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作業療法士が訪問看護へ転職する志望動機|書き方と例文5選

作業療法士が訪問看護へ転職する志望動機|書き方と例文5選

「訪問看護ステーションに応募したいけれど、作業療法士の自分が何を書けばいいのか分からない」。
看板が「看護」なので、リハビリ職がどう書けばよいのか迷うのは自然なことです。

作業療法士の志望動機は、3つに分けて書くと形になります。
①在宅に関心を持ったきっかけ、②訪問看護ステーションを選ぶ理由、③その事業所を選ぶ理由の3つです。
作業療法士らしさは、②の中に「生活行為に関わりたい」という視点で置くのが効果的です。
条件面は志望動機とは別に、公的統計を物差しにして確かめておくと入職後のずれを防げます。

本記事では、訪問看護での作業療法士の役割と志望動機の3ステップをお伝えします。
経歴別の例文5つ、面接の質問、避けたい書き方も取り上げます。
読み終えたときに、あなたの志望動機の下書きが1本できていれば嬉しく思います。

作業療法士の志望動機が「訪問看護」で書きにくい理由

作業療法士が訪問看護ステーションへの志望動機で手が止まる理由は、主に3つです。
事業所の仕組みの見えにくさ、理学療法士との違いの言いにくさ、病院での経験とのつなげにくさ。
この3つを先に分けておくと、何を調べ、何を思い出せばよいかが見えてきます。

作業療法士が訪問看護の志望動機で手が止まる3つの理由
理由1事業所の仕組みが見えにくいほどき方 ▶ 訪問看護の一環としてのリハビリ、と一文で言えるようにする
理由2PTとの違いを言いにくいほどき方 ▶ 優劣ではなく、見ている生活場面の違いとして書く
理由3病院の経験とつながらないほどき方 ▶ 退院前訪問・家屋評価・退院後が気になった経験を掘り起こす

「訪問看護」の看板とリハビリ職の関係が見えにくい

訪問看護ステーションには、看護職員だけでなく作業療法士も所属できます。
根拠は、指定居宅サービス等の人員基準(平成11年厚生省令第37号)の第60条です。
同条は看護職員のほかに「理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士」を置けると定めています。

ただ、求人票の多くは看護師向けの言葉で書かれています。
そのため作業療法士の方は「自分はここで何を期待されているのか」を想像しにくいのが現状です。
この見えにくさが、志望動機を「リハビリがしたいです」の一行で終わらせてしまう原因です。

作業療法士の訪問は、訪問看護の一環としてのリハビリという位置づけです。
主治医が出す訪問看護指示書に基づいて、看護師と同じ事業所から訪問します。
訪問看護指示書とは、主治医が訪問看護の内容や期間を指示する書類のことです。
この仕組みを一文で説明できるだけで、志望動機の土台はぐっと固まるはずです。

理学療法士との違いを言葉にしにくい

面接の場では「理学療法士ではなく、作業療法士として何ができますか」と聞かれることがあります。
在宅のリハビリは身体機能の訓練というイメージが強く、違いを説明しづらいのが実情です。

作業療法とは、理学療法士及び作業療法士法 第2条第2項で定められた言葉です。
身体または精神に障害のある方に対し、応用的な動作や社会への適応を取り戻せるよう、作業を通じて関わることを指します。
たとえば「歩けるようになる」ことより、「台所に立って味噌汁を作れる」ことに目を向けるのが作業療法の視点です。

この違いは優劣ではなく、見ている場面の違いとして書くのが伝わるコツです。
志望動機の中に、作業療法士だからこそ目が向く生活の場面を1つ入れておくと効果的です。

病院での経験が在宅でどう活きるか結びつけにくい

病院や施設で働いてきた方ほど、「在宅の経験がない自分に書けることがあるのか」と迷われます。
実際には、病院での経験の多くが在宅の志望動機の材料になります。

退院前訪問や家屋評価に関わった経験は、そのまま入口として使えます。
退院していく利用者様を見送りながら「家でこの動作はできているだろうか」と気になった経験もそうです。
在宅を選ぶ理由は、多くの場合すでに病院での毎日の中にあります。

書く前に押さえたい|訪問看護ステーションで作業療法士が担う仕事

志望動機の説得力は、仕事の中身をどこまで知っているかで大きく変わります。
訪問看護ステーションの作業療法士は、看護師と同じチームの一員です。
利用者様のご自宅を訪問し、暮らしの中のリハビリを担います。
ここでは書く前に知っておきたい4つの側面をお伝えします。

訪問看護ステーションの作業療法士と多職種の連携
利用者様・ご家族
作業療法士→ 生活行為の評価と練習
→ 住環境・福祉用具の相談
→ ご家族への介助方法の共有
看護師作業療法士と体調・服薬の情報を共有
理学療法士基本的な動作の面から連携
ケアマネジャーケアプランの目標を共有
主治医訪問看護指示書を交付
福祉用具の担当者用具の選定・調整で連携
作業療法士の訪問は、主治医の訪問看護指示書に基づく訪問看護の一環として行われます

訪問看護の一環として行うリハビリという位置づけ

訪問看護ステーションからのリハビリと、訪問リハビリテーション事業所からのリハビリは、制度上の枠組みが異なります。
前者は「訪問看護」の一部としてリハビリを提供する形です。
後者は、病院・診療所・介護老人保健施設などが行う事業です。
その事業所の医師の診療に基づいて提供されます。

この違いを分かったうえで書くと、志望動機に具体性が出ます。
「看護師と同じ事業所で、医療的な視点も共有しながらリハビリに関わりたい」と書ける方は多くありません。
二つの働き方の違いは、作業療法士の訪問リハビリ|給与の実額とPTとの役割の違いで詳しくまとめています。

生活行為(食事・入浴・家事・趣味)に関わる場面

在宅では、作業療法士の視点が活きる場面が毎日の暮らしの中に並んでいます。
食事をどの姿勢でとるか、浴槽をどうまたぐか、台所の高さが合っているかといった場面です。
趣味の園芸を続けたい、孫に手紙を書きたいといった願いに向き合うことも少なくありません。

病院の訓練室では、こうした場面は「想定」でしか扱えませんでした。
ご自宅では、実際の台所、実際の浴室、実際の家族との関係の中で関わります。
「その方の家で、その方のやり方に合わせて関われること」。
これは、作業療法士が訪問看護を選ぶ理由として書きやすい核です。

住環境の調整と福祉用具の相談

在宅では、手すりの位置や段差、ベッドの高さといった住環境の相談がたびたび出てきます。
福祉用具とは、介護保険で貸与・購入できる車いすや手すり、入浴補助用具などのことです。
作業療法士は動作と環境の両方を見ながら、ケアマネジャーや福祉用具の担当者と調整します。

病院で家屋評価や住宅改修の提案に関わった経験があれば、ここが志望動機の材料として活きてきます。
「評価して提案して終わり」ではなく、その後の暮らしまで見届けたいという動機は、読み手に自然に届くでしょう。

看護師・ケアマネジャー・主治医との連携

訪問看護ステーションでは、看護師とリハビリ職が同じ事業所に所属しています。
利用者様の体調の変化や服薬の状況を、看護師から直接聞ける距離感です。
ケアマネジャーとの間では、ケアプランに沿ってどんな目標を共有するかを相談します。

私たちすえひろ訪問看護ステーションには、看護師・理学療法士・作業療法士・ケアマネジャー・事務が在籍しています。
毎週月曜の朝8時30分から9時30分は、職種を問わず全員で理念を共有する時間です(2026年4月から。出典:当ステーション採用情報)。
志望動機で連携に触れるなら、「どの職種と、何を共有したいか」まで書くと抽象論から抜け出せます。

訪問看護ステーションで働く理学療法士・作業療法士に話を聞いた動画も公開されています(参考資料に掲載)。
書く前に現場の声に触れておくと、言葉の選び方に迷いが減ります。

伝わる志望動機の骨格|作業療法士向け3ステップ

志望動機は、文章のうまさより順番が大切です。
①在宅に関心を持ったきっかけ、②訪問看護ステーションを選ぶ理由、③その事業所を選ぶ理由。
この3ステップで並べると、採用担当者が知りたい順に情報が届きます。

志望動機を組み立てる3ステップ
STEP 1在宅に関心を持ったきっかけ具体的な場面を1つだけ書く
STEP 2訪問看護ステーションを選ぶ理由作業療法士の視点はここに置く(生活行為に関わりたい)
STEP 3その事業所を選ぶ理由見学やホームページで知った事実と結びつける
目安は300~400字。面接で深掘りされるエピソードは別に1~2個用意しておく

ステップ1|在宅に関心を持ったきっかけ

最初に書くのは、在宅に目が向いた具体的な場面です。
「在宅に興味があります」だけでは、誰の志望動機でも同じ文章になってしまいます。

おすすめは、利用者様とのやり取りを1つだけ思い出して書くことです。
たとえば、退院前訪問で見た玄関の段差や、退院後に外来で再会した方の言葉などです。
個人が特定されないように、年代や状況だけを残してください。

「70代の方の退院前訪問で、病棟でできていた更衣が自宅ではできないと分かった」。
このくらい具体的な一場面があると、その後の文章すべてに説得力が宿ります。

ステップ2|訪問看護ステーションを選ぶ理由

次に書くのは、病院や施設、訪問リハビリテーション事業所ではなく、訪問看護ステーションを選ぶ理由です。
ここが志望動機の中心で、採用担当者が最も知りたい部分です。

理由は2層で書くと整理できます。
1層目は「なぜ在宅か」で、生活の場で関わりたいという動機です。
2層目は「なぜ訪問看護ステーションか」で、看護師と同じ事業所で医療的な視点を共有できる点などが挙げられます。

この2層目のあとに、作業療法士としての視点を一文足してください。
「生活行為に関わる専門職として、看護師とは違う角度から暮らしを支えたい」といった一文です。
職種の強みが、事業所を選ぶ理由とつながって見えてくるはずです。

ステップ3|その事業所を選ぶ理由と関わりたい方向

最後に、応募先の事業所を選んだ理由を書きます。
ホームページの理念や、見学で見た光景など、その事業所でしか書けない事実と結びつけるのがコツです。

「地域で24時間の体制を取っている」「精神科の訪問にも対応している」など、事実を1つ拾ってください。
そのうえで「その中で自分は何に関わりたいか」を一文で添えると締まります。
理念に共感したと書くなら、どの言葉のどこに共感したのかまで書くと、ほかの応募者と差が出ます。

「作業」の視点はステップ2に置く

作業療法士の方がよくつまずくのは、作業療法の説明を冒頭に長く書いてしまうことです。
採用側は作業療法の定義を知っているため、説明が続くと「この方は何をしたいのか」が見えにくくなります。

作業の視点は、ステップ2の「訪問看護ステーションを選ぶ理由」の中に一文で置いてください。
たとえば「調理や入浴といった生活行為に、ご自宅という実際の場で関わりたい」という形です。
定義ではなく、やりたいことの言葉として出すのがポイントです。

経歴別に使える志望動機の例文5選

例文は、そのまま写すためではなく、あなたの経験に置き換えるための型として使ってください。
ここでは回復期病棟、急性期病院、精神科、介護老人保健施設、ブランクからの復帰の5パターンを用意しました。
どれも300〜400字を目安にしています。

経歴別・作業療法士の志望動機の例文5パターン
例文1回復期病棟から切り口:退院後の生活を見届けたい
例文2急性期病院から切り口:早期から生活を見据えた関わりを在宅でも
例文3精神科から切り口:生活リズムと気持ちに寄り添う関わり
例文4介護老人保健施設から切り口:在宅復帰のその先へ
例文5ブランクから復帰切り口:生活者としての経験を活かす
例文はそのまま写さず、あなた自身の場面に置き換えて使ってください

回復期病棟からの転職の例文

回復期病棟の経験は、退院後の暮らしへの関心と結びつけやすい経歴です。

例文

①きっかけ回復期リハビリテーション病棟で5年間、脳血管疾患の方の作業療法を担当しております。退院前訪問で、病棟では一人でできていた調理が、自宅の台所では高さや動線の違いで難しくなる場面を何度も見ました。

②訪問看護を選ぶ理由退院後の暮らしの中でこそ作業療法の視点が必要だと感じ、在宅で関わる道を考え始めたのです。なかでも、看護師と同じ事業所で体調の変化を共有しながら関われる訪問看護ステーションで働きたいと考えております。

③事業所を選ぶ理由見学の際、貴ステーションでは看護師とリハビリ職が日々の情報をこまめに共有されていると伺いました。その環境で、生活行為に関わる専門職としてご自宅での暮らしを支えたいと考えています。

置き換えるときは、「退院前訪問で見た場面」をあなた自身の一場面に差し替えると、ぐっと自分の言葉に近づきます。

急性期病院からの転職の例文

急性期の経験は、医療的な視点を持ったリハビリ職であることを伝えやすい経歴です。

例文

①きっかけ急性期病院で3年間、整形外科と内科の早期リハビリに携わってきました。入院期間が短いなか、退院後の生活を十分に見届けられないまま送り出すことに、もどかしさを感じていました。

②訪問看護を選ぶ理由在宅では、その方の生活そのものに時間をかけて関われると考えています。急性期で身につけた全身状態の観察やリスク管理の視点は、看護師と同じ事業所で働く訪問看護ステーションでこそ活かせるはずです。

③事業所を選ぶ理由貴ステーションが24時間の連絡体制を取り、医療的な支えが必要な方の在宅療養にも対応されていると知りました。同行訪問で在宅ならではの判断を学びながら、生活行為への支援に力を注ぎたいと思っております。

急性期からの転職では、「もどかしさ」を前職への不満ではなく、関心の芽として書くのがポイントです。
例文に出てくる同行訪問とは、先輩職員と一緒に利用者様のご自宅を訪問し、在宅ならではの判断や手順を学ぶ期間のことです。

精神科からの転職の例文

精神科での経験は、作業療法士ならではの強みとして伝えやすい経歴です。

例文

①きっかけ精神科病院で4年間、作業療法を担当してきました。退院された方が地域で暮らし続けるには、日中の過ごし方や生活リズムを一緒に整える関わりが欠かせないと感じてきました。

②訪問看護を選ぶ理由在宅では、病棟では見えなかった生活の場面に直接関われる点に魅力を感じています。看護師と連携しながら、作業を通じてその方らしい一日をつくる支援に携わりたいと考えるようになりました。

③事業所を選ぶ理由貴ステーションが精神科の訪問看護にも取り組まれていると知り、志望いたしました。精神科で培った関わり方を、地域で暮らす方の支えとして活かしたいと考えています。

応募先が精神科訪問看護に対応しているかどうかは、事前に確かめてから書くのがおすすめです。

介護老人保健施設からの転職の例文

老健の経験は、在宅復帰を支えてきた実績と結びつけられる経歴です。

例文

①きっかけ介護老人保健施設で6年間、在宅復帰に向けたリハビリと家屋調査に携わってきました。在宅復帰された方のご家族から、家での介助に戸惑っているとの声を聞くことがあり、その先を支えたいと考えるようになりました。

②訪問看護を選ぶ理由訪問看護ステーションなら、ご本人の動作とご家族の介助方法の両方に、ご自宅で関われると考えています。施設でケアマネジャーや介護職と連携してきた経験も、在宅のチームで活かせるはずです。

③事業所を選ぶ理由貴ステーションが居宅介護支援事業所も運営し、ケアマネジャーと近い距離で連携されていると伺いました。在宅復帰の先にある毎日の暮らしを支える一員になりたいと思っています。

老健の方は、多職種連携の経験をステップ2に重ねると、事業所側も働く姿を思い描きやすいでしょう。

ブランク・子育て後の復帰の例文

ブランクがある方は、ブランクの期間を「生活者としての経験」として前向きに書けます。

例文

①きっかけ回復期病院で4年間勤務したのち、子育てのため3年間、現場を離れておりました。家事と育児を担うなかで、調理や入浴といった毎日の動作が、暮らしの質を大きく左右すると身をもって知りました。

②訪問看護を選ぶ理由復帰にあたり、生活の場で直接関われる訪問看護ステーションで働きたいという思いが強まりました。生活者としての経験も、利用者様とご家族の暮らしを想像する力として活かせると考えています。

③事業所を選ぶ理由貴ステーションの見学で、同行訪問を通じて段階的に独り立ちしていく流れを伺いました。ブランクのある私にとって心強い環境であり、ご指導をいただきながら在宅での判断を一つずつ身につけたいと考えています。

ブランクを隠すのではなく、学び直す姿勢と組み合わせて書くと誠実さが伝わります。

面接で深掘りされやすい質問と答え方

訪問看護の面接では、志望動機の一段深いところが聞かれます。
作業療法士に向けられやすい質問は「理学療法士との違い」「一人で判断すること」「看護師との連携」「移動の負担」の4つです。
それぞれ、答えを準備するときの視点をお伝えします。

4つの質問と答えの型を、先に一覧で確認しておきましょう。

面接で作業療法士に聞かれやすい4つの質問と答えの型
質問採用側が見ていること答えの型
「理学療法士と何が違いますか」職種理解とチームでの役割意識関わる場面の違い+在宅での具体例
「一人で判断することに不安は」慎重さと成長意欲不安を認める+同行訪問で学ぶ姿勢
「看護師とどう連携しますか」訪問看護ステーションで働く姿の具体性双方向の情報共有の例を1つ
「訪問件数や移動の負担は」無理なく続けられるか確かめたい点を具体的に挙げる

「理学療法士と何が違いますか?」

この質問は、作業療法士の方が聞かれることの多い問いです。
答えの型は、「関わる場面の違い」+「在宅でのその場面の具体例」の2段構えです。

「理学療法士が基本的な動作の力を支えるのに対し、作業療法士は調理や入浴といった生活行為に目を向けます。
在宅では、たとえば台所での立ち作業の工夫や、浴槽のまたぎ方の練習で力を発揮できると考えています」。
このように答えると、違いを理解しつつ、協力して働く姿勢も伝わります。
他職種を下げる言い方は避け、「チームの中での役割分担」として話してください。

「一人で訪問して判断することに不安はありませんか?」

訪問看護では、ご自宅で一人で判断する場面が少なくありません。
ここで「不安はありません」と言い切るより、不安を認めたうえで対処を語るほうが信頼されます。

「一人で判断する場面に不安はあります。
だからこそ、同行訪問の期間に判断の基準を学び、迷ったときに事業所へ連絡する線引きを身につけたいと考えています」。
この答え方なら、慎重さと成長意欲の両方が伝わります。
独り立ちまでの流れは、訪問看護師の独り立ちまでの期間も参考になります。

「看護師とどう連携しますか?」

訪問看護ステーションならではの質問です。
採用担当者は、リハビリ職が看護師と情報を共有する姿をイメージできるかを見ています。

体調の変化に気づいたときに看護師へ報告する、看護師から聞いた服薬や皮膚の状態を訪問時の動作練習に活かす。
このように、双方向の情報のやり取りを具体的に答えられると評価されやすい傾向です。
病院や施設で看護師と協力した経験があれば、その場面を1つ添えると説得力が増します。

「訪問件数や移動の負担は大丈夫ですか?」

訪問の仕事には、移動や天候による負担があります。
この質問では、負担を理解しているか、無理なく続けられそうかが見られています。

「1日の訪問件数の目安や移動手段について、見学の際に伺いたいと思っています」と、確認の姿勢を示すのも一つの答え方です。
曖昧に「大丈夫です」と答えるより、具体的に確かめたい点を挙げるほうが、長く働く意思として受け取られます。
面接全体の準備は、訪問看護師の面接|よく聞かれる質問と逆質問もあわせてご覧ください。

選考で不利になりやすい志望動機の書き方

内容が良くても、書き方で損をしている志望動機は少なくありません。
採用側が引っかかりやすいのは4つです。
条件だけの理由、「学ばせてください」止まり、前職への不満の裏返し、作業療法の説明だけの志望動機です。
それぞれの言い換えの方向をお伝えします。

4つの書き方と言い換えの方向を、先に図で並べておきます。

不利になりやすい書き方と言い換えの方向
避けたい書き方条件だけが理由(直行直帰ができるから)
言い換えの方向条件は面接の確認事項に回し、志望動機では在宅を選ぶ理由を書く
避けたい書き方「学ばせてください」で終わる
言い換えの方向学んだことを、どんな生活行為の支援に活かしたいかまで書く
避けたい書き方「病院では時間をかけられなかった」
言い換えの方向「その方の生活に時間をかけて関わりたいと思うようになった」
避けたい書き方作業療法の説明が中心
言い換えの方向作業の視点は一文にとどめ、残りは訪問看護と事業所を選ぶ理由に

条件・待遇だけが理由になっている

「土日休みだから」「直行直帰ができるから」だけが理由だと、条件の良い事業所が他にあれば移ってしまう印象を与えます。
条件を重視すること自体は、長く働くうえで大切な視点です。

伝え方としては、条件は志望動機の外に出し、面接の確認事項として扱うのがおすすめです。
志望動機では「なぜ在宅か」「なぜこの事業所か」に字数を使ってください。

「学ばせてください」で終わっている

「在宅について学びたい」は前向きな言葉ですが、それだけでは受け身に見えます。
事業所は学校ではなく、利用者様の暮らしを支える場だからです。

「学んだことを、どの利用者様のどんな場面に活かしたいか」まで書くと、印象はがらりと変わるはずです。
学ぶ姿勢と貢献したい方向をセットにしてください。

前職への不満の裏返しになっている

「病院では一人ひとりに時間をかけられなかったので」という理由は、書き方次第で不満に聞こえます。
採用担当者は、同じ不満を自分の事業所でも抱かないかを気にします。

不満を「関心の芽」に言い換えると前向きに伝わります。
「時間をかけられなかった」ではなく、「その方の生活にもっと時間をかけて関わりたいと思うようになった」と書いてください。
退職の伝え方に迷う方は、看護師の円満退職の伝え方の考え方がリハビリ職にも参考になります。

「作業療法」の説明だけで、訪問看護の話がない

作業療法の素晴らしさを熱心に書くあまり、なぜ訪問看護なのかが抜け落ちる例もよく見かけます。
これでは、病院の作業療法士の求人に出しても同じ文章になってしまいます。

作業療法の視点は一文にとどめ、残りは「在宅」「訪問看護ステーション」「その事業所」に使うのがおすすめです。
3ステップの骨格に沿って書けば、このずれは自然に防げます。

志望動機と一緒に確認したい条件面

志望動機を書き上げたら、条件面も同じ熱量で確かめておきましょう。
入職後に「思っていた働き方と違った」とならないための準備です。
公的統計で相場の物差しを持ち、求人票と見学で具体的に確かめるのが近道と言えます。

求人票と見学で確認したい4項目
項目をクリックするとチェックできます

公的統計で見るリハビリ職の給与水準

給与の相場は、厚生労働省の賃金構造基本統計調査で確認できます。
この調査には作業療法士だけの区分がなく、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士が一括で集計されています。

項目リハビリ職(PT・OT・ST・視能訓練士)看護師出典
きまって支給する現金給与額(月額)309,900円365,900円厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」
年間賞与その他特別給与額717,200円856,400円同調査

きまって支給する現金給与額とは、残業代などを含めて毎月決まって支払われる給与のことです。
数字はあくまで全国・全施設の平均で、訪問看護ステーションに限った値ではありません。
訪問の働き方での給与の内訳は、作業療法士の訪問リハビリ|給与の実額で詳しく扱っています。

求人票と見学で確認したい4項目

訪問看護ステーションの求人では、病院とは違う項目に目を向ける必要が出てきます。

特に確認しておきたいのは、次の4項目です。
1つ目は基本給と訪問件数に応じた手当の内訳、2つ目は移動時間と記録時間の賃金上の扱いです。
3つ目は1日あたりの訪問件数の目安とノルマの有無、4つ目は交通手段と交通費の支給方法です。

なかでも、移動時間や記録時間が給与にどう含まれるかは、事業所ごとの差が大きい項目です。
求人票で分からなければ、見学や面接の場で率直に聞いて構いません。
聞きにくいと感じる方も多いのですが、確認する姿勢はむしろ長く働く意思として受け取られます。

同行訪問の期間と独り立ちの目安

同行訪問の期間は事業所ごとに異なるため、応募前に目安を確かめておくと安心です。

独り立ちの時期だけでなく、独り立ち後に困ったとき誰に相談できるかも聞いておきましょう。
相談の窓口がはっきりしている事業所なら、一人で訪問する不安も和らぎます。

リハビリ職の訪問をめぐる制度の動き

面接での受け答えに深みを出すなら、令和6年度の介護報酬改定にも目を通しておくと安心です。
この改定では、訪問看護ステーションのリハビリ職の訪問について新しい減算が設けられました。
減算とは、報酬が一定額差し引かれる仕組みのことです。

前年度に理学療法士等の訪問回数が看護職員の訪問回数を上回った場合などが対象です。
対象になると、理学療法士等による訪問1回につき8単位が減算されます(出典:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」)。
看護師とリハビリ職がどう役割を分けて訪問しているかを聞くことは、働き方を知るうえでも役立ちます。

すえひろ訪問看護ステーションが大切にしていること

私たちすえひろ訪問看護ステーションが大切にしているのは、職種で担当を切り分けず、利用者様の目標をチームで支えることです。
作業療法士を含むリハビリ職と一緒に働くうえでも、この考え方は変わりません。
他の事業所に応募される方も、志望動機のステップ3を考える材料として読んでいただければと思います。

すえひろ訪問看護ステーションの基本情報
開設2020年3月足立区で開設
拠点3拠点訪問看護ステーション2・居宅介護支援1
職種5職種看護師・理学療法士・作業療法士・ケアマネジャー・事務
対応体制24時間365日緊急時も連絡が取れる体制
出典:すえひろ訪問看護ステーション 会社概要・採用情報

職種で担当を切り分けず、チームで利用者様を支える

すえひろ訪問看護ステーションは、2020年3月に足立区で開設し、6年目を迎えました(出典:当ステーション会社概要)。
現在は足立区内で、訪問看護ステーション2か所と居宅介護支援事業所1か所の3拠点を運営しています。
セラピストの平均年齢は30.8歳です(出典:当ステーション採用情報)。
理学療法士・作業療法士が、看護師と同じ事業所で働いています。

日々の訪問で意識しているのは、職種の違いを壁にせず、気づいたことを互いに渡し合うことです。
作業療法士が気づいた生活の変化を看護師へ、看護師が気づいた体調の変化をリハビリ職へ。
こうした情報の往復が、在宅での安心につながると考えています。

できないことも含めて正直に話せること

訪問看護には、制度上できることとできないことがあります。
作業療法士として働くうえでも、この線引きを知っておくことは大切です。

区分内容
できること主治医の指示に基づくリハビリ
生活行為(食事・入浴・家事など)の評価と練習
住環境や福祉用具の相談
ご家族への介助方法の共有
健康状態の観察と看護師への報告
できないこと家事の代行(ホームヘルパーの業務)
買い物の代行
医師の診察や薬の処方
指示書の範囲を超えた医療処置

それでも、制度上難しいと思われることでも、利用者様の暮らしのために何ができるかを一緒に考えたいと私たちは考えています。
ケアマネジャーや他のサービスにつなぐことも含めて、諦めずに可能性を探るのが私たちの姿勢です。
制度の線引きを理解したうえで、その先に何ができるかを考えたいと書ける方は、この姿勢と自然に重なります。

私たちは理想のスタッフ像を「志が高い、愛ある開拓者」と表現しています。
作業療法士の方が持つ生活への視点は、制度の枠の外側にある暮らしの困りごとに気づく力でもあるのです。

見学だけでも歓迎しています

志望動機を書く前に、まず現場を見ておきたいという方も多いはずです。
私たちは、見学だけのご連絡も歓迎しています。

同行訪問の様子や、月曜朝の理念共有ミーティングの雰囲気を見てから、応募するかどうかを決めていただいて構いません。
看護師向けの勉強会「目からウロコ」も3ヶ月に1回開いており、地域の看護師とつながる場になっています。
募集の詳細は採用情報をご覧ください。

作業療法士の訪問看護への転職に関するよくある質問

作業療法士が訪問看護ステーションで働くことはできますか?

できます。
訪問看護ステーションには、看護職員のほか理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を置くことができます。
根拠は人員基準(平成11年厚生省令第37号)第60条です。
作業療法士の訪問は、訪問看護の一環としてのリハビリとして、主治医の訪問看護指示書に基づいて行います。

志望動機は何文字くらいが目安ですか?

履歴書の欄に合わせるのが基本です。
300〜400字を目安にすると、3ステップの骨格が過不足なく収まります。
面接で深掘りされたときに備えて、根拠となるエピソードを別に1〜2個用意しておくと安心です。

訪問の経験がなくても志望動機は書けますか?

書けます。
訪問の経験の有無より、病院や施設で「退院後の生活」をどう考えてきたかを言葉にすることが大切です。
退院前訪問や家屋評価に関わった経験があれば、そこが入口です。

理学療法士との違いはどう書けばよいですか?

優劣ではなく、関わる場面の違いとして書くのがおすすめです。
作業療法士は食事・入浴・家事・趣味など、生活行為そのものに目を向ける専門職です。
その視点を、あなた自身の経験と結びつけて一文で書くと伝わります。

精神科の経験は訪問看護の志望動機で活かせますか?

活かせます。
在宅では身体の状態だけでなく、気持ちの揺れや生活リズムにも目を向ける場面が多くあります。
ただし、応募先が精神科の訪問看護に対応しているかは事前に確認し、そのうえで経験の活かし方を具体的に書いてください。

新卒や経験1〜2年でも訪問看護に応募できますか?

応募を受け付けているかどうかは、事業所ごとに方針が異なります。
求人票や見学で、同行訪問の期間や相談体制など、経験の浅い方への教育の仕組みを確かめておくと安心です。
志望動機では、経験年数の少なさを補う学び方の姿勢を具体的に書くと伝わります。

理学療法士の志望動機と書き方は同じでよいですか?

3ステップの骨格は共通です。
違いが出るのはステップ2で、作業療法士は生活行為への視点を、理学療法士は基本動作への視点を中心に置きます。
理学療法士向けの書き方は、理学療法士の訪問リハビリ志望動機でまとめています。

まとめ|あなたの「生活を見る目」は、在宅で活きる

作業療法士の訪問看護への志望動機は、3ステップで組み立てます。
①在宅に関心を持ったきっかけ、②訪問看護ステーションを選ぶ理由、③その事業所を選ぶ理由の順です。
作業療法士らしさは、②の中に「生活行為に、ご自宅という実際の場で関わりたい」という一文で置いてください。
条件面は志望動機とは切り分け、公的統計と見学で確かめるのが安心です。

病院や施設で「この方は家でどう暮らしているだろう」と気にかけてきた経験は、そのまま在宅で働く理由として通用します。
これまで見送ってきた利用者様の、退院後の暮らしを思い浮かべてみてください。
それが志望動機を書くいちばんの近道だと、私たちは考えています。

すえひろは「誰ひとりとり残さない社会」を掲げています。
その一方で、「スタッフを護れる会社を創る」ことを創業時からの前提に置いてきました。
まず見学だけでも構いません。
作業療法士が看護師と一緒に動く1日の流れと、実際に働く人を見てから決めてください。
転職全体の流れは訪問看護への転職の総論もあわせてご覧ください。

参考資料・出典

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