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車いす・歩行器で荒川土手まで行けるの?足立区のバリアフリー歩道整備マップ・荒川河川敷の現状と訪問看護師が教える「実際に使える安全外出ルート」の実態

「荒川の土手を、また一緒に歩きたい」——そう思いながらも、車いすや歩行器で本当に行けるのかわからずに諦めているご家族は、足立区内に少なくありません。道路に段差があるかもしれない、土手へのスロープがないかもしれない、転んだらどうしようという不安が積み重なり、外出そのものを遠ざけてしまう。その気持ちは、よく理解できます。

行政が公開しているバリアフリーマップは「整備済みかどうか」を示すものであり、「実際に車いすで通れるか」「傾斜はきつくないか」という生活者目線の情報はほとんど載っていません。すえひろ訪問看護ステーションの看護師は、日々の同行支援の中でそうした「使える道・使いにくい道」を肌で知っています。

この記事では、足立区のバリアフリー整備の現状データと、訪問看護師が現場で培ってきたリアルな道路情報をあわせてお伝えします。外出再開への第一歩を、一緒に考えさせてください。

「外に出るのが怖くなった」——在宅療養者が感じる”外出あきらめ”の連鎖とその影響

在宅療養をされている利用者様のなかには、退院直後や体調の変化を機に、「外出は危ない」という意識が根づいてしまうことがあります。一度転倒を経験したり、道路の段差で車いすが引っかかったりすると、「また同じことが起きたら」という恐怖から、外出自体を諦めてしまうのです。

外出をやめると、心身への影響は思ったより早く現れます。 体を動かす機会が減ると筋力・体力が低下し、それがさらに外出への自信を失わせる——この悪循環が、在宅療養者を孤立させていきます。ご家族も「連れ出したいけれど、もし何かあったら」と足が止まってしまい、結果として利用者様もご家族も、閉じた日常に慣れていきます。

足立区の高齢化率は令和7年4月時点で24.03%と、23区の中でも高い水準にあり(出典:足立区公式サイト「足立区の年齢別人口(令和7年4月)」)、独居高齢者も多く暮らしています。外出の機会を維持することは、健康寿命を延ばすうえで特に重要な課題です。「行けないのかな」と諦める前に、まず現状を正確に知ることが大切です。

在宅療養者が陥りやすい「外出あきらめ」の悪循環
外出機会の減少 段差・転倒への不安、体調への不安から外に出なくなる
身体機能の低下(廃用症候群) 筋力・バランス感覚・体力が低下し、歩行が不安定になる
意欲・食欲の低下 人との交流が減り、うつ状態や食欲不振が現れやすくなる
さらなる外出回避 「もう無理かも」という諦めが定着し、閉じた日常が固定化される
訪問看護師が同行することで、この悪循環を早い段階で断ち切ることができます。週1回の外出が、心身の回復を支える大きな一歩になります。

外出機会の減少が招く廃用症候群・うつリスクを訪問看護師はどう見るか

外出頻度が下がると、まず筋力・体力・バランス感覚が低下します。これが廃用症候群(はいようしょうこうぐん)と呼ばれる状態で、過度な安静や活動量の低下によって全身の機能が衰えていく障害の総称です。高齢者はもともと筋肉量が少なく、少しの不活動でも急速に機能が落ちやすいことが知られています。

廃用症候群は、身体だけでなく心にも影響します。 国立長寿医療研究センターは、高齢期のうつが要介護状態への移行リスクを高め、認知症の原因の一因にもなるとしています(出典:国立長寿医療研究センター 高齢者「うつ」の原因は?)。外出しなくなることで人との会話が減り、生きがいや楽しみが失われ、うつ状態へと進みやすくなります。

訪問看護師の視点では、外出機会の喪失は「できないこと」が増える出発点です。逆に言えば、週に一度でも屋外に出る機会をつくることが、身体機能と心の両方を守る最も有効な手段のひとつです。医師の指示があれば、訪問看護師が同行しながら屋外歩行訓練を行えます。「リハビリは室内だけ」ではなく、実際の道路や公園での歩行こそが、生活の質を支える練習になります。

また、外出頻度の低下は食事摂取量の減少とも関連することが研究で示されています(出典:日本老年医学会誌 第56巻 第2号)。食欲が落ち、栄養状態が悪化し、さらに体力が落ちるという連鎖を防ぐためにも、外の空気を吸う機会は大切にしてほしいと思います。

外出頻度と健康リスクの関係(イメージ)
廃用症候群リスク
うつ・意欲低下リスク
ほぼ外出しない(週0回)
廃用症候群
高リスク
うつリスク
高リスク
週1〜2回の外出
廃用症候群
中リスク
うつリスク
中リスク
週3回以上の外出
廃用症候群
うつリスク
※このグラフは研究知見に基づくリスク傾向のイメージ図です。個人の状態によって異なります。
参考:国立長寿医療研究センター、日本老年医学会誌 第56巻 第2号(外出頻度と食事摂取量・抑うつの関連)

足立区のバリアフリー整備データを読む——歩道幅員・段差解消・荒川河川敷整備の現状

足立区は「足立区バリアフリー推進計画」に基づき、区内10の重点整備地区を選定してバリアフリー化を進めています。選定された地区は、北千住駅、綾瀬駅、竹ノ塚駅、六町駅、西新井駅、梅島駅、区役所周辺、江北、総合スポーツセンター周辺、花畑の10地域です(出典:足立区公式サイト「足立区バリアフリー推進計画」)。

令和7年5月現在、このうち6地区でバリアフリー地区別計画が策定済みです。 区役所周辺地区では令和5年10月〜令和6年1月にかけて歩道の改良工事が完了し、レンガ舗装からアスファルト舗装へ切り替えることで段差を解消しました。横断歩道へのスロープもユニバーサルデザインに配慮したブロックが設置されています(出典:足立区公式サイト「区役所周辺道路の改良工事が完了しました」)。

一方で、整備の進捗にはエリアによって差があります。北千住駅周辺は歩道幅員の改善が進んでいますが、梅田・関原などの路地エリアは歩道がない区間が多く残っています(※要確認)。整備マップに「済み」と表示されていても、実際の通行のしやすさは現地の状況によって異なります。

荒川河川敷(足立区側)については、扇大橋〜西新井橋間に多目的グラウンドや散策路が整備されていますが、土手上(堤防天端道路)へのスロープ設置状況や路面の詳細は、荒川下流河川事務所・足立区建設局で最新情報を確認することをおすすめします(※要確認)。天端道路は年度ごとに整備状況が変わる場合があるためです。

足立区バリアフリー推進計画|重点整備10地区の策定状況
地区名 地区別計画 備考
北千住駅周辺 策定予定 歩道幅員改善が進行中
綾瀬駅周辺(綾瀬・北綾瀬) 策定済み 令和6年3月策定
竹ノ塚駅周辺 策定予定 重点整備地区に指定
六町駅周辺 策定済み 策定済み
西新井駅周辺 策定予定 重点整備地区に指定
梅島駅周辺 策定予定 重点整備地区に指定
区役所周辺 策定済み 令和5年度に歩道改良工事完了
江北周辺 策定済み 策定済み
総合スポーツセンター周辺 策定済み 策定済み
花畑周辺 策定済み 令和4年3月策定
出典:足立区公式サイト「足立区バリアフリー推進計画(重点整備地区選定の考え方)」「足立区バリアフリー地区別計画」各編(令和7年5月時点)

すえひろの看護師が同行支援で実際に選んでいるルート——千住・扇エリアの「使いやすい道」

行政のバリアフリーマップは「整備済み区間」を示しますが、「実際に車いすで快適に通れるか」は別の話です。すえひろ訪問看護ステーションの看護師は、千住・扇エリアを中心に同行支援を重ねてきた経験から、生活者目線での道路評価を蓄積しています。

千住エリアの大通り沿いは、比較的通行しやすいルートです。 歩道幅員が確保されており、縁石の段差も低く処理されている区間が多いため、車いすや歩行器での移動に適しています。ただし、商店街の路地に入ると路面が古く、歩道と車道の境界が不明確な区間も残っています。

扇エリアから荒川方面へ向かう場合、土手への取り付け部(スロープ)の位置と状態の事前確認が欠かせません。スロープがあっても傾斜が急な箇所では、車いす単独での昇降は困難です。また、天端道路(土手上の道)は路面が未舗装の区間もあり、雨後は特に注意が必要です(※要確認)。

訪問看護師が同行することで、事前に道路状況を確認し、安全なルートを計画的に選べます。 「行けたらいいな」という願いを「安全に行けた」に変えるために、まず看護師との相談から始めてみてください。利用者様のご状態や歩行器・車いすの種類によって、最適なルートは変わります。制度上難しいと思われることでも、まずはご相談ください。

外出を再開するための準備チェックリストと足立区の外出支援サービス一覧

外出を安全に再開するには、思い立ったらすぐ出発するのではなく、事前の準備と適切なサービスの活用が重要です。訪問看護師が同行支援の前に確認しているポイントを、準備チェックリストとしてまとめました。

外出前に確認したい5つのポイントとして、まず体調の安定を確認します。血圧・体温・脈拍が安定していること、前日に十分な睡眠がとれていることが前提です。次に、車いすや歩行器の状態確認です。タイヤの空気圧、ブレーキの効き、フレームのゆるみがないかを出発前にチェックします。三つ目は服装と靴の確認です。滑り止め付きの靴底、動きやすい服装で転倒リスクを下げます。四つ目は経路の事前確認で、段差・傾斜・工事箇所がないかを確認し、休める場所(ベンチ・コンビニなど)を把握しておきます。五つ目は緊急時の連絡手段として、スマートフォンまたは緊急通報端末を携帯し、かかりつけ医・訪問看護ステーションの連絡先を手元に置いておくことが重要です。

足立区には、外出を支える制度・サービスが複数あります。移動支援事業は、身体障害者手帳・愛の手帳・精神保健福祉手帳の所持者や難病患者を対象に、社会参加のための外出を支援します(出典:足立区公式サイト「移動支援事業」)。福祉タクシー・自動車燃料助成券は、外出困難な心身障がい者に対し年1回交付されます。足タク(デマンドタクシー)は、入谷・鹿浜地区において令和7年4月より本格運行が始まり、自宅から指定乗降場所まで通常タクシーより安価に利用できます(出典:足立区公式サイト「足タク」)。

訪問看護師によるリハビリ外出支援については、医師の訪問看護指示書があれば、屋外での歩行訓練・同行支援を保険適用で利用できます。「訪問看護=室内のケアだけ」と思い込んでいるケースも多いですが、外出支援は訪問看護師の大切な役割のひとつです。専門職として責任を持って、誠実に向き合わせていただきます。

まとめ

荒川の土手へ行けるかどうかは、「整備済みかどうか」だけでは答えが出ません。道路の傾斜・路面の状態・スロープの有無・その日の体調——そうした細かな要素の組み合わせが「今日の安全な外出」を決めます。足立区のバリアフリー整備は重点整備地区を中心に着実に進んでいますが、エリアによって整備状況には差があり、行政マップだけでは判断しきれない部分も残ります。

すえひろ訪問看護ステーションは、「諦めない在宅療養」を支えたいと考えています。外出を安全に、楽しく再開するために、訪問看護師がルートの選定から体調管理まで一緒に考えます。「できそうかな」と思い始めたそのタイミングで、ぜひ一度ご相談ください。

「また外に出たい」というその気持ちは、回復への大切なサインです。一緒に、その一歩を踏み出しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. 車いすで荒川の土手まで行けますか?

荒川土手(足立区側)へのアクセスは、スロープがある乗り入れ箇所から可能です。ただし、スロープの位置や路面の状態はエリアによって異なり、土手上の一部区間は舗装が不十分なことがあります。訪問看護師が事前に状況を確認したうえで同行する方法が最も安全です。

Q2. 訪問看護師に外出の同行をお願いできますか?

はい、医師の訪問看護指示書があれば、屋外での歩行訓練・同行支援を保険適用で利用できます。「外出のリハビリ」として計画的に取り組むことで、身体機能の維持・改善が期待できます。まずはかかりつけ医またはすえひろ訪問看護ステーションへご相談ください。

Q3. 足立区にはどんな外出支援サービスがありますか?

障がいをお持ちの方には移動支援事業・同行援護・福祉タクシー助成券などがあります。入谷・鹿浜地区では令和7年4月より「足タク」(デマンドタクシー)が本格運行中です。ご状況によって利用できるサービスが異なりますので、地域包括支援センターやすえひろへご相談ください。

Q4. 歩行器使用者はどんな道が危険ですか?

歩道の段差(2cm以上)・傾斜が急な坂道・砂利や未舗装路面・雨で濡れた石畳などが特に危険です。歩行器のフレームが振動しやすい路面では疲労も増します。訪問看護師は利用者様の歩行器の種類と体力に合わせて、安全なルートを選んでいます。

Q5. バリアフリーマップで「整備済み」と書いてあれば安全ですか?

「整備済み」は段差解消や歩道幅員の改善が行われたことを示しますが、すべての利用者様に適しているとは限りません。傾斜・路面の素材・混雑状況など、マップには載らない要素があります。訪問看護師が実際に道を歩いて確認し、利用者様の状態に合わせてご案内します。

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