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AIが看護記録を書く時代、訪問看護師の仕事はどう変わる?

「記録が終わらない」「また残業になってしまう」――多くの訪問看護師が抱えるこの悩みに、AIが解決の糸口をもたらすかもしれません。2026年、医療現場での生成AI活用はいよいよ実装フェーズを迎えています。「AIに仕事を奪われる」という不安を持つ方も多いと思います。でも、訪問看護という仕事の本質を改めて見つめると、AIが広がる時代にこそ、訪問看護師の価値はより鮮明になると私たちすえひろは考えています。この記事では、看護記録AIの現実と、AI時代でも訪問看護師が必要とされる理由をお伝えします。

2026年、医療現場のAI活用はここまで来た

2026年現在、医療現場における生成AI活用は「実証段階」から「実装段階」へと移行しつつあります。看護師の記録業務を中心に、AIが実際に現場で使われ始めています。

生成AIが「申し送り・記録業務」を担い始めた現実

2024年から2025年にかけて、国内の医療機関で生成AIを活用した記録支援ツールの実証が相次ぎました。音声を録音するだけで申し送り文が自動生成される仕組みや、SOAPフォーマットの草案をAIが作成し看護師が確認・修正するだけで完成するシステムが、一部の病院で実際に稼働しています。厚生労働省は2022年に「医療DX推進本部」を設置し、2026年度診療報酬改定でも「ICT・AI・IoT等の利活用推進」を基本方針に明記しました(出典:厚生労働省 医療DXの更なる推進について)。AI記録支援は業務効率化の主要な施策として政策的に後押しされています。

大手IT企業が進める看護記録自動化プロジェクトの概要

富士通Japanは名古屋医療センターと連携し、生成AIを活用した医療文書作成支援サービスを2025年10月に本格稼働させました。退院サマリの作成時間が平均28分から8分へと短縮され、70%以上の効率化を実現しています(出典:富士通Japan プレスリリース 2025年11月)。さらに2026年2月には大阪病院で、看護申し送り業務への生成AI活用を含むプロジェクトを開始し、同年6月の本格稼働を予定しています(出典:富士通Japan・Microsoft 共同プレスリリース 2026年2月)。国内の複数のスタートアップや医療系ITベンダーも同様のサービスを展開しており、競争が活発化しています。

訪問看護の現場はどの段階にある?

訪問看護の現場は、病院と比べてAI導入のペースがやや緩やかです。訪問看護専用の電子カルテ「iBow」は全国3,300ステーション以上で導入実績があり、「カイポケ訪問看護」は全国6,000以上の事業所が活用しています(各2024〜2025年時点)。2026年度診療報酬改定では「訪問看護医療情報連携加算(1,000円/月)」が新設され、ICT活用に対する政策的な評価も明確になりました(出典:厚生労働省 令和8年度診療報酬改定告示)。AI記録支援ツールの本格導入はこれからという事業所が多いものの、電子記録の基盤は整いつつあり、AI活用への移行は加速しています。

医療分野のAI・ICT導入段階の比較(2026年現在・イメージ)
病院・診療所
実装・稼働中
75%
介護施設
実証・試験導入中
50%
訪問看護ステーション
電子記録は普及中・AI活用はこれから
30%
AI記録支援が実装・稼働中
電子記録は普及・AI活用はこれから
※各分野の公式統計をもとにしたイメージ図です。実際の数値は調査機関にご確認ください。

「看護記録AI」の実態:何を自動化できて、何はできないか

訪問看護師の記録業務は、1日の業務時間の中で大きな比重を占めています。AIが何をどこまで代替できるかを正しく理解することが、AI時代を主体的に生きる第一歩です。

AIが得意なこと――音声入力・定型文生成・情報整理

現在の生成AIが最も得意とするのは、定型的な情報の整理と文章化です。バイタルサイン(血圧・体温・脈拍など)の数値入力、SOAPフォーマットの草案生成、前回記録との差分抽出、申し送り文の要約――こうした処理はAIが高い精度で対応できます。音声認識との組み合わせにより、現場での音声をリアルタイムでテキスト化し、記録の大部分を完成させるシステムも実用化されています。看護記録作成AI支援システム「Caretomo」は患者との会話からSOAPフォーマットを自動分類・提案し、「AmiVoice iNote」(アドバンスト・メディア)はスマートフォンでの音声入力を電子カルテに転送します。iBowはAIを活用した計画書自動作成機能により計画書作成時間の約80%削減を実現しています(出典:各社公式情報)。訪問看護師が現場で話すだけで記録の枠組みが整う時代はすでに始まっています。

AIが苦手なこと――文脈の読み取り・臨床判断・感情のニュアンス

一方で、AIが苦手とすることは明確です。利用者様の表情や声のトーンから読み取る体調の変化、数字に表れない生活状況の変化、ご家族との複雑な関係性の文脈――これらはAIには理解できません。「今日の状態が次の訪問までに急変するかもしれない」という臨床的な予測判断も、現場経験を積んだ看護師の感覚なしには難しいものです。記録の草案を作ることはできても、何を記録すべきかを決めるのは人間の仕事です。AIは「書く作業」を担いますが、「何を書くかを判断する力」は訪問看護師にしかありません。

「記録地獄」からの解放で生まれる時間は何に使うべきか

訪問看護師がAIツールを活用して記録時間を削減できたなら、その時間で何ができるでしょうか。より丁寧なアセスメント、ご家族との対話、多職種との情報共有、自己研鑽への投資――看護師本来の仕事に集中できるようになります。「AIが記録を書いてくれるから楽になる」という発想より、「AIが記録を手伝ってくれるから、より深い看護ができる」という視点の転換が大切です。記録にかける時間が減ることは、看護師としての質を高めるチャンスでもあります。

AIと訪問看護師の役割分担――何を自動化できて、何はできないか
🤖 AIが得意なこと 👩‍⚕️ 訪問看護師にしかできないこと
記録・入力
バイタル数値の入力・整理
臨床判断
「いつもと違う」の感知と対応判断
文章生成
SOAPフォーマットの草案生成
信頼関係
利用者様・ご家族との心のつながり
情報整理
前回記録との差分抽出・要約
在宅対応
ひとりでの不確実な状況への対処
申し送り
申し送り文の自動生成・要点抽出
多職種連携
関係者間の文脈を読んだ調整・連携
音声変換
音声のリアルタイムテキスト化
家族支援
ご家族の気持ちへの寄り添いと相談対応
AIは「書く作業」を担い、「何を書くか判断する力」は訪問看護師が担います。

AIが普及しても訪問看護師が必要とされる理由

AIがどれほど進化しても、訪問看護師という仕事はなくなりません。それは、この仕事の本質がAIで代替できないものだからです。

在宅という「不確実な現場」での判断はAIに任せられない

病院と在宅では、環境がまったく異なります。病院には医療機器・他の医療職・マニュアルが整っていますが、訪問看護師は利用者様のご自宅でひとりで対応することがほとんどです。「いつもと様子が違う」「この状態で主治医に連絡すべきか」「転倒リスクが高まっているのに、ご家族が気づいていない」――こうした瞬間の判断は、現場の空気を感じ取れる人間にしかできません。不確実な状況の中で安全を守る判断力こそ、訪問看護師の中核的な価値です。

利用者様との信頼関係はデータでは作れない

訪問看護が最も大切にするのは、利用者様との信頼関係です。「この看護師さんだから話せる」「来てくれると安心する」――そういった感情的なつながりが、在宅療養を支える大きな柱になっています。AIはデータを処理できますが、信頼を築くことはできません。利用者様の生活の場に入り、寄り添い、一緒に考える。これは人間にしかできない仕事です。どれだけ技術が進化しても、「あなたでよかった」という言葉はAIには生まれません。

多職種連携・家族対応に必要な「人の温度」

在宅ケアは、訪問看護師・ケアマネジャー・医師・薬剤師・ヘルパーなど多くの職種が連携して成り立っています。ご家族がどれほど疲弊しているか、ケアマネジャーに今何を伝えるべきか、主治医に引き継ぐべき変化は何か――こうした調整を円滑に進めるのは、人間関係と文脈を理解した訪問看護師だからこそです。AIはそのための情報整理を手伝えますが、連携そのものは人の仕事です。

AI時代に求められる訪問看護師のスキルとは

「AIが普及したら、どんなスキルを磨けばいい?」という問いに対する答えは、「AI時代だからこそ、人間らしいスキルが光る」です。具体的に3つの方向性をお伝えします。

AIを使いこなす「ツールリテラシー」

AIは使いこなせる人にとって、強力なパートナーになります。音声入力ツール・記録支援システム・情報共有アプリを積極的に試し、業務に取り入れる姿勢が大切です。「AIは苦手」と距離を置くより、「どこで使えるか」を考えながら実際に触れることで、記録業務の負担は確実に軽くなります。ツールを使いこなせる訪問看護師は、より多くの利用者様と向き合う時間を確保できます。

データに頼らない観察力・コミュニケーション力

AIが数値やデータを処理する一方で、看護師が磨くべきは非言語コミュニケーションと観察力です。「バイタルは問題ないが、なんとなくいつもと違う」という感覚はAIには持てません。利用者様の言葉の裏にある気持ち、ご家族の表情から読み取れる疲弊感、生活環境の微細な変化を感じ取る力は、AI時代にこそ高い価値を持ちます。五感を使ったアセスメントを大切にし続けることが、訪問看護師としての差別化につながります。

記録時間が減った分、専門性を深める

AIで記録時間が削減されたとき、その時間をどう使うかが訪問看護師の差別化ポイントになります。特定行為研修の修了者数は2025年3月時点で11,840人に達し、着実に増加しています(出典:厚生労働省 特定行為研修制度の現状)。認定看護師・専門看護師の資格取得、利用者様・ご家族との対話の深化、多職種連携力の強化――「記録が終わった後、何をするか」を今から意識することが、AI時代の備えになります。専門性を高めた訪問看護師は、AIが広がる時代でも強く必要とされ続けます。

すえひろのICT・DX活用と「人を中心に置く」姿勢

すえひろ訪問看護ステーションは、ICT・DXの積極的な活用と「利用者様を中心に置く」姿勢を、矛盾なく両立することを大切にしています。

すえひろが現在活用しているICTツールと現場の反応

すえひろでは、タブレット端末を活用した電子記録・情報共有システムを導入しており、訪問先からのリアルタイムな記録入力と多職種間の情報共有を実現しています(出典:すえひろ訪問看護ステーション運営情報 ※要確認)。現場からは「情報共有のスピードが上がった」「紙の記録から解放されて訪問に集中できる」という声が上がっています。AI記録支援ツールについても、現場の負担軽減と看護の質の向上につながるものを積極的に検討しています。

効率化の先に見据えるもの――利用者様と向き合う時間

すえひろが大切にしているのは、「効率化そのもの」ではありません。記録業務が楽になることで生まれた時間を、利用者様との対話に、ご家族の気持ちに寄り添うことに使う――その先により良い在宅ケアがあると考えています。ICT・DXはあくまで手段であり、目的は「利用者様の生活の質を高めること」です。テクノロジーを使いこなしながら、人としての温かみを失わない看護を実現していきます。

AI時代でも「諦めない看護」を続けるために

「制度的に難しい」「時間がない」「AIに任せればいい」――そういった言葉で諦めてしまうのではなく、利用者様ひとりひとりの生活と可能性を信じて向き合い続けること。それがすえひろの看護師が大切にしている姿勢です。AIが記録を手伝う時代になっても、「なぜ自分がここにいるのか」という問いを持ち続ける看護師を、すえひろは必要としています。AI時代だからこそ、「人として向き合う力」が最も輝くと信じています。

まとめ

2026年、AI記録支援ツールは医療現場に確実に浸透しつつあります。しかし、訪問看護師の仕事がなくなることはありません。在宅という不確実な現場での瞬時の判断、利用者様との信頼関係の構築、多職種・ご家族との連携――これらはAIが代替できない、訪問看護師の本質的な価値です。

AIは「記録を書く時間」を減らし、「人と向き合う時間」を増やすための道具です。その先に、より深い看護があります。

すえひろ訪問看護ステーションでは、ICT・DXを積極的に活用しながらも、「利用者様の幸せを最優先に考える」姿勢を変えることなく、AI時代の訪問看護をともに切り拓いていきます。「転職を考えているけれど、AI時代に看護師としてやっていけるか不安」という方も、制度上難しいと思われることでも、まずはご相談ください。専門職として責任を持って、誠実に向き合わせていただきます。

【お問い合わせ先】

すえひろ訪問看護ステーション(本店)

〒120-0015 東京都足立区足立4-25-13-102

TEL: 03-5888-6375 受付: 8:30〜17:30(土日祝日も対応)

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〒123-0841 東京都足立区西新井2-9-19

TEL: 03-5856-9666

よくある質問

Q. AIが看護記録を書くようになったら、訪問看護師の仕事はなくなりますか?

A. なくなりません。AIは定型的な文章化・情報整理を担いますが、在宅という不確実な環境での臨床判断、利用者様との信頼関係の構築、多職種連携といった訪問看護師の本質的な業務はAIに代替できません。むしろ記録業務が効率化される分、看護の本来の仕事に集中できる時間が増えます。

Q. 訪問看護でもAI記録支援ツールは使えますか?

A. 使えるツールは増えてきています。現時点では病院への導入が先行していますが、訪問看護向けのタブレット記録システムや音声入力ツールは既に普及が進んでいます。AI記録支援については各ステーションの導入状況が異なりますが、すえひろでも積極的に検討・活用を進めています。

Q. AI時代に訪問看護師として活躍するために、今から何をすればいいですか?

A. 3つの方向性をおすすめします。①ICTツールに積極的に触れてツールリテラシーを高める、②非言語コミュニケーションや観察力など、AIにはできない人間的なスキルを磨く、③記録時間が減った分を専門性の深化(研修・資格取得)に使う意識を持つ、の3点です。

Q. AI記録支援ツールで作られた記録の正確性は問題ありませんか?

A. 現在のAI記録支援は「草案生成」が主流であり、看護師による確認・修正が前提となっています。最終的な記録の正確性と責任は看護師が担います。AIを맹信するのではなく、「草案を速く作ってくれるアシスタント」として活用するのが適切な使い方です。

Q. すえひろではAIやICTをどのように活用していますか?

A. タブレット端末を活用した電子記録・情報共有システムを導入し、訪問先からのリアルタイムな記録と多職種間の情報共有を行っています。AI記録支援ツールについても、現場の負担軽減と看護の質向上につながるものを検討・活用しています。効率化の目的は常に「利用者様と向き合う時間を増やすこと」です。

参考資料

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