「あの看護師さんがいてくれなければ、在宅での生活は続けられなかった」——そう話されるご家族に、私たちはこれまで何度も出会ってきました。毎週決まった曜日に訪ねてきてくれる訪問看護師の存在が、どれほど大きな安心になっているか、利用者様やご家族はよくご存知だと思います。
5月12日は「看護師の日(看護の日)」です。この日を機に、訪問看護師が日々何をしているのか、どんな思いで在宅に通い続けているのかを、少し立ち止まって振り返ってみませんか。感謝の気持ちをより豊かにするための知識と、連携をさらにうまくするためのヒントを、この記事でお伝えします。
目次
5月12日はなぜ「看護師の日」なの?ナイチンゲールとの関係
5月12日は、近代看護の礎を築いたフローレンス・ナイチンゲールの誕生日です。この日にちなみ、国際看護師協会(ICN)は1965年に「国際看護師の日」を制定しました。日本では1990年に旧厚生省が「看護の日」として制定し、5月12日を含む1週間が「看護週間」となっています。
5月12日、イギリスで生まれる。近代看護の礎を築いた看護師・社会改革者。
野戦病院で衛生改善と献身的なケアを実践。兵士の死亡率を大幅に引き下げた。
国際看護師協会(ICN)が5月12日を「国際看護師の日(International Nurses Day)」に制定。
旧厚生省が5月12日を「看護の日」として制定。5月12日を含む1週間が「看護週間」となる。
ナイチンゲール(1820〜1910年)は、イギリス出身の看護師であり社会改革者です。クリミア戦争では劣悪な衛生環境の野戦病院に赴き、徹底した衛生改善と献身的なケアにより、兵士の死亡率を大幅に引き下げました。「白衣の天使」として語り継がれる彼女の功績は、看護を「専門職」として確立した点にあります。
看護の日は、高齢社会を支えるために「ケアの心・助け合いの心」を広く育むことを目的として制定されました。看護師を目指す人を応援するだけでなく、看護を受けるすべての人と社会が「看護とは何か」を一緒に考える日でもあります。
訪問看護師が「在宅でしていること」を改めて知ってほしい
訪問看護師は、医師の指示のもと、利用者様のご自宅に定期的に訪問し、療養上の支援を行う専門職です。「健康状態の確認」「医療処置」「生活支援」「家族へのアドバイス」「多職種との連携」という幅広い役割を担っています。
1回の訪問は30分から1時間程度ですが、その間に看護師が行うことは多岐にわたります。血圧・体温・脈拍・呼吸などのバイタルサイン測定に始まり、皮膚の状態や浮腫、表情・言動の変化まで、全身を観察します。処置が必要な場合は、褥瘡(じょくそう)のケア、カテーテル管理、点滴の管理なども行います。訪問後には主治医やケアマネジャーへ状態を報告し、チームとしての情報共有を欠かしません。
在宅での変化は、病院と違って毎日記録されるわけではありません。だからこそ訪問看護師の「観察眼」が、小さな変化をいち早くキャッチする命綱になります。
普段は気づきにくい「訪問看護師の役割」ベスト5
訪問看護師が担う役割のうち、特にご家族に知っていただきたい5つをご紹介します。
1. 変化の早期発見者
血圧の微妙な変化、皮膚の色や張り、話し方のトーン——毎週同じ看護師が訪問することで、「いつもと少し違う」を最も早く気づけるのが訪問看護師です。入院を防いだり、悪化の手前で対処できたりするのも、この観察力のおかげです。
2. 医療と生活をつなぐ橋渡し役
主治医の指示を自宅で実践し、在宅での療養生活を支えます。処置の内容をご家族にわかりやすく説明し、「この薬はこういう目的で飲んでいます」という理解を深める役割も担っています。
3. ご家族の相談相手
「こんなこと聞いてもいいのかな」と感じることでも、看護師は真剣に向き合います。介護疲れのサイン、精神的なつらさ、制度のわからなさ——訪問看護師は療養者だけでなく、ご家族全体を支える存在です。
4. 多職種チームのハブ
ケアマネジャー、主治医、薬剤師、リハビリスタッフなど、在宅を支える多職種の中で、訪問看護師は最も頻繁に自宅を訪れる医療職です。情報の橋渡し役として、チームの連携を実質的に担っています。
5. 「その人らしい最期」を支える力
ターミナル(終末期)の段階では、痛みや苦痛を和らげるためのケアを行いながら、本人・ご家族の希望する形を一緒に考えます。「最後まで自宅にいたい」という願いを叶えるために、訪問看護師は深夜・休日も含めて対応します。
家族が知ると連携がうまくいく:看護師への上手な伝え方
訪問看護師との連携をよりスムーズにするために、ご家族が意識できる伝え方のポイントをお伝えします。看護師への情報提供は、ケアの質を直接高めます。
「いつ・どんなとき・どの程度」で伝える
「なんか調子が悪そうで」より、「昨日の夜から食欲がなく、今朝は水しか飲んでいない」のように具体的に伝えると、看護師がより的確に判断できます。変化に気づいたら、日時とその様子をメモしておくと役立ちます。
「普段と違う」は迷わず伝える
「こんな小さなこと言ってもいいのかな」と遠慮される方が多いですが、日常を一番よく知るのはご家族です。些細に見えることが重要な変化のサインであることもあります。気になったことは、どんな些細なことでも伝えてください。
ご自身の気持ちも話してください
「昨夜ほとんど眠れなかった」「最近、自分が限界に近い気がする」——介護する側のご家族の状態も、看護師が把握すべき大切な情報です。訪問看護師はご家族の支援者でもあります。遠慮せずに話してください。
制度上の疑問や、他の支援が必要かもしれないと感じたときも、訪問看護師に相談してください。「制度上難しいと思われることでも、まずはご相談ください」——これが、私たちすえひろの姿勢です。
すえひろの訪問看護師たちが大切にしていること
すえひろ訪問看護ステーションの看護師は、「医療の専門家」である前に「ご自宅に伺うゲスト」として、玄関を入るときから丁寧に関わることを大切にしています。
利用者様が「自分の家で生きている」という実感を持ち続けられるように。ご家族が「一人じゃない」と感じられるように。そのために、技術だけでなく、関係性を積み重ねることを私たちは重視しています。
「諦めない」「可能性を信じる」——すえひろのスタッフが共有しているこの言葉は、難しい状況の中でもご本人の意思と希望を最優先にし、できることを一緒に探し続けるという姿勢から生まれています。
5月12日の看護師の日は、そんな看護師たちへ「ありがとう」と伝える日でもあります。日常の中で自然と出る一言が、看護師にとって何より力になります。
まとめ
5月12日の「看護師の日」は、ナイチンゲールの誕生日にちなんで制定された日です。訪問看護師は、毎回の訪問で健康観察・医療処置・家族支援・多職種連携という多様な役割を担っています。特に「いつもと違う」という変化のキャッチと、ご家族への丁寧な関わりは、在宅療養を安心して続けるための要です。
すえひろでは、専門職として責任を持って、誠実に向き合わせていただきます。「何か気になる」「もっとよくしたい」と思ったとき、どうか一人で抱え込まず、私たちに声をかけてください。
在宅での生活を「可能性のある場所」にしていくために、一緒に考えさせてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 訪問看護師の日(5月12日)に何か特別なイベントはありますか?
毎年5月12日前後には、日本看護協会や各都道府県看護協会が「看護週間」として講演会や体験イベントを開催しています。地域によって内容が異なりますので、お住まいの都道府県の看護協会にお問い合わせいただくか、日本看護協会のウェブサイトをご参照ください。
Q2. 訪問看護師に「ありがとう」をどう伝えればいいですか?
言葉でそのまま伝えていただくのが一番です。訪問時に「いつも助かっています」「来てくれてありがとう」と話しかけてください。プレゼントや金品の受け取りは事業所のルールによって禁止されていることが多いため、気持ちを言葉で伝えることが最も喜ばれます。
Q3. 訪問看護は何歳から利用できますか?
年齢制限はありません。小児から高齢者まで、医師が訪問看護の必要性を認めた方であれば、どなたでも利用できます。介護保険の対象となるのは原則65歳以上ですが、40〜64歳でも特定疾病がある場合は介護保険が適用されます。それ以外の年齢は医療保険でのご利用となります。
Q4. 緊急時(深夜・休日)にも訪問看護師に来てもらえますか?
緊急時の対応は事業所によって異なります。すえひろでは、緊急時の対応についてご契約時に丁寧にご説明しています。不安な点がある場合は、担当の看護師やステーションへ遠慮なくご確認ください。
Q5. 訪問看護師から「気になることがある」と言われたら、どうすればいいですか?
看護師が伝える「気になること」は、早期対応につながる大切なサインです。内容を主治医やケアマネジャーに共有し、必要に応じて受診や支援サービスの追加を検討してください。すえひろでは関係機関への連絡もサポートしていますので、一人で判断しようとせず、まずご相談ください。
お問い合わせ・ご相談
すえひろ訪問看護ステーションでは、訪問看護の利用に関するご相談を随時お受けしています。「うちの家族も使えるの?」「今のサービスで十分か不安」など、どんなことでもお気軽にお声がけください。専門職として責任を持って、誠実に向き合わせていただきます。

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