この記事の要点(30秒でわかる)
- 2026年8月1日から施設とショートステイの食費・居住費が上がりました
- 上がったのは軽減を受けている低所得の方の負担限度額です
- 負担限度額認定証は毎年7月31日で切れます。更新を忘れないでください
- 所得の基準が広がったので、新たに対象になる方もいます
「ショートステイの請求書を見たら、前より高くなっていた」。8月から9月にかけて、こうしたお声を聞くことがあります。金額の変化に気づいても、なぜ上がったのかは請求書には書かれていません。
2026年8月1日から、介護保険施設とショートステイの食費・居住費の決まりが変わりました。ご自宅で過ごされている方でも、ショートステイをお使いであれば関係します。
すえひろ訪問看護ステーションは、在宅での暮らしを続けていくうえで、ショートステイは大切な支えだと考えています。介護されるご家族が休める時間があってこそ、在宅は続きます。費用の変化で使うのをためらってしまうのは、避けたいことです。
この記事では、何がいくら上がったのか、ご自身に関係があるかをどう確かめるのか、そして忘れやすい更新の手続きについて、厚生労働省の通知をもとに整理します。
当コラムは、訪問看護に関する一般的な情報提供を目的としたものです。個別の症状・保険適用・制度のご判断についてお答えするものではありません。制度の運用は地域・保険者・個別のご状況により異なりますので、あらかじめご了承ください。
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2026年8月1日から何が変わったのか
介護保険施設とショートステイの食費・居住費の負担限度額と基準費用額が引き上げられました。根拠は令和8年厚生労働省告示第88号などで、施行日は2026年8月1日です(出典:厚生労働省老健局介護保険計画課・老人保健課『介護保険最新情報 Vol.1506』令和8年5月29日)。
食費の目安となる金額(基準費用額)は、1日1,545円になりました。100円の引き上げです(出典:同)。
軽減を受けている方の負担額も上がりました。通知には「令和8年8月から、第3段階①・②に該当する方について、食費が30円〜60円(日額)、一部の方を除き居住費については100円(日額)引き上がります」と書かれています(出典:同)。
ここで大事なのは、上がったのは軽減を受けている方の限度額だという点です。軽減の対象でない方(第4段階)の食費・居住費は、もともと施設との契約で決まっており、この改定で直接変わるものではありません。
ショートステイの食費(1日あたりの負担限度額)
| 利用者負担段階 | 2026年7月まで | 2026年8月から | 差額 |
|---|---|---|---|
| 第1段階 | 300円 | 300円 | 変わらず |
| 第2段階 | 600円 | 600円 | 変わらず |
| 第3段階① | 1,000円 | 1,030円 | +30円 |
| 第3段階② | 1,300円 | 1,360円 | +60円 |
食費の基準費用額(目安となる金額)も、1日あたり100円引き上げられて1,545円になりました。
出典:厚生労働省老健局介護保険計画課・老人保健課「介護保険最新情報 Vol.1506」(令和8年5月29日)
在宅でも、ショートステイを使っていれば関係します
「施設に入っていないから関係ない」と思われるかもしれませんが、この見直しはショートステイにも適用されます。通知の対象には、介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院に加えて、ショートステイが明記されています(出典:同)。
注意していただきたいのは、ショートステイの負担限度額は、施設に入所した場合と金額が違うという点です。通知の表でも、施設入所の額とショートステイの額は分けて示されています。
たとえば食費の場合、第3段階①の方は入所なら1日680円ですが、ショートステイでは1日1,030円です。第3段階②の方は、入所1,420円に対しショートステイ1,360円となっています(出典:同)。
ご自宅で暮らしながらショートステイを使う方は、ショートステイ側の金額をご覧ください。 施設入所の額だけを見て「うちはこの金額のはず」と思うと、実際の請求と合いません。
同じ段階でも、金額が違います
食費の負担限度額(2026年8月から・1日あたり)
| 利用者負担段階 | 施設に入所した場合 | ショートステイ |
|---|---|---|
| 第1段階 | 300円 | 300円 |
| 第2段階 | 390円 | 600円 |
| 第3段階① | 680円 | 1,030円 |
| 第3段階② | 1,420円 | 1,360円 |
ご自宅で暮らしながらショートステイをお使いの方は、右の列をご覧ください。施設入所の金額と取り違えると、実際の請求と合いません。
出典:厚生労働省老健局介護保険計画課・老人保健課「介護保険最新情報 Vol.1506」(令和8年5月29日)
忘れやすいのは、8月の更新です
負担限度額認定証には有効期限があります。 足立区の案内では、有効期間は原則として申請日の属する月の初日から、毎年7月31日までとされています(出典:足立区「介護保険利用者の利用負担の軽減申請について」)。
つまり、8月に切り替わります。 更新の手続きをしないと、8月以降は軽減が受けられません。食費・居住費の全額が請求される形になります。
8月から9月にかけて「請求書が急に高くなった」というとき、原因が改定ではなく更新の手続き漏れであることもあります。金額が変わったと感じたら、まず認定証の有効期限をご確認ください。
申請に必要なものは、足立区の案内では次のとおりです。前年の世帯全員および配偶者の収入が分かるもの(源泉徴収票、年金振込通知書、確定申告書の写しなど)、ご本人および配偶者の預貯金額等が分かるもの(通帳の写しなど)、入所施設での利用者負担額が分かるもの(領収書、請求書、明細書の写し)です(出典:同)。
負担限度額認定の更新で、つまずきやすいところ
1有効期限は毎年7月31日
原則として、申請した月の初日から7月31日まで。8月に切り替わります。
2更新しないと全額の請求に
手続きを忘れると、8月から食費・居住費の軽減が受けられなくなります。
3申請に要るもの
- 前年の収入が分かるもの(源泉徴収票、年金振込通知書など)
- 預貯金額等が分かるもの(通帳の写しなど)
- 利用者負担額が分かるもの(領収書・請求書の写し)
4配偶者のぶんも必要
収入・預貯金は、ご本人だけでなく配偶者の方のものも確認されます。
申請先は、足立区の介護保険課です。ご不明な点は担当のケアマネジャーにもご相談ください。
新たに対象になる方がいます
今回の見直しでは、金額だけでなく対象になる所得の基準も広がりました。通知には、利用者負担段階に関する基準額について「(旧)80.9万円→(新)82.65万円」と記されています。令和7年度の年金額改定を踏まえたものです(出典:厚生労働省『介護保険最新情報 Vol.1506』)。
これは、年金収入金額と合計所得金額の合計がこの額以下なら第2段階という線引きです。基準が上がったぶん、去年は対象外だった方が、今年は対象になる可能性があります。
ただし、所得だけで決まるわけではありません。預貯金額の要件もあります。 第1段階は1,000万円(ご夫婦の場合2,000万円)以下、第2段階は650万円(1,650万円)以下、第3段階①は550万円(1,550万円)以下、第3段階②は500万円(1,500万円)以下です(出典:同)。
対象は原則として、世帯全員が市町村民税非課税の方です。去年申請して断られた方も、一度確認してみる価値があります。 判断は区が行いますので、ご自身で線引きせず窓口に尋ねてみてください。
なお、住民税が課税されている世帯でも、施設に入所して食費・居住費を負担した結果、在宅で生活されている配偶者の方が生計困難になる場合には、特例減額措置の対象になることがあります(出典:足立区「介護保険利用者の利用負担の軽減申請について」)。
軽減の対象になるか、この順番で確かめます
- 82.65万円以下 … 第2段階
- 82.65万円超〜120万円以下 … 第3段階①
- 120万円超 … 第3段階②
- 第1段階 1,000万円(ご夫婦2,000万円)以下
- 第2段階 650万円(1,650万円)以下
- 第3段階① 550万円(1,550万円)以下
- 第3段階② 500万円(1,500万円)以下
住民税が課税されている世帯でも、施設入所により在宅で暮らす配偶者の方が生計困難になる場合は、特例減額措置の対象になることがあります。ご自身で線引きせず、窓口でご相談ください。
出典:厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1506」(令和8年5月29日)/足立区「介護保険利用者の利用負担の軽減申請について」
施設の費用そのものも上がっています
軽減の話とは別に、施設の費用そのものが上がっているという状況があります。
民間の介護施設情報サイトの集計では、東京都の有料老人ホームの入居時費用の相場は920万円、月額費用の相場は31.7万円となっています(出典:LIFULL介護「東京都の老人ホーム・介護施設の費用相場」2026年8月31日時点の掲載データ・個室タイプ1,234件の中央値)。サービス付き高齢者向け住宅では、入居時費用30.1万円、月額22.4万円です(出典:同)。
これは国の統計ではなく、掲載されている施設のデータから中央値を出したものです。地域や施設によって幅がありますので、目安としてご覧ください。
こうした数字を見ると、「在宅と施設、どちらがよいのか」と考えたくなるかもしれません。ただ、費用だけで比べられるものではありません。 ご本人がどこで過ごしたいか、介護されるご家族がどこまで続けられるか、医療的な支えがどれだけ必要か。判断の材料はいくつもあります。
すえひろは在宅を支える立場ですが、在宅がすべての方に合うとは考えていません。 迷っておられるなら、まずは今の負担がどうなっているかを整理するところからで構いません。一緒に考えさせてください。
東京都の高齢者向け住まいの費用相場
| 種類 | 入居時費用の相場 | 月額費用の相場 | 集計件数 |
|---|---|---|---|
| 有料老人ホーム | 920万円 | 31.7万円 | 1,234件 |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 30.1万円 | 22.4万円 | 404件 |
これは国の統計ではなく、掲載されている施設の料金プランから中央値を出したものです。地域や施設によって幅がありますので、目安としてご覧ください。
出典:LIFULL介護「東京都の老人ホーム・介護施設の費用相場」2026年8月31日時点の掲載データ・個室タイプの料金プランの中央値
まとめ
2026年8月1日から、介護保険施設とショートステイの食費・居住費が引き上げられました。食費の基準費用額は1日1,545円になり、軽減を受けている第3段階①・②の方は食費が30円〜60円、居住費が100円上がっています。ショートステイの限度額は施設入所と金額が違うので、在宅の方はショートステイ側をご確認ください。負担限度額認定証は毎年7月31日で切れますので、更新をお忘れなく。所得の基準が82.65万円に広がったため、新たに対象になる方もいます。
費用が上がると、ショートステイを使うこと自体をためらってしまう方がおられます。ですが、介護されるご家族が休める時間は、在宅を続けるために必要なものです。 減らす前に、使える軽減が残っていないかを確かめていただきたいと思います。
金額の見方が分からない、どこに聞けばよいか分からないという段階でも構いません。制度上難しいと思われることでも、まずはご相談ください。専門職として責任を持って、誠実に向き合わせていただきます。
よくある質問
Q. 8月からショートステイの請求が高くなりました。全員が上がったのですか。
A. 上がったのは、軽減(補足給付)を受けている第3段階①・②の方の限度額と、目安となる基準費用額です。軽減の対象でない方の食費・居住費は施設との契約で決まっており、この改定で直接変わるものではありません。
Q. 食費はいくら上がったのですか。
A. ショートステイの食費の負担限度額は、第3段階①の方が1日1,000円から1,030円へ、第3段階②の方が1日1,300円から1,360円へ引き上げられました。第1段階・第2段階の方は変わっていません。
Q. 負担限度額認定証はいつ更新するのですか。
A. 有効期間は原則として毎年7月31日までです。8月に切り替わりますので、それまでに更新の申請が必要です。手続きを忘れると、8月から食費・居住費が全額の請求になります。
Q. 去年は対象外と言われました。今年も同じでしょうか。
A. 同じとはかぎりません。所得の基準額が80.9万円から82.65万円に見直されたため、新たに対象になる方がいます。預貯金額の要件もありますので、ご自身で判断せず足立区の介護保険課にご確認ください。
Q. 住民税が課税されている世帯は、何も使えないのでしょうか。
A. 負担限度額認定の対象にはなりませんが、施設に入所して食費・居住費を負担した結果、在宅で生活される配偶者の方が生計困難になる場合には、特例減額措置として軽減を受けられることがあります。区の窓口でご相談ください。
訪問看護のことなら、
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「制度上難しいかも」と思われることでも、まずはご相談ください。
専門職として責任を持って、誠実に向き合わせていただきます。
※ お電話でのご相談:03-5888-6375(年中無休 8:30〜17:30)
