「24時間対応」と聞くと、休む暇もなく働き続けるイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか。病棟勤務から訪問看護への転職を考えているものの、その言葉に不安を感じて二の足を踏んでいる看護師の方もいらっしゃるかもしれません。
しかし実際の働き方は、多くの方が想像されているものとは異なります。むしろ、夜勤のある病棟勤務よりも規則正しい生活を送れる可能性があるのです。
この記事では、24時間対応の実態やオンコール業務の具体的な内容、2024年度診療報酬改定で強化された負担軽減の取り組みについて詳しくご説明します。訪問看護という選択肢が、あなたのライフスタイルと両立できる働き方であることを知っていただければ幸いです。訪問看護師への転職を検討されている方は、「訪問看護師への転職メリット・デメリット完全ガイド」も併せてご覧ください。
目次
24時間対応の誤解を解消する|実は「24時間働く」わけではありません
「24時間対応」という言葉を聞いて、休む暇もなく働き続けるイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれません。しかし実際には、訪問看護における24時間対応とは「いつでも相談できる体制」を整えることであり、看護師が24時間働き続けるわけではないのです。
ここでは、多くの方が抱いている誤解を解きながら、オンコール業務の実態や病棟勤務との違いについて詳しくご説明します。
24時間対応とオンコールの違いを正しく理解する
24時間対応体制とは、利用者様が緊急時にいつでも看護師に連絡できる仕組みのことです。看護師は「オンコール」という待機体制で対応します。
自宅で普段通りの生活を送りながら、専用の携帯電話を持って連絡に備える形です。実際の緊急訪問は限られており、多くは電話相談で対応できます。外出や家事、趣味の時間を過ごしながら、利用者様の安心を支えられる仕組みなのです。訪問看護師の具体的な仕事内容については「訪問看護師の仕事内容と働き方|現場経験者が語る転職の魅力」で詳しく解説しています。
以下の図で、24時間対応とオンコールの関係性を確認してみましょう。
対応体制 = 待機体制
オンコール待機
訪問業務
オンコール待機
対応
訪問
24時間対応体制は「いつでも連絡できる安心」を提供する仕組みです。実際の緊急訪問は限られており、多くは電話相談で対応できます。
統計データが示すオンコールの実態
日本看護協会の調査によると、オンコール担当者が実際に出動する回数は月0回から2回が約75%を占めており、平均は月1.6回となっています。
連絡があった場合も、服薬方法の確認や体調変化の相談など、電話でのアドバイスのみで対応できるケースが大半です。実際に訪問が必要となるのは、病状の急変や医療処置が必要な場合に限られます。
訪問看護への転職を検討される際、実際に働いている看護師の声を聞くことも大切です。「「一人ひとりとじっくり向き合える喜び」急性期病院から転職した森口さんが語る訪問看護の魅力」では、病棟勤務から訪問看護への転職経験者の生の声をご紹介しています。
病棟の夜勤と訪問看護のオンコールを比較する
病棟の夜勤は病院に泊まり込んで一晩中働き続ける形ですが、オンコールは自宅で待機しながら必要時のみ対応する形です。
オンコールでは自宅で家族と夕食を取り、入浴し、就寝するという普段通りの生活リズムを保てます。緊急訪問が発生した場合も、翌日の勤務調整や休息時間の確保が行われるため、規則正しい生活を送りながら利用者様の安心を支えられます。このような働き方改革の取り組みについては「24時間体制の訪問看護ステーションで働くとは?|働き方改革と両立できる理由」で詳しく説明しています。
オンコール担当の1日と実際の働き方
「オンコール担当」と聞くと、夜通し電話対応に追われるのではないかと心配される方もいらっしゃいます。しかし実際には、日中は通常の訪問業務を行い、夜間は自宅でリラックスしながら待機する働き方なのです。
ここでは、具体的な一日の過ごし方から緊急時の対応まで、実際の流れをご説明します。
平日のオンコール日の過ごし方
平日のオンコール当番の日は、朝から夕方まで通常の訪問看護業務を行います。夕方に業務を終えたら、オンコール用の携帯電話を持って帰宅し、夕食の準備や家族との時間など、普段通りの生活が可能です。訪問看護の基本的な仕組みについては「訪問看護とは?を簡単に解説|家族の負担を軽くする在宅ケアの新常識」で分かりやすく説明しています。
実際には、夜間の電話の多くは服薬方法の確認や体調変化の相談で、電話でのアドバイスのみで対応できることがほとんど。緊急訪問が必要になる頻度は、先ほどご紹介した通り月に0回から2回程度が一般的です。
以下の図解で、平日のオンコール日の典型的なスケジュールを確認しましょう。
休日のオンコール待機中にできること
休日のオンコール当番でも、外出や家族との時間を持つことが可能です。買い物や子どもの習い事の送迎、近所のカフェで友人と会うなど、ある程度自由に過ごせます。
ただし、事業所から30分から1時間程度の範囲内での活動が基本です。遠方への日帰り旅行は難しいものの、日常的な用事や趣味の時間は確保でき、オンコール手当も支給されるため待機自体が正当に評価される仕組みとなっています。すえひろ訪問看護ステーションでの働き方や待遇については「すえひろ訪問看護ステーションで働く魅力|やりがいと成長を実感できる理由」でご紹介しています。
緊急訪問が入った時の対応の流れ
利用者様やご家族から緊急連絡が入った場合、まず電話で状況を詳しく確認します。症状の内容やバイタルサインの数値などを聞き取り、訪問の必要性を判断するのです。
電話でのアドバイスで対応できる場合は適切な指導を行います。緊急訪問が必要と判断した場合は、すぐに準備をして利用者様のご自宅へ向かい、必要なケアを提供します。訪問後は実施内容を記録に残し、必要に応じて主治医やケアマネジャーに報告します。
次の図解で、緊急連絡から訪問完了までの流れを確認しましょう。
オンコール翌日の勤務調整の仕組み
夜間に緊急訪問を行った場合、翌日の勤務には必ず配慮があります。2024年度の診療報酬改定では、夜間対応した翌日の勤務間隔を確保することが求められており、適切な休息時間の確保が評価されるようになりました。
例えば、深夜2時に訪問を終えた場合、翌日の出勤は午後1時以降にするといった調整が行われます。訪問件数を減らしたり午後から休暇を取得できるようにしたりと、夜中に働いた分は翌日にしっかり休める環境が用意されています。
オンコール待機は自宅で普段通りに過ごせます。
緊急訪問は月0〜2回程度、電話相談で対応できるケースが大半です。
2024年度報酬改定で実現する負担軽減の取り組み
訪問看護の24時間体制と聞いて、「休む暇もないのでは」と不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし2024年度の診療報酬改定により、働く看護師の負担を軽くする仕組みが制度として整備されました。利用者様への質の高いケアと、看護師が安心して働ける環境の両立が可能となっています。
夜間対応後の勤務間隔確保が義務化
夜間に緊急訪問を行った後は、次の勤務までに十分な休息時間を取ることが制度として評価されるようになりました。看護師の健康を守るための大切な仕組みです。
たとえば深夜2時に緊急対応を行った場合、翌日の勤務開始時刻を調整することで適切な休息時間を確保します。国のガイドラインでは9時間から11時間程度の休息が推奨されており、この基準を参考に事業所ごとに適切な勤務間隔を設定します。しっかり休んでから次の業務に臨めるため、心身の疲労を持ち越すことがありません。
体を大切にしながら長く働ける職場環境が、制度によって守られています。
ICTやAI活用による業務効率化の推進
タブレットやスマートフォンを使った記録システムの導入により、訪問先での記録作業や情報共有が格段に効率化されています。移動中の空き時間に記録を完了できるため、事業所に戻ってからの事務作業が大幅に減少しました。
利用者様の状態変化があった際も、その場で写真を撮影して多職種と共有できます。主治医やケアマネジャーとの連携もオンラインで行えるため、電話での連絡調整にかかる時間も削減されました。
ICT活用により、看護師が本来の業務である「利用者様と向き合う時間」をより多く確保できる環境が整っています。
複数人体制で安心できるオンコール環境
一人で全てを背負うのではなく、チームで交代しながらオンコールを担当する体制が推進されています。当番の日でも、判断に迷った時は経験豊富な先輩看護師に電話で相談できる仕組みです。
初めてオンコールを担当する看護師には、先輩が同行する期間を設けています。実際の対応を経験しながら、緊急時の判断基準や利用者様への声かけ方法を学べます。一人で不安を抱え込むことなく、チーム全体でサポートする環境があります。
月の担当回数も公平に配分されるため、特定の看護師に負担が偏ることはありません。
以下の図で、オンコール体制の具体的な仕組みをご確認いただけます。
連続勤務の制限で心身の健康を守る
夜間対応に係る連続勤務が2回までに制限されるとともに、夜間対応後には休日を確保する配慮がなされています。無理なく働ける環境づくりにより、心身をリセットする時間が保証されています。
子育て中の方や介護をされている方には、ライフステージに応じた柔軟な勤務調整も可能です。「この週は家族の予定があるからオンコールを外してほしい」といった相談にも、チーム全体で調整する体制が整っています。
無理なく続けられる働き方が、制度として守られている環境です。訪問看護という専門職を、長く誇りを持って続けていただける職場づくりを目指しています。
すえひろで実現する働きやすさとやりがい
24時間体制の訪問看護と聞くと、休む暇もなく働き続けるイメージを持たれるかもしれません。しかし実際には、スタッフ一人ひとりの生活を大切にしながら、質の高い看護を提供できる環境があります。
ここでは、すえひろ訪問看護ステーションで実現している、働きやすさと専門職としてのやりがいについてご紹介します。

東京都足立区で24時間体制を支える工夫
足立区という地域特性を活かし、訪問エリアを効率的に設定することで、緊急時にも迅速に対応できる体制を整えています。複数の看護師でオンコールを公平に分担し、一人に負担が集中しない仕組みです。
夜間や休日の緊急対応が必要になった際には、翌日の勤務調整や十分な休息時間を確保しています。地域に根ざした事業所だからこそ、利用者様との信頼関係も深く、安心して在宅療養を支えられる環境が整っているのです。
子育てや介護と両立している事例
小学生のお子さんを育てながら働くスタッフは、学校行事に合わせた勤務調整が可能で、参観日や運動会にも参加できています。また、ご両親の介護をされている方には、訪問スケジュールを柔軟に組むことで、ご家族の通院付き添いなどにも対応しています。
ライフステージに応じた働き方ができるのは、スタッフ同士が互いの状況を理解し、支え合う職場環境があるからです。24時間対応体制でありながら、一人ひとりの生活を大切にする。それがすえひろの働き方です。
以下の図で、実際のワークライフバランスの実現例をご確認いただけます。
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 午前 | 9:00-12:00 | 9:00-12:00 | 休み 参観日 | 9:00-12:00 | 9:00-12:00 | 休み | 休み |
| 午後 | 13:00-17:00 | 13:00-17:00 | 休み 参観日 | 13:00-17:00 | 13:00-17:00 | 休み | 休み |
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 午前 | 9:00-12:00 | 休み 通院付添 | 9:00-12:00 | 9:00-12:00 | 9:00-12:00 | 休み | 休み |
| 午後 | 13:00-17:00 | 14:00-18:00 | 13:00-17:00 | 13:00-17:00 | 休み 介護対応 | 休み | 休み |
在宅療養を支える専門職としてのやりがい
訪問看護では、利用者様お一人おひとりと長期的に関わることができ、その方らしい生活を支える看護を実践できます。住み慣れたご自宅で過ごしたいという想いを、医療の専門性をもって支えられることは、大きな誇りです。
「ありがとう」という言葉を直接いただける機会も多く、ご家族から感謝の言葉をかけていただくたびに、この仕事の意義を実感できます。病棟勤務では難しかった、じっくりと向き合える看護。それが訪問看護の魅力であり、私たちのやりがいなのです。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました。「24時間対応」という言葉に不安を感じていた方も、実際の働き方についてご理解いただけたのではないでしょうか。ここで改めて、この記事でお伝えした重要なポイントを振り返ります。
- 24時間対応は待機体制であり、実際の緊急訪問は月0回から2回程度が最も多く、大半は電話相談で対応できる
- 2024年度診療報酬改定により夜間対応後の勤務間隔確保やICT活用、複数人体制など負担軽減の仕組みが制度として整備された
- チーム全体でオンコールを公平に分担し、サポートし合う体制があるため、子育てや介護との両立が可能である
訪問看護の24時間体制は、看護師が24時間働き続けるものではなく、利用者様が安心して在宅療養を続けられるよう「いつでも相談できる環境」を整えるものです。病棟勤務の夜勤とは異なり、自宅で普段通りの生活を送りながら待機する働き方であり、緊急時には適切な休息時間が確保される仕組みが整っています。むしろ夜勤のある病棟勤務よりも規則正しい生活を送れる可能性があり、ライフステージに応じた柔軟な働き方の実現が可能です。在宅療養を支える専門職として、利用者様お一人おひとりと深く関わりながら、ご自身らしい働き方も実現できる。それが訪問看護という選択肢の魅力です。
訪問看護への転職を検討されている方へ
働いてみませんか? 自宅待機で夜勤なし。規則正しい生活との両立が可能です
オンコール待機は自宅で普段通りに過ごせます。
緊急訪問は月0〜2回程度、多くは電話相談で対応できます。
病棟勤務よりも生活リズムが整えやすい環境です。

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