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脳卒中退院後の在宅リハビリ:訪問看護でできるサポートを解説

脳卒中後の在宅療養では、訪問看護が麻痺・嚥下障害・言語障害それぞれに対応したリハビリ支援を提供できます。 厚生労働省「令和5年(2023)患者調査の概況」によると、脳血管疾患で治療を受けている総患者数は188万4,000人にのぼります。 退院後、「家でどうやって生活すればいいのか」と不安を抱えるご家族は少なくありません。

「制度的に難しいと言われた」「何を誰に頼んでいいかわからない」そんな声も、私たちはよく伺います。 この記事では、退院後の在宅移行の流れから、訪問看護でできる具体的なリハビリ支援まで、丁寧にご説明します。 「無理かもしれない」と諦める前に、ぜひ一度読んでみてください。

脳卒中後、在宅療養に切り替わるまでの流れ

脳卒中後は急性期病院→回復期病院→在宅という流れで療養が進みます。 退院が見えてきた段階で、医療ソーシャルワーカーや病院の退院支援担当者を中心に在宅移行の準備が始まります。 このタイミングを逃さず、訪問看護の導入を検討することが大切です。

急性期・回復期を経て退院へ至る流れ

脳卒中の治療は、大きく3つの時期に分かれます。

急性期(発症直後〜約1〜2週間)は、命を守ることと後遺症の最小化が主な目的です。 容体が安定したら、回復期リハビリテーション病院に転院して、集中的なリハビリが始まります。 回復期病院では、脳血管疾患の場合、算定開始日から原則最大150日間の入院が認められています。 高次脳機能障害(こうじのうきのうしょうがい)を伴う重症例に限り、最大180日となります(厚生労働省「基本診療料施設基準等 別表第九」)。

退院が決まったら、病院のソーシャルワーカーが中心になり、ケアマネジャーや訪問看護ステーションとの連絡調整を進めます。 退院前カンファレンスには、可能であればご家族も参加するとよいでしょう。 在宅での生活イメージを共有しながら、必要なサービスを整えていきます。

退院前に確認しておくべきこと

退院前には、以下の5点を確認しておくと安心です。

  • 介護保険の要介護認定(未申請の場合は早めに申請)
  • 自宅の住環境整備(手すりの設置・段差解消など)
  • 主治医からの訪問看護指示書の取得
  • ケアマネジャーの選定とケアプランの作成
  • 地域包括支援センターへの相談・情報収集

訪問看護の利用には、主治医による「訪問看護指示書」が必要です。 退院前に主治医から指示書を発行してもらうことで、退院当日や翌日から訪問看護を開始できます。 「すぐに支援が必要なのに間に合わない」という事態を防ぐため、早めの準備が重要です。

地域包括支援センターは、高齢者の在宅生活を支える総合相談窓口です。 介護保険の申請代行・ケアマネジャーの紹介・地域のサービス情報の提供など、幅広い支援を受けられます。 「何から始めればいいかわからない」という段階から相談できますので、退院の見通しが立った早いタイミングで足を運んでみてください。 お住まいの市区町村ごとに設置されており、利用は無料です。

訪問看護師はリハビリもしてくれる?PTとの違いは?

訪問看護師は、リハビリ的な関わりができます。ただし、専門の理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)による訪問リハビリとは役割が異なります。 訪問看護ステーションによっては、看護師と理学療法士が一緒に在籍しており、連携しながら支援を提供できます。

訪問看護師ができるリハビリ的な関わり

訪問看護師は、医師の指示に基づき、日常生活に組み込んだリハビリ的なケアを行います。 具体的には、関節が固まらないよう動かす「関節可動域訓練(ROM訓練)」や、ベッドからの立ち上がり介助、歩行時の安全確認などが挙げられます。 また、嚥下機能のチェックや口腔ケアも、訪問看護師が担う重要な役割です。

体の状態を総合的に観察できる看護師が関わることで、リハビリ上の異変にも早期に気づけます。 血圧や脈拍が不安定な日には、ケアの内容を安全に調整するといった判断も、看護師の専門性が活きる場面です。

理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)との違い

以下のポイントを参考に、役割の違いをご理解ください。

理学療法士(PT)は、歩行・バランスなど身体機能の回復に特化した専門職です。 作業療法士(OT)は、食事・着替えなど日常生活動作(ADL)の回復を担います。 言語聴覚士(ST)は、言語障害や嚥下障害に特化したリハビリを行う専門職です。

訪問看護ステーションにPT・OT・STが在籍している場合、「訪問看護」という枠組みの中で、看護師と専門職が連携しながら支援を提供できます。 体の状態管理は看護師、機能回復訓練は療法士、という役割分担が機能することで、より手厚い在宅ケアが実現します。

すえひろ訪問看護ステーションには常勤の理学療法士が在籍しており、看護師と連携した総合的な在宅リハビリを提供しています。

専門職の役割比較
項目
看護師 訪問看護師
PT 理学療法士
OT 作業療法士
ST 言語聴覚士
専門
領域
健康管理
医療的ケア
身体機能
の回復
日常生活
動作(ADL)
言語・
嚥下障害
主な
支援内容
バイタル管理、点滴、処置、服薬管理 歩行練習、バランス訓練、筋力強化 食事・着替えなどのADL訓練 発話・発声訓練、嚥下リハビリ
対象と
なる症状
全般的な
疾患・状態
運動麻痺、骨折後、転倒リスク 上肢障害、認知機能低下 脳卒中後の失語、嚥下困難
訪問看護
での役割
体の状態
管理の中心
機能回復
訓練を担当
生活動作
訓練を担当
コミュニ
ケーション支援
医療保険
での提供
すえひろ
での体制

常勤在籍

常勤在籍

要相談

要相談
対応あり
条件付き対応

※ すえひろ訪問看護ステーションには常勤の理学療法士が在籍しており、看護師と連携した総合的な在宅リハビリを提供しています。OT・STの対応については、お気軽にご相談ください。

麻痺・嚥下障害・言語障害それぞれへのケア内容

脳卒中後の三大後遺症である麻痺・嚥下障害(えんげしょうがい)・言語障害には、それぞれ異なるアプローチが必要です。 訪問看護では、利用者様の状態に合わせて個別のケアプランを組み立てます。

麻痺(片麻痺)へのリハビリ支援

片麻痺とは、脳卒中による脳への損傷が原因で、体の左右どちらか一側に生じる運動障害のことです。 退院後何もしないでいると機能低下が進むことが知られており、継続的なリハビリが重要です(回復期リハビリテーション.net)。

訪問看護では次のような支援を提供します。

  • 関節可動域訓練:麻痺側の関節が固まらないよう、定期的に動かします
  • 起き上がり・移乗練習:ベッドから車いすへの安全な移乗を繰り返し練習します
  • 歩行訓練:手すりや歩行器を使った歩行の安全確認と介助を行います
  • 廃用症候群(はいようしょうこうぐん)の予防:長期臥床による筋力低下や床ずれを防ぐケアを行います

訪問看護師が定期的に状態を評価しながら、無理のない範囲でリハビリを継続できるよう支援します。 「この動きは本当に合っているのか」「もっとできることがあるのでは」という疑問があれば、理学療法士との連携も積極的に提案させていただきます。

嚥下障害(えんげしょうがい)へのケア

嚥下障害とは、食べ物や水分をうまく飲み込めない状態のことです。 誤嚥(ごえん=食物が気管に入ること)が繰り返されると誤嚥性肺炎のリスクが高まるため、嚥下障害への専門的なケアは言語聴覚士(ST)が中心となって担います。

STは、口・舌・喉の筋力評価や飲み込みの機能検査を行い、その方に合った嚥下訓練プログラムを作成します。 訓練内容は、発声・舌の運動などの間接訓練から、ゼリーや水を使った直接訓練まで段階的に進めます。 食形態(ゼリー・ミキサー食など)や食事姿勢のアドバイスも、STが専門的な評価に基づいて行います。

訪問看護師はSTと連携しながら、日々の食事場面での観察や口腔ケアを担い、状態変化があればSTへ速やかに情報を共有します。 「食べることへの不安」はご本人・ご家族にとって大きな悩みのひとつです。 専門職がそれぞれの役割でサポートすることで、安全においしく食べられる生活を一緒に目指していきます。

言語障害(失語症・構音障害)へのケア

脳卒中後の言語障害には、主に2種類があります。 失語症(しつごしょう)は、言葉が出にくい・理解しにくいなど、言語機能全般が影響を受ける状態です。 構音障害(こうおんしょうがい)は、発音に関わる筋肉の麻痺により、話し言葉が不明瞭になる状態です。

訪問看護では次のような支援ができます。

  • コミュニケーション方法の工夫:文字盤・ジェスチャー・絵カードなどの補助ツールを活用します
  • 発声・口の体操:口周りの筋肉を動かす運動を毎日の生活に取り入れます
  • ご家族へのコミュニケーション指導:伝わりやすい話しかけ方・待ち方を一緒に練習します
  • 言語聴覚士との連携:必要に応じて専門的な言語訓練への橋渡しを行います

言語障害のある利用者様との関わりでは、「うまく話せない」という焦りや孤独感を抱えておられることが少なくありません。 ゆっくりと時間をかけて、ご本人が本当に伝えたいことを一緒に探していく。そんな関わりを大切にしています。

家族が毎日やるべき介助と、訪問看護に任せていいこと

在宅療養が長続きするためには、ご家族が担う部分と専門職に任せる部分を明確にすることが重要です。 「すべて自分でやらなければ」と抱え込みすぎると、介護疲れにつながってしまいます。

ご家族が日々担う介護の役割

ご家族が毎日行っていただくことは、主に日常生活のサポートです。

  • 食事介助・食形態の調整(訪問看護師の指導に基づいて)
  • 内服薬の管理・見守り
  • 体位交換(床ずれ予防のための体の向き変え)
  • 水分補給・食事の促し
  • 精神的なサポート(話しかける・寄り添う)

ご家族の関わりは、利用者様の回復意欲にも大きく影響します。 毎日の「できた」「少し動けた」を一緒に喜ぶことが、何よりのリハビリになることもあります。

訪問看護に任せてよいこと・任せるべきこと

一方、次のことは訪問看護師・専門職にお任せください。

  • バイタルサイン(血圧・脈・体温)の測定と状態管理
  • 褥瘡(じょくそう=床ずれ)の処置・予防ケア
  • 点滴・カテーテルなどの医療処置(医師の指示に基づく)
  • 嚥下機能・言語機能の評価と専門的ケア
  • 内服管理の最適化に向けた主治医・薬剤師との連絡
  • ご家族の介護負担に関する相談・アドバイス

「こんなことを頼んでいいのかな」という遠慮は無用です。 些細な変化や疑問でも、どうぞ訪問看護師に声をかけてください。 「家族が介護で限界を感じている」というご相談も、私たちが大切にしている関わりの一つです。

訪問看護師・専門職にお任せください 看護に任せてよいこと・任せるべきこと
バイタルサインの測定と状態管理 血圧・脈拍・体温の計測と日々の変化の観察・記録
褥瘡(床ずれ)の処置・予防ケア 皮膚状態のアセスメントと適切なケア計画の立案・実施
点滴・カテーテルなどの医療処置 医師の指示に基づく処置・管理・トラブル対応
嚥下機能・言語機能の評価と専門的ケア 飲み込みや言葉の状態を評価し、誤嚥予防などの専門的支援を提供
内服管理の最適化に向けた連絡・調整 主治医・薬剤師との情報共有と、お薬の飲み合わせや副作用の確認
ご家族の介護負担に関する相談・アドバイス 「限界を感じている」「不安がある」そのお気持ち、ぜひ私たちにお話しください

訪問看護・訪問リハビリテーション・訪問介護の上手な組み合わせ方

在宅療養では、複数のサービスを組み合わせることが、生活の質を高めるカギです。 それぞれの役割を理解した上で、ケアマネジャーと相談しながら最適なプランを組み立てましょう。

3つのサービスの役割の違い

訪問看護は、医療的なケアと健康管理が主な役割です。 医師の指示に基づき、医療処置・健康状態の観察・リハビリ支援・ご家族への指導を行います。 介護保険・医療保険どちらでも利用でき、状態によって使い分けます。

訪問リハビリテーションは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が専門的なリハビリを提供するサービスです。 介護保険での利用では、原則として1週間に120分以内という上限があります。 ただし、退院(所)から3か月以内は週240分まで利用でき、退院直後のリハビリ強化期に活用できます。 完全個別対応でマンツーマンのリハビリが受けられるのが特徴です。

訪問介護は、食事・入浴・排泄などの身体介護や、買い物・掃除などの生活援助が中心です。 医療行為は行えませんが、日常生活のサポートとして欠かせないサービスです。

組み合わせの考え方

退院直後は、医療的ケアの必要性が高いため、訪問看護の頻度を高めに設定することが多いです。 状態が安定してきたら、訪問リハビリテーションを加えて機能回復に力を入れる構成も有効です。 身体介護・生活援助は訪問介護に任せることで、ご家族の負担を軽減できます。

以下のチェックリストを参考に、どのサービスが必要か考えてみましょう。

  • 医療処置(点滴・カテーテル管理など)がある → 訪問看護
  • 嚥下・言語・運動機能の専門的回復訓練が必要 → 訪問リハビリテーション
  • 入浴・排泄・食事の介助が必要 → 訪問介護
  • 体調変化が不安・緊急時の対応が心配 → 訪問看護(24時間対応体制)
  • ご家族の介護負担を減らしたい → 訪問介護+訪問看護の組み合わせ

すえひろ訪問看護ステーションでは、ケアマネジャー・主治医・薬剤師など多職種と連携し、利用者様おひとりおひとりに合ったサービスの組み合わせをご提案しています。 「どのサービスを使えばいいかわからない」というご相談から、一緒に考えていきましょう。

サービス連携図解 訪問サービスの役割分担と連携
利用者様 ご自宅で生活される方
医療・健康管理 訪問看護
  • 医療処置・病状管理
  • 24時間対応体制
  • 救急時対応
  • 点滅・カテーテル管理
機能回復訓練 訪問リハビリ
  • 運動機能回復
  • 嚕下・言語訓練
  • 日常生活動作訓練
  • 身体機能の維持
生活支援 訪問介護
  • 入浴・排浄介助
  • 食事介助
  • 生活援助(撃除 等)
  • 家族負担軽減
情報共有
役割分担
多職種連携チーム
ケアマネジャー 主治医 薬剤師 訪問看護ステーション
各職種が連携・情報共有し、利用者様おひとりおひとりに合ったサービスの組み合わせをゴ提案します。
訪問看護:医療・健康管理
訪問リハビリ:機能回復
訪問介護:日常生活支援

まとめ

脳卒中退院後の在宅リハビリは、訪問看護が医療的な視点からご家族を包括的に支える重要なサービスです。 麻痺・嚥下障害・言語障害それぞれに対応したケアを行いながら、状態の変化を継続的に観察することができます。 訪問看護・訪問リハビリテーション・訪問介護を上手に組み合わせることで、在宅での安心した生活が実現します。

「制度の壁にぶつかった」「どこに相談すればいいかわからない」と感じておられる方も、どうぞ遠慮なくご相談ください。 私たちすえひろ訪問看護ステーションは、「どうすればこの方が幸せに暮らせるか」を本気で考え、諦めずに可能性を探り続けます。 まずはかかりつけ医やケアマネジャーへのご相談、または当ステーションへの直接のお問い合わせからお気軽にどうぞ。

よくある質問

Q. 訪問看護は退院直後からすぐに利用できますか?

A. 主治医から「訪問看護指示書」が発行され、要介護認定(または医療保険の対象条件)を満たしていれば、退院当日や翌日からの利用が可能です。退院前に病院の退院支援担当者やソーシャルワーカーに相談し、早めに準備を進めておくことをお勧めします。訪問看護ステーションへの事前連絡も、できるだけ退院日の数日前までに行うとスムーズです。

Q. 訪問看護と訪問リハビリは同時に利用できますか?

A. はい、同時に利用できます。介護保険の場合、利用できるサービスの組み合わせや時間数の上限はケアプランによって異なりますので、ケアマネジャーと相談しながら最適な組み合わせを決めましょう。訪問看護ステーションに理学療法士が在籍している場合は、訪問看護の枠組みの中でリハビリも受けられる場合があります。

Q. 脳卒中後の訪問看護は医療保険と介護保険、どちらが適用されますか?

A. 原則として65歳以上で要介護認定を受けている方は介護保険、40〜64歳の方や特定の条件を満たす場合は医療保険が適用されます。脳卒中(脳血管疾患)は40〜64歳でも介護保険の対象となる「特定疾病」に該当します。ただし状態によっては医療保険が優先されるケースもあるため、詳細は主治医や担当のケアマネジャーにご確認ください。

Q. 言語障害があって電話での相談が難しい場合、どうすればいいですか?

A. ご家族の方が代わりにお問い合わせいただくことが可能です。また、ご本人が直接お話できなくても、訪問看護師が自宅に伺う際にコミュニケーション方法を一緒に工夫していきます。文字・絵・ジェスチャーなど、その方に合った伝え方を大切にしています。まずは電話・メール・来所など、ご都合に合わせてご連絡ください。

Q. 介護をしている家族が疲れてきた場合、相談できますか?

A. もちろんです。介護者であるご家族の心身の健康も、在宅療養を継続するうえでとても重要です。訪問看護師は、ご家族の状況も継続的に確認しながら、必要に応じてレスパイトケア(介護者の休息のためのサービス)や他の支援機関へのご紹介も行います。「限界を感じている」という声も、どうぞ遠慮なく話してください。

【参考資料・相談窓口】

公的機関・制度に関する情報

退院・在宅療養の相談窓口

すえひろ訪問看護ステーション

脳卒中後遺症のある利用者様の在宅療養支援について、お気軽にご相談ください。 理学療法士・作業療法士在籍・24時間対応体制・多職種連携によるサポートを提供しています。

配属先① すえひろ訪問看護ステーション 住所:〒120-0015 東京都足立区足立4-25-13-102 TEL:03-5888-6375

配属先② 足立西すえひろ訪問看護ステーション 住所:〒123-0841 東京都足立区西新井2-9-19

電話でのお問い合わせ:平日 8:30〜17:30 フォームでのお問い合わせ:24時間受付(お問い合わせフォームはこちら

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