お問合せ ブログ 採用情報 Instagram

Blog

摂食嚥下障害と訪問看護|誤嚥性肺炎を防ぐ口腔ケア・食形態の工夫・リハビリ支援

「食事のたびにむせるようになった」「食べることが怖くなってきた」「退院してから体重がどんどん落ちている」——脳卒中後やパーキンソン病、認知症が進んだ方とご家族から、こうした声をよくお聞きします。食べることは生きることの喜びです。食べる力が衰えても、適切なケアとリハビリ支援で「安全においしく食べ続ける」ことを目指せます。この記事では、摂食嚥下障害に訪問看護師がどのように関わるのか、誤嚥性肺炎の予防から日常の口腔ケア・食形態の工夫まで、具体的にご説明します。

摂食嚥下障害と誤嚥性肺炎の関係

摂食嚥下障害とは、食べ物や飲み物をうまく飲み込めない状態のことです。高齢者の肺炎の7割以上が誤嚥性肺炎であり、肺炎患者の約7割は75歳以上の高齢者とされています(出典:国立長寿医療研究センター)。脳卒中後の嚥下障害は誤嚥性肺炎の主要な原因となります。

療養病床の入院患者や特別養護老人ホームの入所者の4割以上が摂食嚥下障害を抱えているとされており(出典:国立長寿医療研究センター)、在宅療養においても同様の課題を抱えるご利用者様は少なくありません。「誤嚥は防げる」——訪問看護師が日常の中で継続的に関わることで、誤嚥性肺炎のリスクを大きく下げることが期待できます。

訪問看護師が行う摂食嚥下のアセスメント

訪問看護師は、食事場面を実際に観察しながら嚥下機能を評価します。食事中にむせる頻度・食後の声の変化(ガラガラ声)・食事時間の延長・食べ残しのパターンを継続的に確認し、「嚥下機能が変化していないか」を見守ります。

飲み込む力だけでなく、食事の姿勢・覚醒状態・食具の使い方・ご家族の介助方法も観察対象です。「少し前まで食べられていたものが食べにくくなった」という変化を早期に捉え、言語聴覚士(ST)や主治医への相談につなげます。

口腔ケア:誤嚥性肺炎を防ぐ日々のケア

口腔内の細菌が唾液とともに肺に入ることが誤嚥性肺炎の主な原因のひとつです。口の中を清潔に保つことで、誤嚥が起きても肺炎につながりにくくなります。訪問看護師が行う口腔ケアは、歯・歯茎・舌・頬の粘膜の清掃と保湿です。

「口が乾いている」「入れ歯が合っていない」「口の中に食べ物が残りやすい」といった問題も、訪問看護師が観察し、歯科訪問診療や訪問歯科衛生士との連携を提案します。ご家族への口腔ケアの方法の指導も大切な役割です。

摂食嚥下障害の在宅ケア4ポイント
1
口腔ケア
歯・舌・粘膜を清潔に保ち細菌を減らす。食後の口腔清掃で誤嚥性肺炎リスクを下げる
2
食形態の工夫
嚥下機能に合わせてとろみ・軟食・ゼリー状に調整。「食べる楽しみ」を大切にしながら安全を守る
3
正しい食事姿勢
体を90度に起こし顎を軽く引く。ベッド上では30〜60度のリクライニングが基本
4
嚥下体操
食前に頬・舌・首のストレッチ。飲み込みに関わる筋肉をウォームアップして誤嚥を予防する

訪問看護師が毎回の訪問で状態を確認しながらサポートします

食形態の工夫と嚥下食

嚥下機能に合わせた食形態の選択は、安全に食べ続けるための基本です。食形態は「日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類(学会分類2021)」に基づいて整理されており、普通食からとろみ食・ゼリー状まで段階があります。

訪問看護師は食形態の変更が必要かどうかを観察し、管理栄養士や言語聴覚士と連携して適切な食形態を検討します。「市販のとろみ剤の使い方が分からない」「軟食にするとカロリーが足りなくなる」といった日常的な悩みにも具体的にお答えします。「食べる楽しみを奪わない」ことを大切に、食形態の変更の理由と利点をご本人・ご家族に丁寧に説明します。

嚥下体操・リハビリ支援

嚥下体操とは、飲み込む力を維持・向上させるための口腔・咽頭の体操です。頬の膨らませ・舌の体操・首のストレッチなどを食前に行うことで、嚥下に関わる筋肉のウォームアップになります。訪問看護師は嚥下体操のやり方をお伝えし、毎日の習慣になるよう声かけを続けます。

言語聴覚士(ST)が関わっている場合は、リハビリの内容と連動しながらケアを行います。STがいない場合も、訪問看護師が日常の中でできる範囲の嚥下訓練のサポートを担います。

まとめ

摂食嚥下障害への対応は、口腔ケア・食形態の調整・正しい姿勢・嚥下体操の継続という日常的なケアの積み重ねです。訪問看護師は毎回の訪問でこれらを観察・支援し、誤嚥性肺炎を防ぎながら「食べる喜び」を守るお手伝いをします。「最近食べるのが怖い」「むせが増えてきた」と感じたときは、すえひろ訪問看護ステーションにご相談ください。専門職として責任を持って、誠実に向き合わせていただきます。

よくあるご質問(FAQ)

Q. むせが多くなってきましたが、受診が必要ですか?

A. まず訪問看護師にご相談ください。むせの頻度・タイミング・声の変化などを観察した上で、必要に応じて主治医や言語聴覚士への相談を提案します。

Q. 誤嚥を防ぐ食事の姿勢はありますか?

A. 基本は体を90度に起こし、顎を軽く引いた姿勢です。ベッドでの食事は角度が重要で、可能な限り座位に近い姿勢を取ることが誤嚥リスクを下げます。訪問看護師が姿勢の調整を一緒に確認します。

Q. とろみの濃さはどう判断すればいいですか?

A. 嚥下機能の状態によって異なります。訪問看護師や言語聴覚士が状態を評価した上で、適切なとろみの濃さをお伝えします。市販のとろみ剤の使い方も一緒に確認します。

Q. 食事量が減ってきました。体重が落ちていて心配です。

A. 摂食量の低下は栄養状態の悪化につながります。食形態の変更・栄養補助食品の活用・必要に応じた栄養士への相談など、複合的なアプローチを一緒に考えます。

Q. 口腔ケアは自分でできますが、不十分な気がします。

A. 訪問看護師がケアの内容を確認し、必要に応じてより効果的な方法をお伝えします。歯科訪問診療の導入も一緒に検討できます。

訪問看護のご相談は、すえひろへ

「制度上難しいかも」と思われることでも、まずはご相談ください。
専門職として責任を持って、誠実に向き合わせていただきます。

📞 お電話でのご相談:03-5888-6375(平日 9:00〜17:00)

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

最近の記事
役立つコラム
  1. 摂食嚥下障害と訪問看護|誤嚥性肺炎を防ぐ口腔ケア・食形態の工夫・リハビリ支援

  2. 「病院リハビリの未来が不安」なPTへ|2026年以降の医療・介護再編と訪問リハビリという選択肢

  3. 心不全の在宅療養と訪問看護|再増悪を防ぐ体重管理・症状観察・セルフケア支援

  1. 摂食嚥下障害と訪問看護|誤嚥性肺炎を防ぐ口腔ケア・食形態の工夫・リハビリ支援

  2. 「病院リハビリの未来が不安」なPTへ|2026年以降の医療・介護再編と訪問リハビリという選択肢

  3. 心不全の在宅療養と訪問看護|再増悪を防ぐ体重管理・症状観察・セルフケア支援

ページ上部へ戻る
03-5888-6375