夜勤をやめたいけれど、収入が下がるのが不安——そんな思いを抱えながら転職を迷っている看護師は少なくありません。訪問看護師は基本的に日勤のみで、2024年度の調査では平均年収が約450万〜560万円前後と報告されています。夜勤手当がなくなる分の差は確かにありますが、オンコール手当やインセンティブ制度、そして2026年6月から新たに始まる処遇改善加算により、給与水準は着実に上がりつつあります。この記事では、訪問看護師の給与のリアルを数字で正直にお伝えします。

目次
訪問看護師の平均年収はいくら?
訪問看護師の年収は、経験年数や勤務するステーションの規模・地域によって幅がありますが、常勤勤務であれば年収450万〜560万円前後が現実的な目安です。
最新データで見る平均給与額
厚生労働省「令和5年度介護事業経営実態調査結果」によると、訪問看護ステーションに勤務する常勤看護師の平均月給は46万3,927円で、年収換算では約556万円となっています。また、日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」では、訪問看護師の平均税込給与総額は月額383,262円と報告されています。
この数字には賞与が含まれておらず、賞与を含めた年収ベースでは統計によって幅が生じます。重要なのは、夜勤のない働き方の中では訪問看護師の給与水準は高めという点です。同じく夜勤のないクリニックや健診センターでは年収400万円を下回ることも珍しくなく、その点で訪問看護師の待遇は相対的に充実しています。
経験年数による年収の変化
訪問看護の現場では、経験を積むほど収入が上がりやすい傾向があります。経験3年未満では年収380万〜420万円、3〜5年では400万〜450万円、5〜10年では450万〜550万円、10年以上では500万〜650万円が一般的なレンジとなっています(各種実態調査の集計より)。
管理者職に就くと年収600万〜750万円が標準的な水準となり、ステーションの規模や業績次第でさらに高くなるケースもあります。
病院勤務との年収差を正直に比べてみた
「病院を辞めたら収入がどれくらい下がるのか」——これは転職を考える看護師が最も気になるポイントです。正直に数字でお伝えします。
基本給はほぼ同水準、差は賞与と夜勤手当
日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」によると、訪問看護師の平均基本給月額は280,046円、病棟看護師は280,304円でほぼ同水準です。ただし、平均税込給与総額では訪問看護師383,262円に対し、病棟看護師は409,436円と約2万6千円の差があります。
賞与については、訪問看護師の年間平均が約949,091円、病棟看護師は1,182,440円で、年間で約23万円の差があります(同調査より)。これが年収の主な開きとなります。
夜勤手当がなくなると実際にいくら減るか
夜勤手当は勤務先や夜勤回数によって異なりますが、月4〜8回の夜勤で月額3万〜7万円程度を受け取っている看護師が多い実態があります。年間にすると36万〜84万円という計算です。
つまり、夜勤を月4回こなしていた場合、訪問看護への転職で年収が約30万〜40万円下がる可能性があります。一方で、「睡眠不足による生産性の低下」「夜勤明けの体力消耗」「プライベートの時間確保」といった要素を含めると、体と生活の質への投資として捉える方が増えています。
給与構成比較
訪問看護師と病棟看護師の給与構成比較
正規雇用フルタイム勤務・非管理職・看護師(2024年度調査)
| 項目 | 訪問看護師 | 病棟看護師 | 差額(目安) |
|---|---|---|---|
| 基本給(月額) | 254,476円 | 260,451円 | −5,975円/月 |
| 夜勤手当(月額) | −(原則なし) | 30,000〜70,000円 | −3〜7万円/月 |
| 賞与(年額) | 約949,000円 | 約1,182,000円 | 約−233,000円/年 |
| 税込給与総額(月額) | 347,181円 | 382,093円 | −34,912円/月 |
| 推計年収(参考) | 約514万円 | 約576万円 | 約−62万円/年 |
基本給(月額)
夜勤手当(月額)
賞与(年額)
税込給与総額(月額)
推計年収(参考)
出典:日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」(2025年6月発表)より、正規雇用フルタイム・非管理職の個人調査集計値。基本給・税込給与総額は確認済み数値。賞与・夜勤手当は記事記載の参考値。推計年収は税込給与総額×12ヶ月+賞与で算出した概算です。
夜勤手当がなくなっても生活できる理由
夜勤手当がなくなる分の年収ダウンは事実ですが、訪問看護には収入を補う仕組みが複数あります。
訪問看護師ならではの手当
訪問看護ステーションでは、業務の特性に応じた独自の手当が設けられています。代表的なのが次の3つです。
オンコール手当は、夜間・休日の緊急対応のための待機に対して支給されます。1日あたり3,000〜8,000円程度が相場で、すえひろ訪問看護ステーションでは1日6,000円を設定しています。月4〜8回担当すると、月2万4千〜6万4千円の加算になります。
インセンティブ制度は、訪問件数に応じた報酬を上乗せする仕組みです。訪問件数が多くなればなるほど給与が伸びるため、モチベーションを持って働ける環境が整っています。
エンゼルケア手当は、看取り時のケア(死後処置)に対する特別手当で、1回あたり数千円が支給されます。すえひろでは4,000円/回を設定しています。
生活コストの変化も見逃せない
夜勤をなくすことで、体への負担が減り、医療費や体力回復のための支出が減るケースも多くあります。また、日勤固定で生活リズムが安定することで、育児・介護・副業・勉強などに時間を使えるようになる点も大きなメリットです。収入の「総量」だけでなく、生活の「質」と合わせた総合的な判断が重要です。
都市部では給与水準が高め
東京・大阪などの都市部では、基本給が地方より高めに設定されているステーションが多く、東京都の看護師の平均年収は全国平均を約50万円上回る約568万円という調査結果もあります(厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より)。足立区に拠点を置くすえひろ訪問看護ステーションも、都市部の給与水準で待遇を設定しています。
処遇改善加算で給与は今後どう変わるか(2026年度版)
2026年6月は、訪問看護師の給与にとって歴史的な転換点となります。これまで対象外だった訪問看護が、初めて処遇改善加算の適用を受けることになったからです。
2026年6月、処遇改善加算がついに訪問看護に適用
2026年1月16日に社会保障審議会・介護給付費分科会が答申した内容によると、2026年6月の介護報酬臨時改定において、訪問看護・介護予防訪問看護が新たに「介護職員等処遇改善加算」の対象に加わります。加算率は**1.8%**と定められており、スタッフ1人あたり月1万円以上の賃上げを目指す内容です(厚生労働省 社保審・介護給付費分科会資料より)。
これまで訪問看護ステーションは、看護師の賃上げを事業所の収益のみで賄う必要がありました。2026年6月以降は、国の財源を活用して職員の給与を改善できる仕組みに入ることになります。
診療報酬側でもベースアップ評価料が大幅増額
介護保険の改定に加え、診療報酬側でも2026年6月から「訪問看護ベースアップ評価料」が見直されます。評価料(Ⅰ)が1,050円へ引き上げられるとともに、評価料(Ⅱ)については従来の18区分から36区分に拡大。算定額も最大1,580円へ見直される予定で、さらに2027年6月以降は段階的な引き上げも予定されています(厚生労働省 令和8年度診療報酬改定の答申内容より)。
この2つの制度改正が重なる2026年は、訪問看護師の給与が実質的に上昇する可能性が高い年です。転職を検討するタイミングとして、今まさに注目されています。
2026年度以降の給与上昇シナリオ
処遇改善加算を算定したステーションでは、その加算額の全額を職員の賃金改善に充てることが義務付けられています。これにより、ステーションの経営状況に左右されない形で、一定の給与底上げが期待できます。もちろん加算を算定するには要件整備が必要ですが、対応が進むステーションほど早期に恩恵を受けられます。
すえひろでの働き方と給与の実態
すえひろ訪問看護ステーションで実際にどのような給与・働き方になるのか、具体的な数字でお伝えします。
すえひろの給与体系
すえひろ訪問看護ステーションの常勤看護師(正看護師)の月給は320,000円(基本給287,200円+固定残業代32,800円※15時間分含む)です。固定残業代が15時間を超えた場合は追加で支給されます。
これに加え、オンコール手当(6,000円/日)、エンゼルケア手当(4,000円/回)、インセンティブ制度(90時間以降より発生)が上乗せされる仕組みです。通勤手当は実費支給(上限なし)で、賞与は年2回(4月・10月)、昇給は毎年6月に設定されています。
社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険)に加入しており、年間休日は115日。シフト制で月9〜10日の休日が確保されています。時短常勤についても要相談で対応しています。
「夜勤より稼げる日もある」スタッフの声
あるスタッフからは、「夜勤をやめて最初は収入ダウンを覚悟していたけれど、インセンティブを意識して訪問件数を増やしたら、以前の月収に近づいてきた」という声をいただいています。もちろん全員が同じ経験をするわけではありませんが、自分のペースで訪問件数をコントロールできる点は、訪問看護師ならではのやりがいにもつながっています。
また、「体が楽になった分、勉強や家族との時間が増えた。給料の数字より、生活全体の充実感が上がった」という声も多くあります。専門職としての向上心を持ちながら、自分らしい働き方を選べる——それがすえひろが大切にしている環境です。
すえひろが求める人物像と成長支援
すえひろ訪問看護ステーションは「志が高い、愛ある開拓者」を理想のスタッフ像としています。利用者様の幸せを本気で考え、制度の枠にとらわれずに可能性を追求できる方に、最もやりがいを感じていただける職場です。
認定看護師・専門看護師などの資格取得も全面的にサポートしており、専門職として学び続けられる環境を大切にしています。「給与も上げたい、でも成長もしたい」という方にとって、訪問看護という仕事とすえひろという環境は、その両方を叶えられる選択肢のひとつになり得ます。

まとめ
訪問看護師の給与は、夜勤手当がない分だけ病棟勤務より低くなる側面はありますが、オンコール手当やインセンティブ制度によって補える余地が十分あります。日本看護協会「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」でも、基本給の差は月数百円程度と僅差であり、生活水準を維持しながら転職できるケースは多いといえます。
さらに2026年6月からは、訪問看護が初めて処遇改善加算の対象となります。国の制度によって給与底上げが進む見通しのなかで転職を検討することは、中長期的な収入の安定にもつながります。
「夜勤をやめたい、でも収入が不安」という方は、ぜひ一度、数字を見ながら具体的な条件を比べてみてください。すえひろ訪問看護ステーションでは、働き方や給与に関するご相談をいつでも受け付けています。あなたが本当に望む働き方を、一緒に考えさせてください。
よくある質問
Q. 訪問看護師に転職すると夜勤なしでも年収400万円以上もらえますか?
A. 常勤勤務であれば、経験年数にもよりますが年収400万円以上を維持できるケースは多くあります。厚生労働省「令和5年度介護事業経営実態調査結果」によると、常勤訪問看護師の平均月給は約46万4千円(年収換算約556万円)と報告されています。オンコール手当やインセンティブを含めると、さらに高くなる可能性もあります。
Q. 夜勤手当がなくなると、年収はどれくらい下がりますか?
A. 夜勤の回数や手当額によりますが、月4〜8回の夜勤で月3万〜7万円程度の手当を受け取っている看護師の場合、年間で36万〜84万円の差が生じます。ただし、訪問看護のオンコール手当やインセンティブで一部カバーできるため、実質的な年収ダウンはケースによって大きく異なります。
Q. 2026年の処遇改善加算で訪問看護師の給料はいくら上がりますか?
A. 2026年6月の介護報酬改定により、訪問看護も処遇改善加算(加算率1.8%)の対象に加わります。政府はスタッフ1人あたり月1万円以上の賃上げを目標としています(厚生労働省 社保審・介護給付費分科会答申より)。ただし、加算額はステーションの収益規模によって異なるため、具体的な数字は働く事業所に確認することをおすすめします。
Q. 訪問看護師のオンコール手当はどのくらいですか?
A. ステーションによって異なりますが、平日1日あたり3,000〜5,000円、休日5,000〜8,000円程度が相場です。実際に緊急訪問した場合は別途出動手当(5,000〜1万円程度)が加算されます。月4〜8回担当するステーションが多く、これだけで月2万〜5万円以上の収入上乗せになるケースもあります。
Q. 病院から訪問看護への転職で、生活水準を維持できますか?
A. 「夜勤回数が少ない」または「夜勤手当が少額だった」看護師であれば、生活水準をほぼ維持したまま転職できるケースが多くあります。逆に夜勤を多くこなしていた場合は年収ダウンが生じやすいですが、2026年以降は処遇改善加算によって訪問看護師全体の給与水準が引き上げられる見通しです。

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