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「訪問看護物価対応料」って何?2026年6月新設の加算をわかりやすく解説:ガソリン代・光熱費高騰への制度的対応

ガソリンを入れるたびに重さを感じる、消耗品の値段が上がって請求処理のたびに気になる——訪問看護師として働く中で、そんな体感が積み重なっている方も多いのではないでしょうか。

こうした現場の声に制度が応える形で、2026年6月から「訪問看護物価対応料」が新設されました。訪問件数に連動して算定できる、現場にとって実感しやすいシンプルな仕組みです。

すえひろ訪問看護ステーションは、制度の変化をスタッフと一緒に学びながら、働く環境を整えていきたいと考えています。この記事では、物価対応料の背景・金額・試算例・今後の引き上げスケジュールをわかりやすく解説します。

なぜ「物価対応料」が新設されたの?背景を解説

訪問看護ステーションに「物価対応料」が新設された直接のきっかけは、近年の急激な物件費(ぶっけんひ)の高騰です。物件費とは、光熱水費・燃料費・衛生材料費・消耗品費など、ケアを届けるためにかかる「モノの費用」全般を指します。

2025年度(令和7年度)の年度平均消費者物価指数は、2020年を100として前年度比2.6%の上昇を記録しました(出典:総務省統計局 令和7年度年度平均消費者物価指数)。電気・ガスをはじめとするエネルギーコストの上昇は、家庭だけでなく事業所にも広く影響しています。

訪問看護の場合、移動そのものがサービスの一部です。1日に複数の利用者様のお宅を回るため、ガソリン代の値上がりはスタッフが毎回の訪問で体感するコストとして積み重なります。こうした構造的なコスト増を補填する仕組みとして、2026年6月施行の令和8年度診療報酬改定(かいてい)で物価対応料が設けられました。

訪問看護物価対応料は、施設基準の届出なしに全ての訪問看護ステーションが算定できる加算です。

加算の仕組みと金額(初日60円・2日目以降20円)

訪問看護物価対応料は、1回の訪問ごとに「今月の何回目か」によって金額が決まるシンプルな設計です。医療保険の訪問看護管理療養費(区分番号02)を算定している利用者様が対象の「物価対応料1」では、月の初日の訪問が60円、2日目以降の訪問が1回あたり20円となります。2026年に新設された包括型訪問看護療養費(区分番号04)を算定している利用者様が対象の「物価対応料2」は、毎回20円です。

1回あたりの金額は控えめに見えますが、算定の要件が軽く、届出が不要な点が大きな特徴です。全ての訪問看護ステーションが2026年6月1日から算定でき、算定漏れは純粋な機会損失となります。

訪問看護物価対応料は、訪問1回あたり20〜60円を積み上げる加算で、複雑な施設基準は不要です(出典:令和8年度診療報酬改定告示)。

訪問件数が多いほど効く:具体的な試算例

物価対応料の収益インパクトは、月あたりの訪問件数が多いステーションほど大きくなります。利用者様1人に月4回訪問する場合、初日60円+2日目以降3回×20円=120円です。利用者様10人であれば、月あたり約1,200円の増収になります。

これを1年間に換算すると、10人の利用者様だけで年間約14,400円になります。利用者様が30人なら年間約43,200円、50人なら年間約72,000円となります(いずれも月4回訪問の概算)。

小規模ステーションにとっては光熱費・消耗品費の補填として実感できる水準です。算定し忘れることなく確実に請求することが、経営の安定に直結します。

2027年6月以降はさらに倍増!段階的な引き上げスケジュール

物価対応料は、最初から「2段階」の引き上げを組み込んで設計されています。2026年6月から2027年5月末までは現行の金額(初日60円・2日目以降20円)で算定します。2027年(令和9年)6月以降は所定額の100分の200、つまり2倍の金額に引き上げられます(出典:令和8年度診療報酬改定告示)。

2倍後は初日120円・2日目以降40円程度になるとされています。物価上昇が長期的に続くことを前提に、制度として計画的に対応する姿勢が示されています。

先ほどの試算例でいえば、利用者様30人・月4回訪問のステーションは、2027年6月以降に年間収益が約86,400円まで増える見込みです。

訪問看護物価対応料は2026年6月に初日60円・2日目以降20円で新設され、2027年6月にはその2倍程度(初日120円・2日目以降40円)に引き上げられる段階的な設計とされています。

転職先を選ぶときに「物価対応料を算定しているか」を確認すべき理由

訪問看護師として転職活動をする際、給与だけでなく「算定できる加算をきちんと取っているステーションかどうか」を確認することが、長期的な職場環境の見極めに役立ちます。

物価対応料は届出不要で全ステーションが算定できるものです。にもかかわらず算定されていない場合、その分の収益が経営に反映されていないことになります。算定漏れが続く職場では、他の加算でも請求管理が不十分な可能性があります。

逆に、改定のたびに新加算を速やかに算定し、スタッフへの還元や職場環境の整備に活かしているステーションは、制度を積極的に活用する経営姿勢が表れています。「物価対応料を算定していますか?」という一言が、ステーションの運営姿勢を見抜く質問になります。

まとめ:「制度をちゃんと使う」職場がいい職場です

2026年6月に新設された訪問看護物価対応料は、ガソリン代・光熱費・消耗品費といった物価高騰の影響を補填するための加算です。初日60円・2日目以降20円と金額は控えめながら、届出不要で全ステーションが算定でき、2027年6月にはその2倍に引き上げられる設計となっています。

すえひろ訪問看護ステーションは「制度は使い切る、加算は取りこぼさない」という姿勢を大切にしています。それがそのままスタッフの働きやすさと、利用者様へ安定したケアを届け続けられる経営基盤につながると考えているからです。

「自分の職場はちゃんと算定しているの?」「転職を考えているけれど、どこを見ればいいの?」——そんな疑問がある方は、ぜひ一度ご相談ください。専門職として責任を持って、誠実に向き合わせていただきます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 物価対応料の算定に届出は必要ですか?

届出は不要です。施設基準の届出なしに、全ての訪問看護ステーションが2026年6月1日から算定できます。

Q2. 介護保険の利用者様も算定できますか?

訪問看護物価対応料は医療保険を対象とした加算です。介護保険での訪問看護には算定できません。(※要確認:厚生労働省令和8年度改定通知で確認推奨)

Q3. 訪問看護物価対応料1と2の違いは何ですか?

物価対応料1は訪問看護管理療養費(区分番号02)を算定している利用者様が対象で、初日60円・2日目以降20円です。物価対応料2は2026年新設の包括型訪問看護療養費(区分番号04)を算定している利用者様が対象で、毎回20円となります。

Q4. 2027年6月に2倍になるのは自動的に適用されますか?

令和9年6月以降は告示に基づき自動的に所定額の200%で算定します。新たな届出は不要です。

Q5. 利用者様の自己負担は増えますか?

医療保険の加算は原則として利用者様の自己負担割合に応じた負担増が生じるとされています。1割負担の方であれば初日6円・2日目以降2円程度の増額が目安と考えられますが、保険者の運用方針や具体的な適用については担当ケアマネジャーや保険者にご確認ください。(※要確認:厚生労働省告示・各保険者通知で確認推奨)

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