「症状がどう日常生活に影響していて、それにどう介入することでその方の生活をよくできるんだろう」
実習を終えたばかりの看護学生の口から出たこの言葉には、訪問看護の本質が凝縮されていました。病院実習とは異なる、在宅看護ならではの視点を体得した彼女の表情は、確かな成長の手応えに満ちています。
今回は、私たちすえひろ訪問看護ステーションで実習を経験された看護学生さんに、率直な感想をお聞きしました。
目次
温かく迎えてもらえた実習初日

「純粋にまず、すごく皆さんが温かく迎えてくださったので、楽しく実習を送ることができました」
実習初日は緊張していたという彼女ですが、その不安はすぐに解消されたといいます。
「こちらの質問や困ったことに対してもすぐに答えてくださるんです。ただ教えてもらうだけじゃなくて、『こういうこともした方がいいよ』っていうアドバイスももらえたので、自分の考え方がほぐれるし、新たな視点も取り入れることができました」
私たちのステーションでは、実習生の皆さんも大切なチームの一員として迎え入れています。足立区全域を24時間365日体制でサポートする現場だからこそ、学生の皆さんにはリアルな訪問看護の現場を体験していただきたい。そんな想いで、スタッフ全員が関わっています。
看護師だけでなく、理学療法士、作業療法士、事務スタッフも含めた多職種チームで学生さんをサポートする体制は、すえひろの特徴のひとつです。
「まずはやらせていただけた」ことの意味
実習で最も印象に残ったこととして、彼女はこう語ってくれました。
「私たちが考えてきた看護計画を、利用者さんに迷惑がかからない範囲内で実践させてくださったんです。『こうした方がいい』というアドバイスもありつつも、まずはやらせていただけた。それがすごくありがたかったし、深い学びにつながりました」
事前に立てた看護計画を、実際の現場で試してみる。そして、自分が想像していたことと現実との違いに気づき、視点の違いを学ぶ。この一連のプロセスこそが、看護師として成長する上で欠かせない経験です。
私たちは実習生の皆さんに対しても、単に「見学する」だけでなく、安全を確保した上で「実践する機会」を大切にしています。もちろん、利用者さんの状態を第一に考え、適切な場面を選びながら。そして実践後には、経験豊富なスタッフが丁寧にフィードバックを行います。
訪問看護の現場では、教科書通りにはいかないことも多くあります。利用者さん一人ひとりの生活環境、価値観、ご家族との関係性。そのすべてを踏まえた上で、最善のケアを考える必要があります。
実習生も大切なチームの一員として迎え入れます。
わからないことはすぐに相談でき、段階的に成長できる体制が整っています。
教科書では学べなかった、在宅の終末期ケア
実習期間中、彼女は末期がんの方や終末期の方のお宅を何件か訪問する機会に恵まれました。
「教科書では、末期がんの方は家で最期を看取ってもらいたいという方が多いって知識としては知っていたんですけど、実際に見ることで、全然違う世界が見えてきたんです」
特に印象に残っているのは、ある利用者さんとの出会いだったといいます。手すりにつかまって歩行されるなど、ADLがかなり自立されている方でした。
「末期がんって言わないと、そういうふうには見えないような方だったんです。疼痛ケアだけじゃなくて、普通の日常生活の援助もしているっていうのに驚きました」
さらに彼女を驚かせたのは、在宅での点滴管理の様子でした。「家でちゃんと点滴ができるっていうのを実際に見れて。そういう療養の仕方もあるんだって、本当に良かったです」
私たちのステーションが大切にしているのは、「その人らしい生活」を最期まで支えること。病気があっても、住み慣れた家で、その人らしく過ごせる時間を一日でも長く——そんな想いで、医療的ケアと生活支援の両面からサポートしています。

症状ではなく、「生活」を見る視点
実習を通じて、彼女の看護観には大きな変化がありました。
「病院だったら、症状が出たらその症状をどうしようって見てきたところがあったんです。でも在宅に来たことで、その症状がどう日常生活に影響していて、それにどう介入することでその方の生活をよくできるんだろう、っていう視点で利用者さんを見ることができるようになりました。これは自分の中ですごく大きな変化でした」
「在宅だと、日常生活と疾患が一緒にあるんです。病棟だとやっぱり疾患オンリーの視点になっちゃうんですけど、在宅では日常生活にも目を向けなきゃいけない」
この言葉は、訪問看護の本質そのものを表しています。
利用者さん本人だけでなく、同居しているご家族への配慮も欠かせません。ケアの方法を指導したり、ご家族の不安に寄り添ったり——訪問看護師の役割は、利用者さんを取り巻く生活全体を支えることなのだと実感したそうです。
「利用者さんだけじゃなくて、その生活やご家族、周りのことも考えながら看護計画につなげていかなきゃいけないんだなって。そういう視点が、在宅では一番養えると思います」
私たちすえひろ訪問看護ステーションが何より大切にしているのは、**「地域に寄り添う医療とケア」**という理念です。利用者さんがどんな暮らしを望んでいるのか。どんな人生を送りたいと思っているのか。その想いに本気で向き合い、一人ひとりの「幸せな人生」を支えることが、私たちの使命だと考えています。
住み慣れたご自宅で、その人らしい生活を続けていくために。医療的な処置はもちろん重要ですが、それは手段であって目的ではありません。日常生活の中で何に困っているのか、何を大切にしたいのか。そこに寄り添うことが、在宅看護の核心です。
実習生の彼女は、この視点の違いを、わずかな実習期間で体得してくれました。

スタッフの姿から学んだこと
「看護師さんたちの、ご家族の方に対しての接し方とか、計画や記録のところにも、そういう視点が入っているんだなって気づきました」
実習中、彼女は看護師たちのケアの仕方や、ご家族への接し方をじっくりと観察し、その学びを自分の看護計画や記録に反映させていきました。看護計画や記録もスムーズに書けるようになり、「とても学びになる実習だった」と振り返ります。
すえひろ訪問看護ステーションでは、看護師、理学療法士、作業療法士、事務スタッフがチーム一丸となって利用者さんを支えています。多職種が日々情報を共有し、それぞれの専門性を活かしながら、最適なケアを提供する——その連携の様子も、実習生にとっては大きな学びとなったようです。
「もっと看護を学びたい」という想い
実習を終えた今の気持ちを尋ねると、彼女はこう答えてくれました。
「純粋に、看護をもっと学びたいなって思いました」
「今回の実習で、そういう視点を養うことができました」と語る彼女の表情は、最初の緊張した様子とは打って変わって、自信に満ちていました。
利用者さんと向き合い、生活を支えることの奥深さ。多職種で連携しながら、最善のケアを模索していくプロセス。そして何より、「ありがとう」と言ってもらえる瞬間の喜び。
訪問看護の現場には、看護の原点があります。
私たちのステーションでは、健康相談から医療的看護、リハビリテーション、お看取りまで、幅広いケアを提供しています。利用者さんの状態に応じて、どんなサポートが必要なのかをチーム全体で考え、実践していく。その過程で、看護師としての力は確実に磨かれていきます。
実習という短い期間でも、これだけの学びと気づきを得られる。それは、現場で日々研鑽を積むスタッフたちの姿勢と、利用者さん一人ひとりに真摯に向き合う私たちの文化があるからこそだと自負しています。
すえひろ訪問看護ステーションより
教育機関からの実習生を受け入れることは、私たちにとって大切な役割のひとつです。次世代の看護を担う学生の皆さんに、在宅看護の魅力と可能性を伝えていくこと。そして彼らの成長を支えることも、地域医療に貢献するステーションとしての使命だと考えています。
今回のように、実習生一人ひとりの学びをしっかりとサポートできることは、私たちにとっても大きな喜びです。「誰ひとりとり残さない社会」を実現するために、私たちは利用者さんだけでなく、未来の看護を担う学生の成長も支えていきたいと考えています。
実習生の指導を通じて、私たちスタッフ自身も日々の看護を見つめ直す機会をいただいています。実習生の皆さんに提供しているこの丁寧な教育体制は、新しく入職する仲間に対しても同じように提供しています。経験の有無に関わらず、一人ひとりの成長段階に合わせて、じっくりと育てていく環境がここにはあります。
すえひろ訪問看護ステーションでは、「地域に寄り添う医療とケア」を一緒に実現していく仲間を募集しています。利用者さんの生活に寄り添い、その人らしい人生を支える。そんなやりがいのある仕事を、私たちと一緒に始めませんか。
あなたの看護への想いを、ぜひお聞かせください。
一緒に働きませんか? 「もっと看護を学びたい」を叶える職場
症状だけでなく「生活を見る視点」を養える環境があります。
温かく迎え入れる文化の中で、実践を通じて着実に成長できます。

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