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医療的ケア児のきょうだい児を支えるには|ご家族全体へのサポート

この記事の要点(30秒でわかる)

  • きょうだい児は「我慢」「孤立」「後回し」を抱えやすく、まず気持ちを認める関わりが大切です。
  • 1対1で過ごす時間や、年齢に応じた説明が、きょうだい児の安心につながります。
  • きょうだい会やレスパイト事業など、ご家族が使える社会資源があります。
  • 親御様の負担を軽くすることが、きょうだい児を支える近道になります。

医療的ケアが必要なお子様を育てるご家庭では、その兄弟姉妹である「きょうだい児」の気持ちが、つい後回しになりがちです。

「下の子に手がかかって、上の子に我慢をさせている気がする」「本当はもっと一緒に過ごしたいのに」。そんな思いを抱える親御様は少なくありません。

訪問看護は、医療的ケア児ご本人だけでなく、きょうだい児を含めたご家族全体を支える役割を担えます。親御様の負担が軽くなることは、きょうだい児に向き合う時間を生むことにもつながります。

すえひろ訪問看護ステーションには、お子様の支援を専門に行うチームがあります。ご家族全体に寄り添うことを大切にしています。

この記事では、きょうだい児が抱えやすい気持ち、親御様ができる関わり方、利用できる社会資源、そして訪問看護がご家族全体を支える視点をお伝えします。

きょうだい児が抱えやすい気持ちとは

きょうだい児とは、障害や病気のあるお子様の兄弟姉妹のことです。家庭内で医療的ケア児に注目が集まりやすいため、きょうだい児は「我慢」「孤立」「後回し」といった気持ちを抱えやすいとされています。まず大切なのは、その気持ちの存在に気づくことです。

国内の在宅の医療的ケア児は約2万人と推計されています(出典:厚生労働科学研究費補助金障害者政策総合研究事業「医療的ケア児に対する実態調査と医療・福祉・保健・教育等の連携に関する研究(田村班)」2021年)。その数だけ、きょうだい児もまた地域で暮らしています。

きょうだい児は幼いころから、家族の一員として自然に支え合う立場に置かれます。一方で、自分の気持ちをうまく言葉にできず、寂しさや不安を内側にためてしまうことがあります。

「自分のことで親を困らせたくない」という思いから、わがままを言わずに「良い子」を演じることも少なくありません。その健気さの裏に、見過ごされやすい負担が隠れています。

また、障害のあるきょうだいの将来について、自分も相談に加えてほしいと感じているきょうだい児も多いとされています(出典:全国きょうだいの会)。気持ちを尊重し、対話の輪に加えていく姿勢が求められます。

大切なのは、こうした気持ちを「特別なこと」ととらえず、自然な反応として受け止めることです。きょうだい児が安心して気持ちを話せる空気をつくることが、支援の第一歩になります。

きょうだい児が抱えやすい4つの気持ち

我慢

「良い子」でいようとする

親を困らせたくない思いから、わがままを言わず気持ちを内側にためてしまいます。

孤立

寂しさを言えない

注目がきょうだいに集まりやすく、自分の寂しさを一人で抱え込みがちです。

後回し

自分のことは二の次

家族の状況を察し、自分の希望や予定を後回しにしてしまうことがあります。

将来不安

相談に加えてほしい

きょうだいの将来について、自分も話し合いに加わりたいと感じています。

親御様ができる関わり方

きょうだい児への関わりで大切なのは、短時間でも1対1で過ごす時間をつくること、そして年齢に応じてきちんと説明することです。完璧を目指す必要はありません。「あなたのことも大切に思っている」という気持ちが伝わることが何より重要です。

きょうだい児の多くは、親と二人だけで過ごす時間を求めているとされています(出典:NPO法人こどものちから「きょうだい支援」)。たとえ10分でも、その子だけに向き合う時間が安心感を育てます。

医療的ケアの内容を、年齢に合わせて説明することも有効です。なぜケアが必要なのか、なぜ親が忙しいのかを知ることで、きょうだい児は状況を理解しやすくなります。

説明がないままだと、きょうだい児は「自分が我慢すべきだ」と一人で抱え込みがちです。事実を共有することは、孤立を防ぐ支えになります。

気持ちを言葉にできたときは、しっかり受け止めてあげてください。「よく話してくれたね」と認めることが、次に本音を話す勇気につながります。

ただ、親御様お一人で抱え込む必要はありません。後ほど紹介する社会資源や訪問看護の力を借りながら、無理のない範囲で関わっていくことが長続きのこつです。

きょうだい児への関わり方チェックリスト

1

短時間でも1対1で過ごす時間をつくる

2

医療的ケアを年齢に応じて説明する

3

気持ちを話せたらしっかり受け止める

4

無理に「良い子」を求めない

5

「あなたも大切」と言葉で伝える

6

親だけで抱え込まず社会資源を頼る

きょうだい児が使える社会資源

きょうだい児を支える社会資源には、同じ立場の仲間と出会える「きょうだい会」や、自治体のきょうだい児支援事業があります。家庭の外にも気持ちを分かち合える場があると知ることが、きょうだい児と親御様の安心につながります。

代表的な団体に「全国きょうだいの会」があります。例会は原則18歳以上のきょうだい当事者を対象とし、親や専門職が同席しない場で本音を話せる工夫がされています(出典:全国きょうだいの会)。

子ども向けには、自治体やNPOが交流イベントやキャンプを開く取り組みもあります。同じ経験を持つ仲間と過ごすことで、「自分だけではない」と感じられます。

東京都内でも、区市によってきょうだい児支援に関する情報提供や交流の場づくりが進められています(出典:板橋区「きょうだい児支援」)。お住まいの自治体の窓口に相談すると、地域の情報を得られます。

こうした場は、きょうだい児が気持ちを言葉にする練習の機会にもなります。家庭では言いにくいことも、同じ立場の仲間になら話せることがあります。

すえひろでは、ご家族の状況をうかがいながら、地域で利用できる資源の情報もお伝えしています。どこに相談すればよいか迷うときも、一緒に考えさせてください。

レスパイトでご家族に休息を

レスパイトとは「休息・息抜き」を意味し、医療的ケア児のご家族が一時的にケアから離れて休むための支援です。親御様が休めることは、きょうだい児に向き合う余裕を生み、ご家族全体の安定につながります。

在宅レスパイトでは、訪問看護師がご自宅でお子様を見守り、その間にご家族が休息や外出の時間を取れます(出典:済生会「ソーシャルインクルージョンを考えるWebメディア」)。医療保険の枠を超えた見守りを補う仕組みです。

東京都内の多くの区市では、在宅レスパイト事業として1日あたり数時間、年間で一定時間の利用が認められています(出典:江東区「重症心身障害児(者)在宅レスパイト支援事業」)。利用時間や対象は自治体ごとに異なります。

施設で一時的に預かる「短期入所(ショートステイ)」という選択肢もあります。ご家族の事情に合わせて、在宅と施設の支援を組み合わせられます。

レスパイトを利用することに、遠慮を感じる必要はありません。親御様が心身の健康を保つことは、お子様ときょうだい児を長く支えるための大切な土台です。

すえひろでは、在宅レスパイトのご相談も承っています。制度上難しいと思われることでも、まずはご相談ください。

訪問看護がご家族全体を支える視点

訪問看護は、医療的ケア児ご本人へのケアを通じて、結果的にきょうだい児を含むご家族全体を支えます。親御様のケア負担が軽くなれば、きょうだい児に向き合う時間と心の余裕が生まれます。これが「ご家族全体に寄り添う」訪問看護の役割です。

2021年9月に施行された医療的ケア児支援法は、お子様本人だけでなくご家族への支援も柱としています(出典:こども家庭庁「医療的ケア児等とその家族に対する支援施策」)。家族の負担軽減と離職防止が明確に位置づけられました。

訪問看護師が定期的に訪問し、たんの吸引や経管栄養などのケアを担うことで、親御様は休息や用事の時間を確保しやすくなります。その時間をきょうだい児との関わりに充てることもできます。

また、訪問看護師は医療の専門職として、ご家族の様子全体に目を配ります。きょうだい児の表情や言葉から、ご家族の小さな変化に気づくこともあります。

すえひろ訪問看護ステーションには、お子様の支援を専門とするチームがあります。医療的ケア児ご本人はもちろん、きょうだい児や親御様の思いにも耳を傾けることを大切にしています。

ご家族の数だけ、暮らしのかたちがあります。専門職として責任を持って、誠実に向き合わせていただきます。

まとめ

医療的ケア児のきょうだい児は、「我慢」「孤立」「後回し」といった気持ちを抱えやすい存在です。まずはその気持ちに気づき、短時間でも1対1で向き合うこと、年齢に応じて説明することが支えになります。きょうだい会やレスパイト事業など、ご家族が使える社会資源もあります。そして、訪問看護が親御様の負担を軽くすることは、きょうだい児を支える近道にもなります。

すえひろ訪問看護ステーションは、お子様の支援を専門とするチームとともに、ご家族全体に寄り添うことを大切にしています。医療的ケア児ご本人だけでなく、きょうだい児や親御様の思いも、一緒に受け止めさせてください。

きょうだい児のことで悩むのは、ご家族がそれだけ真剣に向き合っている証です。お一人で抱え込まず、迷ったときはどうか一度、私たちにご相談ください。一緒に考えさせていただきます。

よくある質問(FAQ)

Q1. きょうだい児が「自分なんていない方がいい」と言ったとき、どう接すればよいですか。

まずは否定せず、「そう感じるくらいつらかったんだね」と気持ちを受け止めてください。そのうえで、あなたが大切な存在であることを言葉と態度で伝えることが大切です。気持ちが続くようなら、スクールカウンセラーや自治体の相談窓口に相談することもご検討ください。

Q2. きょうだい会は子どもでも参加できますか。

団体によって対象年齢が異なります。「全国きょうだいの会」の例会は原則18歳以上のきょうだい当事者が対象です(出典:全国きょうだいの会)。子ども向けには、自治体やNPOが交流イベントやキャンプを開いている場合があります。お住まいの自治体の窓口にお問い合わせください。

Q3. レスパイトはどうすれば利用できますか。

多くの自治体が在宅レスパイト事業や短期入所を実施しています。利用時間や対象は自治体ごとに異なります(出典:江東区「重症心身障害児(者)在宅レスパイト支援事業」)。担当の相談支援専門員やお住まいの障害福祉窓口、または訪問看護ステーションにご相談ください。

Q4. 訪問看護はきょうだい児のケアもしてくれますか。

訪問看護の主な対象は医療的ケア児ご本人ですが、ご家族全体を支える視点を大切にしています。親御様の負担を軽くすることで、きょうだい児に向き合う時間が生まれます。きょうだい児に関するご心配も、訪問時にお気軽にお話しください。

Q5. 親が忙しく、きょうだい児と過ごす時間がほとんど取れません。

長い時間でなくても大丈夫です。10分でもその子だけに向き合う時間が安心感を育てるとされています(出典:NPO法人こどものちから「きょうだい支援」)。レスパイトや訪問看護を活用して時間を生み出す工夫も、一緒に考えさせてください。

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