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放課後等デイサービスと訪問看護は併用できる?役割の違いと組み合わせ方

この記事の要点(30秒でわかる)

  • 放課後等デイサービスと訪問看護は制度が別のため、併用できます
  • 放デイは「通って受ける発達支援」、訪問看護は「自宅で受ける看護ケア」です
  • 費用はそれぞれに負担上限や医療費助成があり、組み合わせやすい仕組みです
  • 窓口が異なるため、相談支援専門員と訪問看護師の連携が成功の鍵になります

「放課後等デイサービスに通っているけれど、医療的なケアや体調管理はどうすればいいの?」「訪問看護も使いたいけれど、併用できるのかわからない」。障害や病気のあるお子さんを育てるご家族から、こうしたご相談をいただくことが増えています。

結論からお伝えすると、放課後等デイサービスと訪問看護は併用できます。2つのサービスは根拠となる制度が異なり、役割も違うため、お互いを補い合う関係にあるのです。

すえひろ訪問看護ステーションには子ども支援の専任チームがあり、放課後等デイサービスや主治医と連携しながら、お子さんとご家族を支えています。制度上難しいと思われることでも、まずはご相談ください。

この記事では、2つのサービスの役割の違い、併用の制度的なしくみと費用、組み合わせの実例、利用開始までの流れをわかりやすく解説します。

放課後等デイサービスと訪問看護、役割はどう違う?

放課後等デイサービスは児童福祉法に基づく「通所型の発達支援」、訪問看護は主に医療保険に基づく「在宅での看護ケア」です。前者は集団や活動の場で生活能力を育て、後者は自宅で健康管理や医療的ケア、心のサポートを行います。どちらかを選ぶものではなく、目的が異なる別のサービスです。

放課後等デイサービス(放デイ)とは

放課後等デイサービスは、学校に就学している障害のあるお子さんが、授業の終了後や夏休みなどの休業日に通う福祉サービスです。生活能力を高めるための支援や、社会との交流の促進などを行います。

2012年(平成24年)4月の児童福祉法改正で創設されました。現在は事業所数約2万か所・利用するお子さんは約30万人にのぼり、障害のあるお子さんの放課後の大切な受け皿になっています(出典:こども家庭庁 障害児支援行政の動向について 令和6年)。

対象は原則として小学生から高校生までの就学しているお子さんです。利用には市区町村が発行する「通所受給者証(つうしょじゅきゅうしゃしょう)」が必要になります。

子どもの訪問看護とは

訪問看護は、看護師がご自宅に伺い、主治医の「訪問看護指示書」に基づいてケアを行うサービスです。お子さんの場合は介護保険の対象ではないため、原則として医療保険を使って利用します(出典:厚生労働省 訪問看護制度の概要)。

内容は、体調の観察や医療的ケアだけではありません。生活リズムの調整、不安への対処のサポート、保護者の方への関わり方のアドバイスなど、お子さんとご家族の暮らし全体を支えます。

つまり放デイが「日中の活動と発達の場」を担うのに対し、訪問看護は「家庭での健康と安心の土台」を担います。この違いを押さえると、併用の意味が見えてきます。

放課後等デイサービスと訪問看護の違い

項目放課後等デイサービス訪問看護
根拠制度児童福祉法
(障害児通所支援)
医療保険
(子どもは原則医療保険)
場所事業所に通所自宅に訪問
主な担い手児童指導員・保育士など看護師など
主な内容発達支援・生活能力の向上・社会との交流健康管理・医療的ケア・心のケア・ご家族の支援
必要なもの通所受給者証
(市区町村に申請)
主治医の訪問看護指示書

※制度が異なるため、2つのサービスは併用できます。

併用はできる?制度のしくみと費用

放課後等デイサービスと訪問看護は、制度上併用できます。放デイは児童福祉法に基づく障害児通所支援、訪問看護は医療保険のサービスで、給付のしくみがまったく別だからです。一方を使うともう一方が制限される、という関係にはありません。

時間帯が重ならなければ、同じ日に利用することも可能です。たとえば放課後はデイサービスで過ごし、帰宅後の夕方に訪問看護が体調を確認する、といった組み合わせができます。

それぞれの費用と負担を抑えるしくみ

放課後等デイサービスの利用者負担は原則1割で、世帯の所得に応じた負担上限月額が決められています。住民税非課税世帯などは0円、住民税課税世帯(収入がおおむね920万円以下)は月4,600円、それを超える世帯は月37,200円が上限です(出典:厚生労働省 障害児の利用者負担)。

訪問看護は医療保険の自己負担(小学生以上は3割など)がかかりますが、自治体の子ども医療費助成の対象となる場合が多くあります。足立区では所得制限なく、0歳から高校生相当年齢まで保険診療の自己負担分が助成されます(出典:足立区 子ども医療費助成制度)。

このように、どちらの制度にも負担を抑えるしくみがあります。「併用すると費用が2倍で大変そう」と感じている方も、実際の負担額を確認すると利用しやすいことが少なくありません。

併用したときの費用のしくみ

放課後等デイサービス
原則1割負担+所得に応じた上限月額 負担上限月額
・住民税非課税世帯など:0円
・課税世帯(収入おおむね920万円以下):月4,600円
・上記以上の世帯:月37,200円
訪問看護
医療保険の自己負担(小学生以上は3割など) 子ども医療費助成
保険診療の自己負担分は自治体の助成対象になる場合が多くあります。
足立区は高校生相当年齢まで・所得制限なしで助成。

出典:厚生労働省「障害児の利用者負担」、足立区「子ども医療費助成制度」

併用が力を発揮する組み合わせの実例

併用がとくに効果を発揮するのは、「日中の活動の場」と「家庭での医療的・心理的サポート」の両方が必要なお子さんです。医療的ケアのあるお子さん、不安が強いお子さん、生活リズムが乱れがちなお子さんなどで、2つのサービスが互いの届かない部分を補い合います。

実例1:医療的ケアのあるお子さん

たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要なお子さんは、全国に約2万人いると推計されています(出典:厚生労働省 医療的ケア児等とその家族に対する支援施策)。2021年9月には医療的ケア児支援法が施行され、社会全体で支える体制づくりが進んでいます。

このようなお子さんでは、日中は看護職員のいる放デイで活動し、自宅では訪問看護が体調管理やケア手技のサポートを行う組み合わせが有効です。ご家族が一人で医療的ケアを抱え込まずにすむ体制をつくれます。

実例2:発達障害があり、不安や生活リズムの乱れがあるお子さん

発達障害のあるお子さんでは、放デイで友だちとの関わりや活動の練習をしながら、訪問看護が自宅で不安への対処や生活リズムの調整を支える形が考えられます。ご家庭という安心できる場所だからこそ話せる気持ちもあります。

訪問看護が発達障害のお子さんにできることは、別の記事「発達障害のあるお子さんに訪問看護ができること」(https://suehiro-sakura.com/?p=3316)で詳しく解説しています。

実例3:学校に行きづらいお子さん

不登校や行きしぶりのあるお子さんでは、放デイが「家庭と学校以外の居場所」となり、訪問看護が自宅での心身のケアと保護者の方の相談相手を担う組み合わせがあります。外に出るエネルギーがまだ十分でない時期は、訪問という形が橋渡しになります。

詳しくは「不登校のお子さんに訪問看護という選択肢」(https://suehiro-sakura.com/?p=3313)をご覧ください。

すえひろ訪問看護ステーションの子ども支援チームも、放課後等デイサービスや主治医との多職種連携を大切にしています。昨日より今日、少しだけ笑顔が増えた。そんな小さな変化を積み重ねる支援を心がけています。

併用を検討したい6つのサイン

1医療的ケアがあり、ご家族だけで担うのが不安
2放デイに通っているが、体調の波が大きい
3不安が強く、家庭での過ごし方に困っている
4生活リズムの乱れが続いている
5保護者の方が関わり方に迷い、相談相手がほしい
6学校に行きづらく、居場所と心のケアの両方が必要

1つでも当てはまる場合は、組み合わせ方も含めてご相談ください。

利用までの流れと相談支援専門員との連携

併用を始める入口は2つあります。放課後等デイサービスは市区町村の窓口への申請から、訪問看護は主治医への相談からスタートします。窓口が異なるため、相談支援専門員(そうだんしえんせんもんいん)を中心とした連携が、スムーズな併用のポイントになります。

放デイの利用では、市区町村に申請し、相談支援専門員が「障害児支援利用計画」を作成したうえで、通所受給者証の交付を受けます(出典:児童福祉法に基づく障害児通所支援のしくみ)。相談支援専門員は、大人の介護保険でいうケアマネジャーにあたる、子どもの支援全体の調整役です。

訪問看護は、主治医が必要と認めて「訪問看護指示書」を交付すれば利用を開始できます。受給者証の支給量とは別枠のため、放デイの利用日数に影響しません。

併用がうまくいくご家庭では、相談支援専門員・放デイ・訪問看護・主治医が情報を共有し、支援の方向性をそろえています。すえひろでも、担当者会議への参加や日々の情報共有を通じて、お子さんを取り巻くチームの一員として動きます。どこに最初に相談すればよいか迷うときは、訪問看護ステーションに声をかけていただいても大丈夫です。

併用開始までの5ステップ

STEP 1市区町村の窓口・主治医に相談する
STEP 2相談支援専門員が障害児支援利用計画を作成する
STEP 3通所受給者証の交付を受け、放デイと契約する
STEP 4主治医の訪問看護指示書で訪問看護を開始する
STEP 5担当者間で情報共有しながら併用スタート

まとめ:2つのサービスは「選ぶ」ではなく「組み合わせる」

放課後等デイサービスと訪問看護は、制度が異なるため併用できます。放デイは通所での発達支援と居場所を、訪問看護は自宅での健康管理と心のケア、ご家族へのサポートを担います。費用面でも負担上限や子ども医療費助成があり、組み合わせやすいしくみです。

すえひろ訪問看護ステーションの子ども支援チームは、放課後等デイサービスや主治医、相談支援専門員と連携しながら、お子さんの小さな変化を積み重ねる支援を大切にしています。専門職として責任を持って、誠実に向き合わせていただきます。

「うちの子の場合はどう組み合わせればいいの?」と迷われたら、サービスの組み合わせ方も含めて、まずはご相談ください。一緒に考えさせてください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 放課後等デイサービスと訪問看護は同じ日に利用できますか?

時間帯が重ならなければ、同じ日に利用できます。たとえば放課後はデイサービスで過ごし、帰宅後に自宅で訪問看護を受ける形が可能です。具体的なスケジュールは、相談支援専門員や訪問看護ステーションと調整しましょう。

Q2. 訪問看護を使うと、放デイの利用日数は減りますか?

減りません。放デイは児童福祉法の障害児通所支援、訪問看護は医療保険のサービスで、給付の枠組みが別だからです。通所受給者証に記載された支給量は、訪問看護の利用に影響されません。

Q3. 医療的ケアがなくても、子どもが訪問看護を利用できますか?

利用できる場合があります。不安への対処や生活リズムの調整、ご家族への関わり方のアドバイスなど、心のケアを目的とした訪問看護もあります。主治医が必要と認めて指示書を交付することが条件となるため、まずは主治医や訪問看護ステーションにご相談ください。

Q4. 最初にどこへ相談すればよいですか?

放デイの利用はお住まいの市区町村の障害福祉の窓口、訪問看護は主治医が入口になります。どちらから始めるか迷う場合は、相談支援専門員や訪問看護ステーションに相談すると、全体の流れを整理しながら案内してもらえます。

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