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インフルエンザの流行が例年より1か月早く始まりました|足立区の状況と在宅での備え

この記事の要点(30秒でわかる)

  • 東京都は2026年8月27日に流行開始を発表しました
  • 昨シーズンより1か月以上早い立ち上がりです
  • 足立保健所の管内も目安の1.0人を超えています
  • まだ注意報や警報ではありません。備える時期です

「インフルエンザは冬のもの」と思っておられる方が多いと思います。実際、昨シーズンの流行開始は9月の終わりでした。

ところが今シーズンは違います。東京都は2026年8月27日、都内でインフルエンザの流行が始まったと発表しました。昨シーズンより1か月以上早い立ち上がりです。

すえひろ訪問看護ステーションは足立区で在宅の療養を支えています。ご高齢の方やご病気をお持ちの方にとって、感染症は暮らしを大きく揺さぶるものです。だからこそ、流行が本格化する前のいまお伝えしたいと思いました。

この記事では、いま都内と足立区で何が起きているのか、数字で確かめられることを整理します。そのうえで、ご自宅でできる備えを具体的にお伝えします。慌てる段階ではありません。準備ができる時期です。

📝 当コラムの記事内容について

当コラムは、訪問看護に関する一般的な情報提供を目的としたものです。個別の症状・保険適用・制度のご判断についてお答えするものではありません。制度の運用は地域・保険者・個別のご状況により異なりますので、あらかじめご了承ください。

記事内容に関するご質問は、お問い合わせフォームよりお願いいたします(お電話・コメント欄でのご質問にはお答えいたしかねます。回答までお時間をいただく場合があります)。

※訪問看護サービスのご利用・ご相談に関するお問い合わせは、受付時間(8:30〜17:30)にお電話でも承っております。

昨シーズンより1か月以上早い立ち上がりです

東京都保健医療局は2026年8月27日、都内でインフルエンザの流行が始まったと発表しました。第34週(2026年8月17日から8月23日まで)の定点医療機関からの報告数が1.49となり、流行開始の目安である定点当たり1.0人を超えたためです(出典:東京都保健医療局「東京都内でインフルエンザが流行開始」2026年8月27日)。

比べていただきたいのは、昨シーズンの時期です。昨年は令和7年第39週(2025年9月22日から9月28日)に1.0人を超えました。今年は1か月以上早いことになります(出典:同)。

学校の様子にも表れています。学級閉鎖などの臨時休業の報告は、2025年9月1日から2026年8月23日までの累計で6,377件。前のシーズンの同じ時期は1,537件でしたので、大きな差があります(出典:同)。

「まだ夏だから」という感覚のままでいると、備えが遅れます。 気温ではなく、数字で見ていただくのが確かです。

流行開始はいつだったか

今シーズン

第34週(2026年8月17日〜8月23日)

定点当たり 1.49

昨シーズン

令和7年第39週(2025年9月22日〜9月28日)

目安の 1.0 を超えた週

1か月以上早い立ち上がりです

流行開始の目安は、定点当たり1.0人/週です。

出典:東京都保健医療局「東京都内でインフルエンザが流行開始」2026年8月27日

足立区の管内も目安を超えています

足立保健所の管内も、すでに目安を超えています。 第34週の定点当たり報告数は1.21でした(出典:同)。

都内31か所の保健所のうち、1.0人を超えたのは20か所です。報告数が高い順に、島しょ(11.00)、渋谷区(5.00)、町田市(4.23)、中野区(2.67)と続き、足立はその中ほどに位置しています(出典:同)。

同じ週に、都内の学校や社会福祉施設等で発生したインフルエンザ様疾患の集団感染事例は7件報告されています(出典:同)。人が集まる場所での広がりが、すでに始まっているということです。

ここで確かめておきたいことがあります。現時点では、注意報でも警報でもありません。 注意報の基準は定点当たり10人、警報は30人です。1.49はそのはるか手前です(出典:同)。

慌てる段階ではなく、備える段階です。 この違いは大事だと考えています。

予防接種を受けるかどうかを考えておられる方は、高齢者の予防接種|寝たきりでも打てる?足立区の助成と相談の進め方もあわせてご覧ください。

いまはどの段階か

段階基準(定点当たり・週)いまの状況
流行開始1.0人都内 1.49/足立 1.21
注意報10人到達していません
警報30人到達していません

注意報・警報は、基準を超えた保健所の管内人口の合計が東京都の人口全体の30%を超えた場合に発表されます。数値は第34週(2026年8月17日〜8月23日)のものです。

出典:東京都保健医療局「東京都内でインフルエンザが流行開始」2026年8月27日

今シーズンは検出されるウイルスの型が変わっています

もうひとつ、数字に表れている変化があります。検出されるウイルスの型が、前のシーズンと入れ替わっています。

2026年第31週までの累計では、A香港型(AH3)が441件で58.3%B型のVictoria系統が288件で38.1%、AH1pdm09が27件で3.6%でした(出典:同)。

前のシーズンの累計は様子が違います。AH1pdm09が250件で63.9%と中心で、A香港型は83件・21.2%、Victoria系統は58件・14.8%でした(出典:同)。

中心だった型が入れ替わった形です。 ただしこれは、検出された件数の割合を示したものです。この先どの型が流行するかを予測したものではありません。

型が変わると、以前かかったことによる免疫が働きにくくなる可能性があります。「去年かかったから大丈夫」とは考えないでいただきたいと思います。

検出されたウイルスの型(累計に占める割合)

今シーズン(2026年第31週まで)

A香港型(AH3)

58.3%

B型 Victoria系統

38.1%

AH1pdm09

3.6%

前シーズン(累計)

AH1pdm09

63.9%

A香港型(AH3)

21.2%

B型 Victoria系統

14.8%

これは検出された件数の割合です。この先どの型が流行するかを予測したものではありません。

出典:東京都保健医療局「東京都内でインフルエンザが流行開始」2026年8月27日(感染症発生動向調査事業)

ご自宅でいまからできる備え

東京都が挙げている対策のポイントは5つです。こまめな手洗いと手指消毒、着用が効果的な場面でのマスク着用、休養と栄養・水分補給、換気、咳エチケットです(出典:同)。

在宅で療養されている方のご家庭では、この5つに加えて考えておきたいことがあります。持ち込まないための備えです。

ご家族が学校や職場から持ち帰る形での広がりが、いま起きています。都も「学校や家庭内での感染拡大に十分な注意が必要」としています(出典:同)。ご家族が帰宅したときの手洗いを、これまでより一段しっかりと行っていただくのが現実的です。

換気も大切ですが、在宅酸素療法をお使いの方や体温の調節が難しい方では、やり方に配慮が要ります。窓を開ける時間や場所について迷われたら、担当の看護師にお尋ねください。

そしてもうひとつ。かかったかもしれないときの連絡先を、いま確かめておいてください。 主治医の連絡先、夜間や休日にどこへ連絡するか、訪問看護への連絡方法。慌てているときに探すのは大変です。

訪問看護師がご自宅に伺うことについて、ご心配をお持ちの方もおられるかもしれません。感染対策の進め方でご不安な点があれば、遠慮なくお聞かせください。訪問の時間帯や順番など、ご相談のうえで調整できることもあります。

すえひろでは、体調の変化があったときのご連絡をいつでもお受けしています。判断に迷う段階のご相談で構いません。

いまからできる備え

①〜⑤は東京都が挙げる対策のポイント/⑥は在宅ならではの備え

1こまめな手洗い、手指消毒
2着用が効果的な場面でのマスク着用
3休養、栄養・水分補給
4換気在宅酸素をお使いの方などは、やり方を担当の看護師にご相談ください
5咳エチケット
6連絡先を確かめておく主治医、夜間・休日の連絡先、訪問看護への連絡方法

出典(①〜⑤):東京都保健医療局「東京都内でインフルエンザが流行開始」2026年8月27日

「いつもと違う」と感じたら、何を伝えればよいか

ご自宅で療養されている方は、体調の変化が分かりにくいことがあります。ご家族が「何となくいつもと違う」と気づかれることのほうが、先になる場合もあります。

そのときにお伝えいただきたいのは、変化そのものより、比べたときの差です。いつから違うのか。体温はいくつで、ふだんは何度くらいか。食事や水分がどれくらい摂れているか。起きている時間が短くなっていないか。

「熱が何度あるか」だけでは、判断の材料として足りないことがあります。 ふだんの状態をご存じなのはご家族です。その比較が、私たちにとって最も役に立つ情報になります。

もうひとつ、伝えていただきたいのがご家族やまわりの方の体調です。同居されている方が数日前から咳をしている、お孫さんの学校で学級閉鎖があった。こうした情報があると、見立てが変わります。

連絡をためらわれる方がおられますが、早い段階でのご相談ほど、できることが多くなります。 様子を見るという判断も、状況を聞いたうえで一緒に決めさせてください。

「いつもと違う」を伝えるとき、役に立つこと

  • 1いつから違うのか日付と、できれば時間帯まで
  • 2体温と、ふだんの平熱ふだんが何度くらいかが分かると、同じ数字でも意味が変わります
  • 3食事と水分がどれくらい摂れているか
  • 4起きている時間や、日中の様子
  • 5ご家族やまわりの方の体調同居の方の咳、お孫さんの学校の学級閉鎖など

熱の数字だけでなく、ふだんとの差が大事です。

まとめ

東京都は2026年8月27日、都内でインフルエンザの流行が始まったと発表しました。第34週の定点当たり報告数は1.49で、昨シーズンより1か月以上早い立ち上がりです。足立保健所の管内も1.21と目安を超えています。学級閉鎖の報告は前シーズンの同時期を大きく上回り、検出されるウイルスの型も入れ替わっています。ただし現時点では注意報でも警報でもありません。

慌てる時期ではなく、備える時期です。 手洗い、換気、咳エチケットといった基本を、いつもより少し丁寧に。そして、かかったかもしれないときの連絡先を、いまのうちに確かめておいてください。

ご自宅で療養されている方は、体調の変化が現れにくいことがあります。「いつもと少し違う」と感じられたら、それだけで十分なご相談の理由になります。制度上難しいと思われることでも、まずはご相談ください。専門職として責任を持って、誠実に向き合わせていただきます。

よくある質問

Q. まだ9月ですが、本当に流行しているのですか。

A. 東京都は2026年8月27日に流行開始を発表しています。第34週(8月17日〜23日)の定点当たり報告数が1.49となり、流行開始の目安である1.0人を超えました。昨シーズンより1か月以上早い立ち上がりです。

Q. 足立区の状況はどうですか。

A. 足立保健所の管内は第34週で1.21でした。都内31か所の保健所のうち、目安の1.0人を超えたのは20か所で、足立もそのひとつです。

Q. 警報は出ているのですか。

A. 出ていません。注意報の基準は定点当たり10人、警報は30人で、いずれも現在の数値のはるか先にあります。いまは流行が始まった段階です。

Q. 去年インフルエンザにかかりました。今年は安心でしょうか。

A. そうとは言い切れません。2026年第31週までの検出状況では、前シーズンに中心だったAH1pdm09が3.6%まで下がり、A香港型が58.3%を占めています。型が入れ替わると、以前の感染による免疫が働きにくくなる可能性があります。

Q. 換気をしたいのですが、在宅酸素を使っています。

A. 換気は大切ですが、酸素をお使いの方や体温の調節が難しい方では、窓を開ける時間や場所に配慮が必要です。ご自宅の間取りや機器の位置によっても変わりますので、担当の看護師にご相談ください。

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