この記事の要点(30秒でわかる)
- 医療的ケア児とは、吸引や経管栄養など日常的な医療的ケアが必要なお子さんです。
- 訪問看護はケアの実施だけでなく、ご家族の休息や不安の相談も支えます。
- 訪問看護は医療保険が使え、自治体の助成で負担が軽くなる場合があります。
- すえひろには子ども支援の専任チームがあり、まずはご相談いただけます。
医療的ケアが必要なお子さんを自宅で育てるご家族は、24時間気を抜けない毎日を過ごしています。吸引や経管栄養、夜間の見守りに追われ、「自分が倒れたらどうなるのか」と不安を抱える方も少なくありません。
そうしたご家族の毎日に、訪問看護が寄り添えることがあります。看護師がご自宅に伺い、お子さんの医療的ケアを支えながら、ご家族の休息や不安にも目を向けていきます。
すえひろ訪問看護ステーションには、子どもの在宅生活を支える専任チームがあります。お子さんとご家族の「その人らしい生活」を一緒に考えさせてください。
この記事では、医療的ケア児とは何か、訪問看護で受けられるサポート、ご家族の負担を軽くする仕組み、利用の費用や相談先までをわかりやすく解説します。
目次
医療的ケア児とはどんなお子さんを指すのか
医療的ケア児とは、日常生活を送るうえで吸引や経管栄養などの医療的ケアが恒常的に必要なお子さんを指します。法律でも明確に定義され、社会全体で支える対象として位置づけられています。
「医療的ケア児(いりょうてきけあじ)」とは、人工呼吸器による呼吸管理や喀痰(かくたん)吸引など、日常生活・社会生活を営むために恒常的に医療的ケアを受けることが不可欠な児童のことです。2021年に施行された「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(医療的ケア児支援法)」で、こう定義されています(出典:こども家庭庁)。
医療的ケアには、たんの吸引、経管栄養(鼻や胃から栄養を入れる方法)、気管切開部の管理、在宅酸素療法、人工呼吸器の管理などが含まれます。お子さんによって必要なケアの種類や回数は大きく異なります。
在宅で暮らす医療的ケア児は、全国で約2万人と推計されています(出典:厚生労働科学研究 田村班)。医療の進歩で救われる小さな命が増え、自宅で育つお子さんも年々増加しています。
医療的ケア児支援法では、お子さんとご家族への支援が地方公共団体の「責務」と明記されました。困りごとを抱え込まず、社会の仕組みを使ってよい時代になっています。
医療的ケアの主な種類
喀痰(かくたん)吸引
のどや気管にたまったたんを、機器で吸い取るケアです。
経管栄養
鼻や胃から管を通して、栄養や水分を入れる方法です。
気管切開部の管理
のどに開けた呼吸の通り道を、清潔に保つケアです。
在宅酸素療法
機器を使い、自宅で酸素を補う療法の見守りです。
人工呼吸器の管理
呼吸を助ける機器を、安全に使えるよう管理します。
医療的ケア児の在宅生活でご家族が抱える負担
医療的ケア児の在宅生活では、ご家族、とくに母親に負担が集中しやすい傾向があります。睡眠不足や社会から孤立する不安など、心身の疲れが積み重なりやすいのが実情です。
医療的ケアが必要なお子さんの育児は、24時間体制になることが少なくありません。夜間も吸引や体位交換が必要で、まとまった睡眠を取りにくいご家族が多くいらっしゃいます。こうした負担は、ご家族の健康そのものを脅かすことがあります。
国の調査でも、緊急時の一時預かりやレスパイト(休息支援)をもっと利用したいと考えるご家族が多い一方で、対応できる事業所が足りないという課題が指摘されています(出典:こども家庭庁 医療的ケア児等とその家族に対する支援施策)。利用したくても利用できない現状があるのです。
負担は医療的ケアそのものだけではありません。きょうだい児(医療的ケア児の兄弟姉妹)に手をかけられない申し訳なさや、ご家族自身の通院・外出が難しいことも、大きなストレスになります。
すえひろは、こうした負担を「ご家族の頑張りが足りないから」とは考えません。専門職として責任を持って、一緒に支える側に立たせていただきます。
医療的ケア児を育てるご家族が抱えやすい負担
慢性的な睡眠不足
夜間も吸引や体位交換が必要で、眠りが途切れがちです。
外出・通院の難しさ
お子さんから離れにくく、自分の用事を後回しにしがちです。
きょうだい児への対応
兄弟姉妹に手をかけられない申し訳なさを感じやすいです。
将来への不安
成長や進学、自分の体調など、先の見通しに悩みがちです。
社会的な孤立
同じ立場の人とつながりにくく、孤独を感じやすいです。
訪問看護で受けられる医療的ケアとサポート
医療的ケア児の訪問看護では、看護師がご自宅に伺い、吸引や経管栄養などの医療的ケアを行います。あわせて、お子さんの体調観察やご家族への手技の助言まで幅広く支えます。
訪問看護師は、喀痰吸引、経管栄養の管理、気管切開部や人工呼吸器の管理、在宅酸素療法の見守りなど、お子さんに必要な医療的ケアを実施します。あわせて、皮膚の状態や呼吸、栄養の様子を観察し、変化の早期発見にもつなげます。
ケアの内容はお子さん一人ひとりで異なります。だからこそ、主治医の指示のもとで個別に計画を立て、ご家庭の生活リズムに合わせて訪問します。入浴の介助や発達を促す関わりを行うこともあります。
訪問看護は、ご家族への支援も大切な役割です。吸引の手技に不安があるとき、夜間の対応に迷うとき、看護師が一緒に確認し、ご家族が自信を持てるよう支えます。これは医療的ケア児支援に欠かせない多職種連携の一部でもあります(出典:こども家庭庁)。
不登校や発達面の心配が重なるお子さんもいらっしゃいます。すえひろでは、[不登校のお子さんに訪問看護という選択肢]という形でも子どもの在宅支援に取り組んでおり、医療的ケアと併せてご相談いただけます。
訪問看護師がご自宅で行うこと
喀痰吸引でのどや気管を整える
経管栄養の準備と注入の管理
気管切開部・人工呼吸器の管理
呼吸・皮膚・栄養など体調の観察
入浴介助や発達を促す関わり
ご家族への手技の助言とサポート
ご家族の負担を軽くする訪問看護の関わり方
訪問看護は、お子さんへのケアを通じてご家族の負担そのものを軽くします。ケアを一部任せられる時間が生まれ、ご家族が休息や用事に充てられることが、在宅生活を続ける力になります。
看護師が訪問している間、ご家族は買い物や通院、少しの仮眠など、自分のための時間を持てます。こうした休息支援は「レスパイト」と呼ばれ、家族の精神的・身体的な休息やきょうだい児と過ごす時間の確保を目的としています(出典:自治体の医療的ケア児在宅レスパイト事業)。
多くの自治体では、訪問看護ステーションの看護師が家族に代わってケアを行う「医療的ケア児在宅レスパイト事業」を実施しています。利用できる時間数や条件は地域で異なるため、お住まいの自治体に確認するとよいでしょう。
訪問看護は、学校や園、主治医との連携の橋渡し役にもなります。お子さんの様子を関係者で共有することで、ご家族が一人で抱える調整の負担を減らせます。
発達障害などの特性が重なるお子さんへの関わりについては、[発達障害のあるお子さんに訪問看護ができること]という形でもすえひろは支援しています。医療的ケアと発達の両面から、ご家族の負担軽減を一緒に考えさせてください。
訪問看護がご家族の負担を軽くする流れ
看護師がご自宅を訪問
生活リズムに合わせて定期的に伺います。
医療的ケアを一部担当
吸引や経管栄養などをお子さんに行います。
ご家族が休息・用事に時間を使える
仮眠や通院、きょうだい児との時間が持てます。
学校・園・主治医と情報を共有
多職種で連携し、調整の負担も軽くします。
訪問看護の費用と利用までの相談先
医療的ケア児の訪問看護は医療保険が適用され、お住まいの自治体の助成制度により自己負担が軽くなる場合があります。利用の入り口は、主治医や医療的ケア児支援センターへの相談です。
医療的ケア児への訪問看護は、介護保険ではなく医療保険が使われます。費用には自己負担がありますが、多くの自治体には乳幼児・子ども医療費の助成制度があり、自己負担が軽減または無償化される地域もあります。具体的な内容はお住まいの市区町村にご確認ください。
利用を始めるには、まず主治医に相談し、訪問看護指示書を出してもらうことが基本の流れです。退院前のカンファレンスで、病院から訪問看護につないでもらえることもあります。
相談先として、各都道府県には「医療的ケア児支援センター」の設置が進んでいます。東京都は2022年9月に支援センターを開設し、お子さんやご家族の困りごとの相談を受け付けています(出典:東京都福祉局)。一人で調べきれないときの心強い窓口です。
「制度上難しいと思われることでも、まずはご相談ください」。すえひろは、利用の手続きや費用の見通しについても、ご家族の立場に立って一緒に整理させていただきます。
訪問看護を利用するまでの流れ
主治医に相談する(退院前カンファレンスでつながることも)
訪問看護指示書を出してもらう
訪問看護ステーションと契約する
お子さんに合わせたケア計画を立てる
訪問開始。生活リズムに合わせて継続支援
まとめ
医療的ケア児の在宅生活は、吸引や経管栄養などのケアを24時間支えるご家族の頑張りに支えられています。訪問看護は、そのケアを一部担い、ご家族の休息や不安、きょうだい児や学校・園との連携までを支える存在です。費用は医療保険が使え、自治体の助成や支援センターなど、頼れる仕組みも整いつつあります。
すえひろ訪問看護ステーションには、子どもの在宅生活を支える専任チームがあります。医療的ケアへの対応はもちろん、生活リズムやご家族の負担軽減、多職種との連携まで、お子さんとご家族の「その人らしい生活」を一緒に考えさせてください。
医療的ケアが必要なお子さんの在宅生活について、まずはご相談ください。今は迷っている段階でも構いません。専門職として責任を持って、誠実に向き合わせていただきます。
よくある質問
Q. 医療的ケア児でも訪問看護は使えますか。
A. はい、使えます。医療的ケア児への訪問看護は医療保険が適用され、主治医の訪問看護指示書があれば利用できます。お子さんの状態に合わせてケア計画を立てて訪問します。
Q. 訪問看護の費用はどのくらいかかりますか。
A. 医療保険の自己負担分がかかりますが、多くの自治体には子ども医療費の助成制度があり、負担が軽くなる場合があります。具体的な金額はお住まいの市区町村にご確認ください。
Q. 親が少し休みたいときも訪問看護に頼れますか。
A. はい。多くの自治体では、看護師が家族に代わってケアを行う「医療的ケア児在宅レスパイト事業」があり、ご家族の休息やきょうだい児と過ごす時間の確保を支えます。
Q. どこに相談すればよいかわかりません。
A. まずは主治医にご相談いただくか、各都道府県の医療的ケア児支援センターが窓口になります。すえひろにご連絡いただければ、利用の流れから一緒に整理させていただきます。
Q. 学校や園に通いながら訪問看護を使えますか。
A. 使えます。訪問看護は学校・園や主治医との連携の橋渡し役も担い、お子さんの様子を関係者で共有しながら在宅生活を支えます。

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