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名称決定後“初の酷暑日”を記録|在宅療養中のご家族が今すぐ確認したい足立区の熱中症・脱水対策

2026年7月に入り、全国で厳しい暑さが続いています。7月21日には気象庁が名称を定めたばかりの「酷暑日(最高気温40℃以上)」を、その決定後に初めて記録しました。在宅で療養されるご家族を持つ方にとって、この暑さは大きな不安ではないでしょうか。

「離れて暮らす親がエアコンをつけているか心配」「本人が暑さや水分不足を訴えないので、いつ危険な状態になるかわからない」。そうした声を、私たちは足立区の訪問の現場で毎日のように伺います。

訪問看護は、こうした在宅療養中の熱中症・脱水のリスクに専門職の視点で向き合える存在です。室温や水分の備え、エアコンの設定を訪問時に一つひとつ確認し、必要があればヘルパーやケアマネジャーと連携して環境を整えます。

すえひろ訪問看護ステーションは、「配って終わり」にしない支援を大切にしています。制度上難しいと思われることでも、まずはご相談ください。この記事では、酷暑のいま在宅療養中のご家族が今すぐ確認したいポイントと、訪問看護師だからできる対策をお伝えします。

「酷暑日」とは何か:2026年に決まった新しい予報用語

「酷暑日」とは、最高気温が40℃以上になる日を指す気象庁の予報用語です。2026年4月17日に正式な名称として決定されました。40℃という数字は、在宅で療養される高齢者にとって命に関わる暑さです。

気象庁の気温区分は、夏日(25℃以上)・真夏日(30℃以上)・猛暑日(35℃以上)・酷暑日(40℃以上)の4段階に分かれます(出典:気象庁「40℃以上の日の名称を『酷暑日』に決定」2026年4月)。長く親しまれてきた「猛暑日」の上に、新たに最も厳しい段階が加わった形です。

2026年7月21日には、この名称が決まってから初めての酷暑日が記録されました。岐阜県多治見市で40.3℃を観測するなど、全国3地点で40℃を超えています(出典:日本気象協会 2026年7月)。ニュースで「酷暑日」という言葉を耳にしたら、それは災害級の暑さの合図だとお考えください。

気象庁が定める気温の4区分
25℃
以上
夏日
最高気温が25℃以上の日
30℃
以上
真夏日
最高気温が30℃以上の日
35℃
以上
猛暑日
最高気温が35℃以上の日
40℃
以上
酷暑日
最高気温が40℃以上の日(2026年4月に決定)
出典:気象庁「40℃以上の日の名称を『酷暑日』に決定」2026年4月

なぜ高齢者は熱中症になりやすいのか

高齢者が熱中症になりやすいのは、加齢によって体の暑さへの対応力が落ちるためです。暑さやのどの渇きを感じにくく、汗もかきにくくなるため、本人が気づかないうちに体内に熱がこもってしまいます。

具体的には、体温を調節する機能の低下、暑さを感じ取る感覚の鈍化、のどの渇きを感じにくくなること、発汗による熱放出の低下、そして体内にためておける水分量の減少が重なります(出典:環境省 熱中症環境保健マニュアル)。「まだ大丈夫」という本人の感覚が、実際の体の状態と大きくずれているのです。

近年、熱中症で亡くなる方の多くを高齢者が占めるとされています。ご本人の自覚に頼れないからこそ、周囲の見守りと環境の確認が命を守る鍵になります。だからこそ、水分をとっているか、部屋が暑くなっていないかを、他者の目で定期的に確かめることが欠かせません。

熱中症の危険は「屋外」より「室内」に潜む

熱中症は炎天下だけでなく、むしろ住み慣れた自宅の室内で多く起きています。在宅療養中の方にとって、室内こそ最も注意すべき場所です。

熱中症の発生場所を見ると、住宅(家や居住施設)が最も多く、令和5年度で全体の約55%を占めています(出典:環境省 熱中症予防情報サイト)。外出を控えていても安心はできません。閉め切った室内は気温と湿度が上がりやすく、気づかぬうちに危険な環境になります。

さらに深刻なのは、室内で熱中症により亡くなった方の多くが、エアコンを使っていなかったという事実です(出典:東京都監察医務院・東京大学 共同研究)。「電気代がもったいない」「昔は冷房などなかった」という思いから、暑い日でもエアコンを使わない高齢者は少なくありません。この「つけない習慣」にどう向き合うかが、在宅支援の大きな課題です。

足立区の高齢者を襲う暑さ:独居と高齢化のなかで

足立区は東京23区のなかでも高齢化が進み、一人暮らしの高齢者が多い地域です。だからこそ、酷暑の夏には地域ぐるみの見守りが特に重要になります。

足立区の高齢化率は24.16%で、東京23区中2位です(出典:足立区 介護保険課資料 令和6年4月1日現在)。さらに、区内の65歳以上のうち約3割が一人暮らしとされています(出典:足立区 高齢者等実態調査 令和4年度)。独居の場合、体調の異変に周囲が気づきにくく、熱中症のリスクはより高まります。

足立区内でも、熱中症による救急搬送は少なくありません。令和7年(1月〜12月)の1年間で、区内の熱中症による救急搬送者数は588名にのぼりました(出典:足立区公式サイト「熱中症にご注意を!」)。また、亡くなる方も毎年出ています。東京都23区全体では、令和5年夏(6〜9月)の熱中症死亡者数は192人(確定値)で、その多くを高齢者が占めるとされています(出典:東京都監察医務院「令和5年夏の熱中症死亡者の状況」)。区は暑さ指数が危険水準(WBGT31℃)に達する予報のとき、午前7時30分にA-メールで注意を呼びかけています(出典:足立区公式)。こうした行政の発信を、支援が必要な高齢者本人に確実に届けることが、私たち訪問看護師の役割だと考えています。

チラシは「配るだけ」では届かない:訪問看護師だからできること

自治体の熱中症予防チラシは有用ですが、配るだけでは高齢者本人に届かないことがあります。すえひろでは、訪問看護師が利用者様と一緒に画面を見ながら、環境を具体的に確認しています。

私たちは足立区などの熱中症予防チラシをタブレットに取り込み、訪問時に拡大表示して一緒に見ています。紙を渡すだけでなく、その場で「この暑さはお部屋にも当てはまりますね」と一緒に確認することで、初めて自分ごととして受け止めていただけます。情報は、届けて終わりではなく、伝わって初めて意味を持ちます。

訪問時には、経口補水液(オアシスなど)が常備されているか、エアコンの設定温度は何度かを、看護師とリハビリ職の双方の目で継続的に追います。もし補水用の飲み物がなければヘルパーに購入を依頼し、暑くてもエアコンをつけないお宅にはケアマネジャーと連携して働きかけます。これは、2026年7月の社内ミーティングで代表が現場に指示した、すえひろの実践そのものです。

一人ひとりの状態に合わせた対応も欠かせません。飲み込む力(嚥下能力)が低下している利用者様には、むせにくいゼリータイプの経口補水も検討します。「水分をとってください」と言うだけでなく、その方が無理なくとれる形を一緒に探すことが、専門職としての責任だと考えています。

訪問看護師が訪問時に確認する熱中症・脱水チェック項目
1
エアコンの設定温度
つけているか、設定は何度か。看護とリハビリの目で継続的に確認します。
2
経口補水の常備
オアシスなどの経口補水液が家にあるか。無ければヘルパーに購入を依頼します。
3
室温・湿度
閉め切って高温多湿になっていないか。数字で環境を把握します。
4
水分摂取の状況
のどの渇きを感じにくい方でも、こまめにとれているかを確認します。
5
嚥下に応じた補水
飲み込む力が弱い方には、むせにくいゼリータイプの補水も検討します。
6
予防情報の一緒確認
足立区などのチラシをタブレットで拡大し、一緒に見て自分ごとにします。
すえひろ訪問看護ステーションの訪問時チェック項目

ご家族が今すぐ確認したい在宅の熱中症・脱水対策

ご家族がまず確認したいのは、室温・水分・エアコンの3点です。特別な道具は要りません。今日からできる声かけと環境づくりが、大切なご家族を守ります。

第一に、室温は28℃を超えていないかを目安に確認し、暑ければためらわずエアコンを使います。「暑くない」と本人が言っても、室温計の数字で判断してください。第二に、のどの渇きを感じる前に、時間を決めてこまめに水分をとります。大量に汗をかいた日は、水分だけでなく塩分も補える経口補水液が適しています(出典:環境省・厚生労働省)。

第三に、離れて暮らすご家族は、電話やメールで「今日は水を飲んだ?」「エアコンはついてる?」と具体的に声をかけましょう。抽象的な「気をつけてね」より、行動を問う一言が効果的です。それでも不安が残るとき、訪問看護という第三者の目を暮らしに入れる選択肢があります。私たちと一緒に考えさせてください。

まとめ:酷暑の夏、専門職の目を暮らしに

この記事では、2026年に決まった「酷暑日」という新しい予報用語、高齢者が熱中症になりやすい理由、そして室内こそ危険が潜むという事実をお伝えしました。足立区のように独居高齢者が多い地域では、行政の発信を本人に届け、環境を整える支援がとりわけ重要です。

すえひろ訪問看護ステーションは、チラシを配って終わりにしません。訪問看護師が利用者様と一緒に画面を見て環境を確認し、経口補水の常備やエアコンの設定を看護とリハビリの目で追い、必要があればヘルパーやケアマネジャーと連携して動きます。嚥下の状態に応じたゼリータイプの補水まで、一人ひとりに合わせて考えます。

「離れて暮らす親の夏が心配」「本人がエアコンをつけてくれない」。そうしたお悩みは、決して珍しいことではありません。制度上難しいと思われることでも、まずはご相談ください。専門職として責任を持って、誠実に向き合わせていただきます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 「酷暑日」と「猛暑日」は何が違うのですか?

猛暑日は最高気温35℃以上の日、酷暑日は40℃以上の日を指します。酷暑日は2026年4月に気象庁が正式に決めた新しい予報用語で、猛暑日よりさらに厳しい暑さを表します(出典:気象庁)。

Q2. 本人が「暑くない」と言ってエアコンをつけません。どうすればよいですか?

高齢者は暑さを感じにくくなるため、本人の感覚だけに頼るのは危険です。室温計の数字で判断し、28℃を目安に冷房を使いましょう。それでも難しい場合は、訪問看護師やケアマネジャーが第三者として一緒に働きかけることができます。

Q3. 水分をあまりとってくれません。何かよい方法はありますか?

のどの渇きを感じにくい高齢者には、時間を決めてこまめにとる声かけが有効です。飲み込む力が弱い方には、むせにくいゼリータイプの経口補水も選択肢になります。その方に合った形を一緒に探しますので、ご相談ください。

Q4. 室内にいれば熱中症は防げますか?

いいえ、熱中症の発生場所は住宅が最も多く、令和5年度で約55%を占めています(出典:環境省)。閉め切った室内は危険な環境になりやすいため、室温管理と水分補給は屋内でも欠かせません。

Q5. 訪問看護では熱中症対策として具体的に何をしてくれますか?

訪問時にエアコンの設定温度や経口補水の常備、室温・湿度を確認し、ご本人の嚥下状態に応じた水分のとり方を提案します。必要に応じてヘルパーへの購入依頼やケアマネジャーとの連携も行い、暮らし全体で暑さから守ります。

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