この記事の要点(30秒でわかる)
- 2026年の敬老の日は9月21日(月)。久しぶりに実家へ行く方も多い時期です
- 本人に「変わりない?」と聞いても、たいてい「大丈夫」と返ってきます
- 本人ではなく家の中を見ると、変化は冷蔵庫・薬・郵便物・床に出ます
- 気づいたことは、責めずに書き留めてケアマネジャーや主治医に渡します
2026年の敬老の日は9月21日(月)です。連休に合わせて実家へ帰る予定の方もいらっしゃると思います。
久しぶりに会うと、「少し痩せたかな」「前より動きがゆっくりかな」と感じることがあります。けれど本人に尋ねると、返ってくるのはたいてい「大丈夫」「変わりないよ」です。心配をかけたくない気持ちからで、嘘をついているわけではありません。
そこで見ていただきたいのが、ご本人ではなく家の中です。暮らしの変化は、本人の言葉より先に、冷蔵庫や薬や郵便物に出ます。
すえひろ訪問看護ステーションが訪問のたびに見ているのも、実はそこです。この記事では、私たちが実際に確認している場所を、ご家族が帰省したときにも使える形でお伝えします。
当コラムは、訪問看護に関する一般的な情報提供を目的としたものです。個別の症状・保険適用・制度のご判断についてお答えするものではありません。制度の運用は地域・保険者・個別のご状況により異なりますので、あらかじめご了承ください。
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65歳以上のいる世帯は、全世帯の半分近くになりました
まず前提として、この話は特別な家庭のことではありません。
65歳以上の方がいる世帯は令和5年現在で2,695万1千世帯、全世帯の49.5%にあたります。そのうち単独世帯が約3割、夫婦のみの世帯が約3割を占めています(出典:内閣府 令和7年版高齢社会白書)。
一人暮らしの割合も上がり続けています。65歳以上の人口に占める一人暮らしの割合は、令和2年で男性15.0%、女性22.1%です。昭和55年には男性4.3%、女性11.2%でしたから、40年で大きく変わりました。
つまり、日常的に様子を見る人が家にいない高齢の方が、それだけ増えているということです。年に数回帰る家族の目が、実質的な確認の機会になっています。
65歳以上のうち、一人暮らしの割合
日常的に様子を見る人が家にいない方が増えています
昭和55年
令和2年
令和32年(見込み)
出典:内閣府 令和7年版高齢社会白書
台所を見る|冷蔵庫は暮らしの記録です
いちばん多くのことが分かるのが冷蔵庫です。開けさせてもらうのが難しければ、飲み物を取り出すついでで構いません。
見るのは次の点です。同じものがいくつも入っていないか(買ったことを忘れている)、期限が大きく過ぎたものが奥にないか、作り置きが減っていないか、そして総菜や菓子パンばかりになっていないかです。
料理をしなくなるのは、食欲の低下だけが理由とは限りません。立っているのがつらい、鍋が重い、火が心配で使わなくなった——動作の問題が隠れていることがあります。
コンロの周りも見てください。鍋の底の焦げ跡が増えていたら、火をつけたまま離れた回数が増えているサインです。
薬を見る|残り方に手がかりがあります
薬は、置いてある場所と残り方の両方を見ます。
袋のまま何日分も溜まっていないか。 服薬カレンダーを使っているなら、曜日によって残り方が偏っていないか。 朝だけ残っている、週末だけ残っている、という偏りには理由があります。
複数の医療機関から薬が出ていて、同じ効き目のものが重なっていないかも確認しておきたい点です。お薬手帳が複数冊になっている場合は、1冊にまとめる相談を薬局にできます。
実家で見ておきたい6か所
ご本人に尋ねるより先に、家が教えてくれます
1冷蔵庫
- 同じものが何個も入っている
- 期限の切れたものが奥にある
- 作り置きが減り、総菜中心に
2コンロ周り
- 鍋の底の焦げ跡が増えた
- 火を使わなくなっていないか
3薬
- 袋のまま溜まっている
- 曜日や時間帯で残り方が偏る
- お薬手帳が複数冊ある
4郵便物
- 未開封が溜まっている
- 督促状が混じっている
5床と廊下
- 置きっぱなしの物が増えた
- 通り道をふさいでいる
6浴室と玄関
- 浴槽をまたげているか
- 手すりや滑り止めの有無
- よく履く靴が変わっていないか
郵便物と床|言葉より先に出る変化
未開封の郵便物が溜まっているのは、分かりやすい変化のひとつです。中身を確認する気力が落ちているか、細かい字が読みにくくなっているか、どちらかであることが多いです。督促状が混じっていれば、支払いの管理が難しくなっている可能性があります。
床の上の物が増えていないかも見てください。以前は片づけていた新聞や紙袋が置きっぱなしになっているのは、かがむ動作がつらくなっているサインのことがあります。そして床の物は、そのまま転倒の原因になります。
浴室では、浴槽をまたげているかが分かれ目です。またぎにくくなるとシャワーだけで済ませるようになり、やがて入浴の回数自体が減っていきます。手すりや滑り止めマットの有無もあわせて見ておくと、相談するときに具体的に話せます。
玄関も見どころです。靴の減り方や、よく履く靴が変わっていないか。 出かける頻度が落ちていると、外出用の靴だけ埃をかぶっていることがあります。
気づいたことは、責めずに書き留めます
見つけたことをその場で指摘すると、たいてい会話が止まります。「まだ大丈夫」「余計なお世話だ」という反応は、心配されていることが分かるからこそ出るものです。
その場では片づけを手伝う程度にとどめて、気づいたことはメモに残してください。 日付と、見たものをそのまま書きます。「元気がなかった」ではなく「冷蔵庫に同じ牛乳が3本あった」「玄関の靴が1足だけ使われていた」という書き方です。
このメモが、次に医療や介護につなぐときの材料になります。ケアマネジャーがついているなら渡してください。まだ介護保険を使っていないなら、お住まいの地域包括支援センターが相談先です。訪問看護が入っているなら、訪問時にお伝えいただければ、私たちが継続して見ていきます。
気づいたあと、どうするか
その場では指摘しない
片づけを手伝う程度にとどめます。指摘すると会話が止まってしまいます
収納の場所を大きく変えないこと。ご本人が分からなくなります
日付と「見たもの」を書き留める
「元気がなかった」ではなく「冷蔵庫に同じ牛乳が3本あった」と、解釈ではなく事実で書きます
渡す先を選ぶ
介護保険を使っている → ケアマネジャー
使っていない → お住まいの地域包括支援センター
訪問看護が入っている → 訪問時に伝える
まとめ
2026年の敬老の日は9月21日(月)です。久しぶりに実家へ行く機会があれば、ご本人に尋ねるより先に、家の中を見てみてください。
冷蔵庫、コンロ周り、薬、郵便物、床、浴室、玄関。暮らしの変化は、これらの場所に本人の言葉より早く現れます。65歳以上の方がいる世帯は全世帯の49.5%にのぼり、そのうち単独世帯と夫婦のみの世帯がそれぞれ約3割を占めます。日常的に見る人が家にいない以上、年に数回の家族の目が持つ意味は小さくありません。
気づいたことは、その場で指摘せず、事実のまま書き留めてください。それが相談の出発点になります。
すえひろ訪問看護ステーションは、制度上むずかしいと思われることでも、どうすればこの方が安心して暮らせるかを一緒に考えます。「これは相談していいことなのか」という段階でも、お気軽にお声かけください。専門職として責任を持って、誠実に向き合わせていただきます。
よくある質問
Q. 2026年の敬老の日はいつですか?
A. 9月21日(月)です。敬老の日は9月の第3月曜日と定められています。
Q. 本人が「大丈夫」と言うので、それ以上聞けません。
A. 無理に聞き出す必要はありません。ご本人ではなく家の中を見てください。冷蔵庫や薬の残り方には、本人の言葉より先に変化が出ます。
Q. 気づいたことを、どこに相談すればよいですか。
A. 介護保険を使っていればケアマネジャー、使っていなければお住まいの地域包括支援センターです。訪問看護が入っているなら、訪問時にお伝えください。ただし足立区のホウカツは、月曜から土曜の午前9時から午後5時までです。日曜・祝日はお休みですので、敬老の日の当日は電話がつながりません。ご連絡は翌日以降にお願いします(出典:足立区公式ページ)。
Q. 遠方に住んでいて、年に1〜2回しか帰れません。
A. 頻度が少ないほど、変化には気づきやすくなります。毎日会っている人ほど、少しずつの変化は見えにくいものです。
Q. 片づけを手伝ってもよいのでしょうか。
A. 床の物をどけるなど、転倒につながるところは手伝って構いません。ただし収納の場所を大きく変えると、ご本人が分からなくなることがあります。元の位置を保つのが基本です。
参考資料
- 内閣府「令和7年版高齢社会白書」 https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2025/html/zenbun/index.html
- 内閣府「高齢社会白書 家族と世帯」 https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2025/html/zenbun/s1_1_3.html
- 足立区「相談窓口」 https://www.city.adachi.tokyo.jp/senior/torikumi/sodan.html
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