評価と業績を踏まえて基本給に反映します。ここもレンジと考え方をお伝えしたうえで面談を進めています。数字だけの機械的な運用ではなく、面談を挟んで納得のうえで進める、という姿勢を貫いています。

『諦めずに可能性を探る』職場づくりと処遇の関係

すえひろは、他の事業所でお受けいただけなかった方からのご相談も伺ってきました。制度上難しいと言われた依頼も、まずお話を聞き、諦めずに可能性を探ることを姿勢としてきました。この姿勢を続けるためには、スタッフ一人ひとりが疲弊せずに働ける処遇と体制が前提です。制度の枠を超えて相談に乗るという姿勢は、スタッフが心身ともに整っている状態でこそ実現できるという実感があります。

訪問看護ステーションは、看護師・理学療法士・作業療法士・ケアマネジャー・事務が協力して初めて動くチームです。私たちにできる医療処置・観察・リハビリ・服薬管理支援には限りがあります。家事援助のように別サービスの担当領域も存在します。できることとできないことを率直にお伝えしたうえで、代わりの選択肢まで一緒に考えるやり方です。採用の場でも利用者様の場でも同じ姿勢を貫いています。

処遇と理念は別の話に見えて、実は連動しています。処遇が透明であるからこそ、スタッフが利用者様に対して率直に向き合えるという実感があります。この循環を大切に、私たちは日々の運営を進めています。

よくあるご質問(訪問看護師の賞与)

求職者の方や、ご家族が訪問看護師として働かれているご家庭の方からいただくご質問のうち、賞与に関わる内容をまとめました。ここに載っていない疑問は、遠慮なくお問い合わせください。面談でも、こうした質問一つひとつに具体的な数字でお答えする方針を取っています。この節では、求人票の一行の背後にある実務的な論点を、事業所ごとにどう聞き分ければよいかまで踏み込んで解説しています。読み終えたときに、面接に持参するチェックリストがそのまま完成する状態を目指しました。

賞与に関するQ&Aイメージ

パート・非常勤の訪問看護師にも賞与はある?

事業所によって扱いは分かれます。同一労働同一賃金の考え方が広がったことで、勤務時間比例で寸志や小規模の賞与を支給する事業所が増えてきました。年間で5万〜15万円程度の寸志を支給する事業所もあれば、パート・非常勤には支給しない方針の事業所も存在します(同一労働同一賃金指針・厚生労働省)。求人票と就業規則の両方を確認するのが確実です。

支給の判定基準は事業所ごとに異なるという傾向です。典型は3パターンです。①「週20時間以上勤務」「継続6ヶ月以上」で寸志、②実労働時間に比例して常勤の賞与月数を按分、③完全に対象外、という切り分けです。パート・非常勤で応募される方は、過去実績ベースで質問してみてください。「昨年度、パートの方に賞与相当の支給はありましたか」と聞いてみてください。規程上の建前ではなく実運用が見えてきます(同一労働同一賃金指針・厚生労働省)。

求人票で『賞与年3ヶ月』とあるとき、何をどこまで確認すればいいですか?

大きく5点です。①昨年度実績と今年度見込み、②基本給ベースか総支給ベースか、③試用期間中の算定ルール、④評価制度・査定シートの開示、⑤オンコール手当の扱い、の5点です。この5点を面接時に確認するのがおすすめです。

①は「規程月数」と「直近3年の実支給月数」を分けて聞くのが要点です。②の基本給ベース/総支給ベースの区別は、同じ「年3ヶ月」でも実額が数十万円変わる論点です。③は初年度年収の見通しに直結する論点です。④は入職後の昇給の透明性を、⑤は年収の10〜15%を占めるオンコール収入の位置づけを決めます。質問しやすさそのものが、事業所の透明性を測るモノサシとして機能します。すえひろでも、面談ではこの5点を書面でお示しする運用にしています。

入職1年目の賞与はどうなる?

1年目は、賞与算定期間の一部にしか勤務していないため、月数どおりの満額が出ないケースが一般的です。4月入職で夏季賞与(6月支給)の算定期間が「前年10月〜当年3月」の事業所を想像してください。この場合、初回は寸志のみという事業所も少なくありません。冬季賞与(12月支給)から本格算定という運用が多い印象です。

具体的には3パターンに大別されます。①試用期間中は賞与対象外、②試用期間中も日割り換算で支給、③試用期間中は寸志(数万円〜10万円程度)で本採用後から通常算定、という切り分けです。試用期間が3ヶ月なら7月〜、6ヶ月なら10月〜が本格算定の起点になる事業所が多いという傾向です。初回査定期は評価データが十分に揃わないため、S評価やA評価が付きにくく、B評価スタートが標準的です。1年目は「係数側が伸びにくい年」と割り切ってください。翌年度以降の伸びしろで判断していただくのが実務的です。

オンコール担当かどうかで賞与は変わる?

オンコール担当の有無で「賞与月数そのもの」が変わる事業所は少ないという声も耳にします。しかし、オンコール手当が別途月次で支給されることが多く、年収ベースで比較すると差が出ます。年間で30万〜60万円のオンコール手当が積み上がる事業所も見受けられます(日本訪問看護財団 令和5年経営実態調査)。賞与の話と並行して、オンコールの回数・単価を確認するのが実務的です。

オンコール手当の単価は重層構造を取る事業所が多いです。待機のみで1回2,500〜5,000円前後、電話対応で+1,000〜3,000円が典型です。緊急訪問が発生するとさらに1回5,000〜10,000円の休日出動手当が乗る設計です(日本訪問看護財団 令和5年調査)。面接では4点を押さえておいてください。月何回担当、代休付与の有無、24時間電話対応と実訪問の切り分け、新人の担当開始時期です。ここまで見えれば、労働負荷と収入のバランスがはっきりします。すえひろでも、面談でこの4点を数字ベースでお示ししています。

小規模ステーションだと賞与は少ないの?

規模が小さいから少ない、大きいから多い、と単純には決まりません。小規模でも評価制度と業績連動係数を明文化している事業所は、賞与月数を安定的に確保しているケースも見受けられます。逆に、大規模でも新設事業所は原資が育っておらず、賞与が低めに設定される期間も存在します。事業所ごとに聞いて確認する姿勢が、いちばん確実です。

小規模ステーション(看護師5名以下)の特徴は3点です。①経営者の給与観が直接反映されやすい、②数名の異動で稼働率がブレる、③制度整備の途上で規程と運用が乖離しがち、という点です。逆にメリットも3点あります。①一人当たり配分が厚くなりうる、②業績が伸びた年の還元が早い、③評価が経営者に届きやすい、という側面です。判断材料は2点です。過去3年の賞与実績が公開されているか、業績連動の計算式が明文化されているかを確認してください。すえひろも創業時は小規模から始まりましたので、この論点は面談でよくお話しします。

賞与額をアップさせるにはどうしたらいい?

賞与を上げる方法は3つです。①評価で上位区分に入る、②業績連動係数が高い年に稼働率で貢献する、③昇給で基本給そのものを上げる、の3経路です。特に③は、単発の賞与よりも長期の年収に効いてきます。目先の賞与額だけでなく、昇給の運用実績まで聞くと、5年後の年収イメージが立てられます。

①の評価は、訪問件数だけでなく、記録の質・多職種連携・後輩指導などの複合的な指標で決まる事業所が増えています。査定シートの評価軸を早い段階で理解し、日々の業務で意識的に積み上げるのが近道です。②の業績連動は個人でコントロールしきれない側面もあります。ただし、稼働率を安定させる工夫は事業所全体の業績に直接効きます。具体的には、キャンセル時の代替訪問提案、新規受入への協力、記録の効率化といった行動です。③の昇給は、認定看護師・特定行為研修修了などの資格取得で基本給テーブルが変わる事業所も多い状況です。キャリア設計と処遇改善を同時に進められる王道の経路と言えます。中期的には③、単年度では①と②を並行して意識するのが実務的な戦略と言えます。

面談の場では、「今、自分がどの位置にいて、どこを伸ばせば次の区分に上がれるのか」を率直に聞いていただければ幸いです。すえひろでも、評価と昇給の考え方を数字と根拠でお伝えする方針を貫いています。処遇の話は、キャリアの話と切り離せない領域と考えているからです。制度の枠を超えて、その方に合うキャリアの伸ばし方を一緒に考えるのが、私たちのやり方です。

看護師として訪問看護の世界に踏み出そうとされている方にとって、賞与は生活の土台を支える大切な数字です。私たちすえひろ訪問看護ステーションは、足立区で24時間365日の体制を取っています。賞与や労働条件について面談で率直に数字を共有する方針を大切にしています。求人票の一行だけでは伝わらない、事業所ごとの考え方を、直接お聞きいただければ幸いです。

「賞与月数だけで比較していいのか」「小規模事業所と大手を並べて考えたい」「試用期間の扱いを事前に知りたい」。こうした疑問こそ、面談の場で率直にお尋ねください。制度上の枠にとらわれず、私たちにできる説明の範囲で、可能な限り数字と根拠でお答えします。諦めずに可能性を探る姿勢は、私たちが利用者様と向き合うときと、求職者の方と向き合うときで変わりません。

まずは、見学だけでも構いません。1日の流れと、実際に働くスタッフの姿を見てから決めていただければ幸いです。ご相談は、すえひろ訪問看護ステーション お問い合わせフォームからお気軽にお寄せください。

参考動画(本記事執筆の参考にした一次情報):

  • 看護師独立チャンネル じょんTV「【給与大公開!】訪問看護で働いたら給料はいくらになるのか解説します」
  • 看護師独立チャンネル じょんTV「【高ければ良い?】訪問看護の給与について解説します」
  • さあや社長〜地域をつなぐ看護日記〜「【給料爆上がり】訪問看護師の給料ってこんなに高いの?」
  • 訪問看護ニコニコチャンネル「【暴露】訪問看護ステーション社長の”リアル年収”を公開します」
  • 株式会社恵ケアグループ「看護師!訪問看護!給料明細を公開します」

出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査(令和5年)」/厚生労働省「令和6年度診療報酬改定資料」/日本看護協会「病院看護実態調査(令和5年)」/日本訪問看護財団「訪問看護ステーション経営実態調査(令和5年)」

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