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訪問看護医療情報連携加算の算定要件・届出とWEB掲載|9月30日が経過措置の期限、まだ間に合う?

この記事の要点(30秒でわかる)

  • 訪問看護医療情報連携加算(月1回・1,000円)のWEB掲載経過措置は2026年9月30日まで
  • 掲載内容は院内掲示と同等のICT医療情報連携体制に関する情報
  • 掲載場所は自社サイトまたは介護サービス情報公表システムの2択
  • 10月以降未掲載のまま算定すると指導・監査や返還リスクあり

「加算は6月から算定しているけれど、WEB掲載の経過措置って何をすればいいの?」——そんな声を、管理者や事務担当者の方からよく聞きます。2026年6月に新設された「訪問看護医療情報連携加算(いりょうじょうほうれんけいかさん)」には、ウェブサイトへの情報掲載を2026年9月30日まで猶予する「経過措置」が設けられています。

経過措置の期限は2026年9月30日です。残りわずかです。「知らなかった」では済まない、算定継続に直結する要件です。すえひろ訪問看護ステーションでは、現場の実務に精通した立場から、この記事で「今すぐ動くべきこと」を手順ごとに整理しました。加算の仕組みから掲載方法、期限を過ぎた場合のリスクまで、管理者が知るべき情報をお伝えします。

📝 当コラムの記事内容について

当コラムは、訪問看護に関する一般的な情報提供を目的としたものです。個別の症状・保険適用・制度のご判断についてお答えするものではありません。制度の運用は地域・保険者・個別のご状況により異なりますので、あらかじめご了承ください。

記事内容に関するご質問は、お問い合わせフォームよりお願いいたします(お電話・コメント欄でのご質問にはお答えいたしかねます。回答までお時間をいただく場合があります)。

※訪問看護サービスのご利用・ご相談に関するお問い合わせは、受付時間(8:30〜17:30)にお電話でも承っております。

「訪問看護医療情報連携加算」算定の条件:WEB掲載が必要な理由

訪問看護医療情報連携加算を算定するには、4つの施設基準をすべて満たす必要があります。この加算は月1回・1,000円を所定額に加算できる新設項目で、ICTを活用して診療情報を関係機関と連携し、計画的なケア管理を行う体制を評価するものです(出典:厚生労働省 令和8年度診療報酬改定 訪問看護ステーション向け資料)。

4つの施設基準のうち、特に見落とされやすいのが「ウェブサイトへの掲載」です。具体的には、ICT医療情報連携体制を構築している訪問看護ステーションであることを、ステーション内の見やすい場所に掲示し、かつ原則としてウェブサイトにも掲載することが求められています。「院内掲示はしたけれどサイトへの掲載は後回し」という状態では、施設基準を満たしているとは言えません。

ウェブサイト掲載が要件に含まれる背景には、利用者様やご家族が事業所を選ぶ際にデジタルで情報を確認できる環境を整えるという国の方針があります。 加算の算定可否だけでなく、情報公開の姿勢そのものが問われていると理解してください。

訪問看護医療情報連携加算|4つの施設基準
1
ICT連携体制の構築 利用者の診療情報をICTで常時確認できる体制を整備し、関係機関と平時から連携すること
2
計画的管理体制の整備 診療情報を活用した上で、指定訪問看護の計画的な管理を行う十分な体制があること
3
院内掲示 連携体制を構築している旨を、ステーション内の見やすい場所に掲示していること
4
ウェブサイト掲載 掲示事項を原則としてウェブサイトに掲載していること
★ 経過措置:2026年9月30日まで猶予

訪問看護医療情報連携加算の算定要件と施設基準|WEB掲載のほかに満たすこと

ウェブサイトへの掲載は要件の一つにすぎません。掲載を済ませても、ほかの要件を満たしていなければ算定できません。経過措置の期限が近づくとウェブサイトの話に注目が集まりますが、あわせてご自身のステーションの体制を確認してください。

見落としやすいのは「連携機関が5以上」

施設基準には、連携機関(特別の関係にあるものを除く)の数が5以上であることという条件があります。ICTでつながっている先が4つ以下では、ほかをすべて満たしていても算定できません。主治医の医療機関、薬局、居宅介護支援事業所などを数えて、5に届いているかを先に確認してください。

「特別の関係にあるもの」は数に含められない点にも注意が必要です。同一法人内の事業所どうしでつないでいるだけでは、要件を満たさない可能性があります。

ICTの体制に求められること

  • 記録された診療情報等が、連携機関間の協議に基づき一元的に管理されたサーバーで保管されていること
  • 情報の共有は、利用者様・ご家族・連携機関のうち利用者様が同意した方のみで行われること
  • 参加者の範囲が随時設定可能であること
  • 参加者が診療情報等を常時閲覧・取得でき、利用者様ごとに時系列で速やかに表示されること
  • プライベートSNSの取り扱いや、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を参考にしていること

算定要件のうち、その月ごとに満たすこと

施設基準を満たしていても、実際に算定する月ごとに満たすべき条件があります。

  • 利用者様から、情報の取得・活用と、訪問看護で得た情報の共有について同意を得ていること
  • 訪問看護を行う際に、過去90日以内に記録された利用者様の医療・ケアに関する情報を、ICTを用いて1つ以上取得していること(特別の関係にある医療機関等が記録した情報は除く)

あわせて、次回の訪問予定日と訪問看護計画の変更の有無、変更があればその概要、ケアを行う際の留意点、人生の最終段階における医療・ケアや急変時の治療方針についてのご希望を、必要に応じて記録し、医療関係職種等と共有します。

「体制は整えたが、その月にICTで情報を取っていなかった」という状態では算定できません。毎月の運用として回る形にしておくことが大切です。

(出典:厚生労働省保険局医療課「令和8年度診療報酬改定について(訪問看護ステーション向け)」)

同意は何について、いつ得るのか

算定要件には利用者様からの同意が含まれます。同意の対象は2つあります。

  • 医療関係職種等が記録した利用者様の医療・ケアに関する情報を、取得し活用すること
  • 訪問看護を行った際の診療情報等を記録し、医療関係職種等に共有すること

見る側と出す側の両方について同意をいただく形です(出典:厚生労働省 令和8年度診療報酬改定について【訪問看護ステーション向け】)。

同意書という決まった様式は示されていません。契約時の重要事項説明書や、既存の個人情報の取扱いに関する同意書に項目を足す形で運用している事業所が多く見られます。書面にするか記録に残すかを含め、判断に迷う場合は管轄の地方厚生局に確認するのが確実です。

地方厚生局への届出はいつ・何を出すか

算定要件と施設基準を満たすだけでは、この加算は算定できません。所在地を管轄する地方厚生局へ届出を行い、受理される必要があります。東京都のステーションであれば、関東信越厚生局が窓口になります。

算定を始められる時期は、届出が受理された日で決まります。各月の月末までに受理されたものはその翌月から算定できます。月の最初の開庁日に受理された場合は、その月の1日から算定できます(出典:地方厚生局「訪問看護ステーションの基準に係る届出に関する手続きの取扱いについて」)。

つまり10月1日から算定を続けたい場合は、9月末までに届出が受理されている必要があります。ウェブサイトへの掲載期限も9月30日です。掲載と届出の両方を9月中に終える段取りで考えてください。

届出に使うのは様式9「訪問看護医療情報連携加算に係る届出書」です。訪問看護ステーションの基準に係る届出様式は様式1から13まであり、この加算は9番にあたります(出典:関東信越厚生局 訪問看護ステーションの基準に係る届出)。様式は各地方厚生局のウェブサイトで公開されています。様式は診療報酬改定のたびに差し替えられますので、令和8年度改定に対応した最新版かどうかを確認してから使ってください。掲載したページのURLを記入する欄がある場合は、掲載を終えてから記載します。

連携機関の数え方や様式の書き方で判断に迷う点があれば、管轄の地方厚生局に確認するのが確実です。問い合わせの際は「訪問看護医療情報連携加算の届出について」と用件を明示すると、回答を得やすくなります。

経過措置とは何か:9月30日までに何をすればいいか

経過措置とは、新しい制度への移行を円滑にするために設けられた「準備期間」です。訪問看護医療情報連携加算では、2026年9月30日までの間、ウェブサイトへの掲載がなくても施設基準を満たしているものとして取り扱われます(出典:厚生労働省 令和8年3月 診療報酬改定関連通知・事務連絡)。

つまり、6月から加算を算定し始めた事業所でも、今すぐウェブサイトに掲載しなければ加算が取り消されるわけではありません。ただし、10月1日以降は経過措置が終了します。その時点でウェブサイトへの掲載が完了していなければ、施設基準を満たさないとみなされ、加算の算定ができなくなります。

管理者が9月30日までにやるべきことは、大きく3つです。

まず「自ステーションのサイトへの掲載文を作成する」こと。次に「掲載するプラットフォームを確定させる」こと。そして「掲載後に掲載URLを記録・保管する」ことです。これらを計画的に進めることが、算定継続の最低条件です。制度上難しいと思われることでも、まずは管轄の地方厚生局に相談することをお勧めします。

経過措置タイムライン:9月30日が境界線
経過措置期間中
〜 2026年9月30日
算定OK
ウェブサイトへの
掲載がなくても
施設基準を
満たしていると
みなされる
経過措置終了後
2026年10月1日〜
未掲載はNG
ウェブサイト未掲載では
施設基準を満たさず
加算の算定不可
指導・返還リスクあり

WEBに掲載すべき情報の具体的な内容と書き方

掲載すべき内容は、「ICT医療情報連携体制を構築している訪問看護ステーションである旨」を示す情報です。厚生労働省は「掲示事項をウェブサイトに掲載」と定めており、院内に掲示している内容と同等の情報をサイトに掲載することが基本の方針とされています(出典:厚生労働省 令和8年度診療報酬改定 施設基準関連通知)。

掲載文のポイントは3つあります。加算名を明示すること、ICT連携体制を整備している旨を示すこと、そして関係機関と平時から連携していることを記すことです。例えば「当ステーションは、訪問看護医療情報連携加算の施設基準を満たし、ICTを活用した医療情報連携体制を構築しています」という一文が核心となります。

文章が長くなりすぎる必要はありません。利用者様やご家族にとって読みやすく、かつ要件を満たす情報が掲載されていれば十分です。「加算の算定を行っている」という事実そのものを開示することが、透明性の観点でも重要です。掲載文の具体的な文言については、管轄の地方厚生局へ確認することをお勧めします。

WEB掲載文|確認チェックリスト5項目
1
加算名の明記 「訪問看護医療情報連携加算」という加算名を記載する
2
ICT連携体制の構築 ICTを活用した医療情報連携体制を整備している旨を示す
3
関係機関との平時連携 主治医・ケアマネ等と平時から連携していることを記載する
4
ステーション名・所在地 どの事業所の情報かを明示する
5
掲載日または更新日 情報の鮮度を示し、変更時の更新義務を果たす

院内に貼る掲示文の例

要件は「見やすい場所に掲示」することと、その掲示事項を原則としてウェブサイトに掲載することの2つです(出典:厚生労働省 令和8年度診療報酬改定について【訪問看護ステーション向け】)。つまり紙の掲示とウェブ掲載は別物で、両方が要ります。

院内掲示の文面は、次の3点が入っていれば足ります。長くする必要はありません。

  • 加算の名称(訪問看護医療情報連携加算)
  • ICTを用いた医療情報連携の体制を構築している事業所である旨
  • 事業所名

たとえば「当ステーションは、訪問看護医療情報連携加算の施設基準を満たし、ICTを活用した医療情報連携体制を構築しています。」の一文に事業所名を添えた形です。ウェブサイトには、この掲示と同等の内容を載せます。

掲載場所の選択肢:自社サイト・介護サービス情報公表システムなど

ウェブサイトへの掲載場所は、主に2つの選択肢があります。

①自社(自ステーション)のウェブサイトが最も確実な選択肢です。自分たちで管理できるため、掲載・更新のタイミングを自由に決められます。すでに自社サイトをお持ちの場合は、「加算・体制」に関するページや「ご利用案内」ページに追記するのが自然です。

②介護サービス情報公表システム(厚生労働省運営、kaigokensaku.mhlw.go.jp)は、自社サイトを持たない事業所が活用できる公的なプラットフォームです。ただし、同システムへの掲載が訪問看護医療情報連携加算のウェブサイト要件として認められるかどうかは、管轄の地方厚生局に確認することをお勧めします。他の診療報酬加算では公表システムへの掲載が代替手段として認められた例がありますが、本加算への適用については公式の明確な見解を確認してください。

自社サイトを持っていない、あるいは更新作業が難しいという場合でも、制度上対応できる方法を一緒に考えることができます。まずは専門職として責任を持って、誠実に向き合わせていただきます。

WEB掲載先の比較:自社サイト vs 介護サービス情報公表システム
比較項目 自社(自ステーション)
ウェブサイト
介護サービス
情報公表システム
管理のしやすさ 自由にいつでも更新可能 都道府県への申請が必要な場合あり
コスト サイト維持費が必要(既存サイトなら追加コストなし) 無料
要件適用の確実性 最も確実(「自ら管理するウェブサイト」に該当) 要確認管轄厚生局への確認が必要
自社サイトがない場合 新規作成が必要(WordPressなど低コストで構築可) サイトなしでも利用可

※介護サービス情報公表システムが要件を満たすかは管轄の地方厚生局にご確認ください

期限を過ぎると何が起きる?算定取り消しのリスクと対処法

2026年10月1日以降、ウェブサイトへの掲載が完了していない状態で訪問看護医療情報連携加算を算定し続けると、施設基準を満たさないとみなされます。各地方厚生局の通知では、施設基準を満たさない状態での算定は不正行為として取り扱われる可能性があるとされており、指導や監査の対象となり返還を求められるリスクがあります(出典:各地方厚生局「保険医療機関等において不正請求等が行われた場合の取扱いについて」)。

特に注意が必要なのは、「算定していた事実」は診療報酬請求データとして記録されているという点です。後から遡って問題が発覚した場合、加算分の返還だけでなく、指導・監査という形で事業所全体に影響が及ぶことがあります。早めに対処することが、事業所を守ることにつながります。

もし期限が迫っていることに今気づいた場合でも、あきらめる必要はありません。まずウェブサイトへの掲載を完了させることが最優先です。掲載が完了した時点から、以降の算定は適法となります。過去の算定について不安がある場合は、管轄の地方厚生局に相談することをお勧めします。

WEB掲載の手順まとめ(Todoリスト)

掲載内容(文章)を作成する→掲載先(自社サイト or 情報公表システム)を確定する→担当者を決め更新を依頼または実施する→掲載完了後にURLをスクリーンショットで記録・保管する→地方厚生局への届出書類に掲載URLを記載する(必要に応じて)。

WEB掲載完了までの5ステップ|管理者Todoリスト
1
掲載文の作成 「訪問看護医療情報連携加算の施設基準を満たし、ICT連携体制を構築している」旨の文章を作成する
2
掲載先の確定 自社サイトか介護サービス情報公表システムか、掲載先を決定する(不明な場合は厚生局に確認)
3
担当者決定・掲載実施 サイト更新の担当者を決め、9月30日までに掲載作業を完了させる
4
URL記録・証拠保管 掲載完了後、URLをスクリーンショットとともに記録・保管する
5
届出書類の確認 地方厚生局への届出書類に掲載URLの記載が必要か確認する

まとめ:9月30日までに「掲載完了」を目指して

訪問看護医療情報連携加算のWEB掲載要件は、加算算定を続けるための必須条件です。2026年9月30日までの経過措置が終了する前に、掲載内容を作成し、ウェブサイトへの公開を完了させてください。

すえひろ訪問看護ステーションでは、制度の変化に対して現場の実情に即した形で丁寧に対応してきました。「WEBのことはよくわからない」「何を書けばいいかわからない」という管理者の方も、一緒に考えさせてください。制度上難しいと思われることでも、まずはご相談ください。

期限まであとわずかです。今日から準備を始めることが、利用者様への継続的なケアを守ることにもつながります。

よくある質問(FAQ)

Q. 自社サイトを持っていないステーションは、どうすれば要件を満たせますか?

A. 介護サービス情報公表システムへの掲載が代替手段として検討されますが、要件を満たすかどうかは管轄の地方厚生局に確認することをお勧めします。確認の際は「訪問看護医療情報連携加算のウェブサイト掲載要件について」と明示して問い合わせると、回答を得やすいです。

Q. 経過措置期間中に加算を算定していなかった場合、10月から算定を始めてもよいですか?

A. 施設基準(ICT連携体制の整備・院内掲示・ウェブサイト掲載)を満たし、地方厚生局への届出を完了していれば算定可能です。10月1日以降に算定を開始する場合は、その前にウェブサイト掲載を完了させておく必要があります。

Q. 掲載する文章に正式なフォーマットはありますか?

A. 厚生労働省から標準様式は現時点では公示されていません。院内に掲示している内容と同等の情報をウェブサイトに掲載することが基本です。文言については管轄の地方厚生局に確認されることをお勧めします。

Q. ウェブサイト掲載後に変更や更新が必要な場合はありますか?

A. 掲載した内容に変更が生じた場合(例:連携体制の変更)は、速やかに更新する必要があります。定期的に内容を確認し、最新の状態を保つことが望まれます。

Q. 在宅患者連携指導加算をすでに算定している場合、訪問看護医療情報連携加算も算定できますか?

A. 在宅患者連携指導加算または在宅医療情報連携加算を算定している利用者様については、訪問看護医療情報連携加算との重複算定はできません。算定対象となる利用者様を事前に整理してください。

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