「母の退院が近づいているけれど、自宅での医療的なケアに不安を感じている」「父の病状が安定せず、いつ何が起こるか心配で眠れない」――このような悩みを抱えているご家族は少なくありません。
在宅療養における不安の多くは、専門的な看護ケアと24時間体制のサポートがあれば大幅に軽減できます。訪問看護は、病院と同等の医療的ケアを自宅で受けられる仕組みであり、利用者様とご家族の生活の質を向上させる重要な役割を担っています。
本記事では、訪問看護がなぜ必要不可欠なのか、どのような場面で真価を発揮するのか、そして安心して利用を始めるための具体的な方法について詳しく解説します。
こんなときに訪問看護が必要です
在宅での療養生活を送る中で「家族だけで大丈夫だろうか」という不安は、決して珍しいことではありません。ここでは、訪問看護が力になれる具体的な場面をご紹介します。

病院から退院したあとのお薬管理や体調チェック
病院では毎日決まった時間に薬が配られていましたが、自宅では「この薬はいつ飲むのだったかしら」と迷ってしまうことがあります。また退院直後は体調が変わりやすく、ちょっとした変化でも心配になるものです。
訪問看護では、看護師が定期的にお伺いして血圧測定や傷の状態確認を行い、お薬の飲み方や管理方法についても丁寧にご指導します。毎回同じ看護師が担当することで、微細な体調変化にも気づきやすくなります。
医師との連携により、適切な処置や処方の調整も行えます。お薬の飲み忘れを防ぐ工夫や、症状に応じた生活指導も含めて、総合的にサポートします。
糖尿病や心臓病など持病の見守りと悪化を防ぐケア
慢性的な病気を抱えていると「今日は調子が悪い気がするけれど、病院に行くほどでもないかな」と判断に迷うことが多くあります。しかし、早期の変化を見逃すと病状が急激に悪化する可能性もあるため、専門的な観察が重要です。
訪問看護では、利用者様の普段の状態を熟知した看護師が定期的に血糖値測定や血圧チェックを実施し、わずかな変化も見逃しません。食事や運動についての相談にも対応し、病気の進行を遅らせるための生活指導を行います。
些細な心配事にも気軽にお答えできる関係性を築くことを大切にしています。専門知識に基づいたアドバイスにより、利用者様が自信を持って療養生活を送れるよう支援します。
- 血糖値の定期測定
- HbA1c値の確認
- 低血糖症状の観察
- 皮膚状態・足の観察
- インスリン注射の支援
- 血糖自己測定の指導
- 服薬管理サポート
- フットケアの実施
- 食事療法のアドバイス
- 適度な運動の提案
- 体重管理の支援
- 規則正しい生活リズム
- 息切れ・動悸の確認
- 浮腫の有無と程度
- 体重変化の記録
- 尿量の観察
- 心電図モニタリング
- 酸素療法の管理
- 心不全手帳の活用
- リハビリテーション支援
- 塩分制限の実践方法
- 水分摂取量の調整
- 活動と休息のバランス
- 感染予防の徹底
- 血圧の定期測定
- 頭痛・めまいの確認
- 降圧薬の効果判定
- 合併症の早期発見
- 正しい血圧測定指導
- 血圧手帳の記録支援
- 服薬カレンダー活用
- ストレス管理の相談
- 減塩食の実践支援
- 禁煙・節酒のアドバイス
- 有酸素運動の推奨
- 体重管理の重要性
夜中や休日の急変時に家族だけでは心配なとき
深夜に「息苦しい」「胸が痛い」と訴えられたとき、救急車を呼ぶべきか、朝まで様子を見ても良いのか、ご家族だけでは判断が非常に困難です。特に高齢者の場合、急変のサインを見極めるには専門的な知識が必要です。
24時間365日対応の訪問看護ステーションでは、緊急時にいつでもお電話いただけます。すえひろ訪問看護ステーションでも緊急時の相談体制を整えており、経験豊富な看護師が状況をお聞きし、適切なアドバイスや必要に応じて緊急訪問を実施します。
「こんな時間に電話して申し訳ない」と遠慮される必要はありません。利用者様の安全を守り、ご家族の不安を解消することが私たちの使命です。
費用と手続きの疑問を解決
訪問看護を検討する際、多くのご家族が最も気になるのが費用面ではないでしょうか。ここでは、訪問看護の費用制度について分かりやすく解説し、実際の負担額の目安や利用開始までの流れをご紹介します。
年齢と病気によって決まる保険の種類と月々の負担額
訪問看護で使える保険は、利用者様の年齢や病気の種類によって自動的に決まります。65歳以上の方や、40歳から64歳で特定の病気をお持ちの方は介護保険が適用され、自己負担は原則1割から3割です。
それ以外の方は医療保険が適用され、同様に1割から3割の自己負担で利用できます。月々の負担額は利用する頻度や時間によって変わりますが、介護保険の場合は月に4回程度のご利用で3,000円から5,000円程度が一般的な目安です。
医療保険では回数制限がないため、必要に応じて頻繁にご利用いただけますが、その分負担額も変動します。どちらの保険が適用されるかは、医師やケアマネジャーが判断するため、ご利用者様が迷う心配はありません。
週に何回利用できる?1回の訪問時間と実際の費用
訪問看護の利用頻度は、利用者様の状態や必要性に合わせて柔軟に調整できます。介護保険では週に2回から3回、1回30分から90分程度が標準的です。医療保険では医師の指示に基づいて必要な回数をご利用いただけます。
実際の費用は、30分の訪問で約500円から800円、60分では約800円から1,200円程度の自己負担となるケースが多く見られます。例えば週2回、1回60分のご利用なら月額6,000円から10,000円程度が目安です。
ただし、医療処置の内容や時間帯(夜間・早朝・休日など)によって料金が変動することもあります。利用開始前に訪問看護ステーションから詳しい料金説明があるため、予算に合わせて回数や時間を相談しながら決めることができます。
利用パターン | 1回あたりの訪問時間 | ||
---|---|---|---|
30分 | 60分 | 90分 | |
週1回利用 (月4回) |
約1,880円 | 約3,280円 | 約4,520円 |
週2回利用 (月8回) |
約3,760円 | 約6,560円 | 約9,040円 |
週3回利用 (月12回) |
約5,640円 | 約9,840円 | 約13,560円 |
- 表示金額は介護保険利用時(自己負担1割)の概算です
- 所得に応じて自己負担割合は2割・3割になる場合があります
- 地域区分により1単位あたりの金額が異なります(10円~11.40円)
- 緊急時訪問看護加算等の各種加算により料金が変動します
- 夜間・早朝(6-8時、18-22時)は25%、深夜(22-6時)は50%加算となります
- 医療保険利用の場合は料金体系が異なります
- 詳しい料金は訪問看護ステーションにお問い合わせください
かかりつけ医への相談から利用開始までの流れ
訪問看護を始めるための手順は、思っているよりもシンプルです。まず、かかりつけ医に「在宅で医療的なケアが必要になりそうだ」ということを相談してください。
医師が訪問看護の必要性を認めると「訪問看護指示書」という書類を作成します。次に、地域の訪問看護ステーションに連絡を取り、初回面談の日程を調整します。面談では看護師が自宅を訪問し、利用者様の状態や生活環境を確認して、具体的なケア内容や訪問スケジュールを一緒に決めていきます。
契約手続きが完了すれば、サービス開始となります。介護保険を利用する場合は、ケアマネジャーが手続きをサポートするため、分からないことがあっても安心です。多くの場合、相談から実際のサービス開始まで1週間から2週間程度で進められます。
すえひろ訪問看護ステーションの特徴
すえひろ訪問看護ステーションは、東京都足立区において24時間365日対応の訪問看護サービスを提供しています。いつでも専門スタッフに相談できる安心の連絡体制と、看護師だけでなく多職種の専門家が連携した包括的なケア体制が特徴です。

深夜や早朝の緊急時も対応する連絡体制
夜間や早朝の急な体調変化は、ご家族にとって最も不安な瞬間です。すえひろ訪問看護ステーションでは、24時間365日対応の緊急連絡体制を整備し、いつでも専門の看護師が電話でのご相談をお受けしています。
緊急時には、まず状況の詳細をお聞きし、電話での指導で対応可能かどうかを判断します。必要に応じて、看護師が緊急訪問を行い、適切な医療処置や症状の観察を実施します。また、病院受診が必要と判断される場合には、主治医や医療機関との連携を図り、スムーズな対応をサポートします。
深夜や早朝でも、電話一本で専門的なアドバイスが得られる安心感は、在宅療養を継続する上で大きな支えとなるでしょう。
リハビリの先生や栄養士など様々な専門家の訪問
すえひろ訪問看護ステーションでは、看護師による医療ケアに加えて、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などのリハビリテーション専門職や栄養士が連携し、包括的なケアを提供しています。
理学療法士は、歩行能力の維持・向上や筋力トレーニング、関節可動域の改善など、身体機能の回復に特化したリハビリを実施します。作業療法士は、日常生活動作の練習や環境整備のアドバイス、認知機能の維持・向上に取り組みます。言語聴覚士は、言葉の問題や嚥下障害のある方への専門的な訓練を行い、安全な食事摂取をサポートします。
栄養士による栄養管理では、病状に応じた食事内容の提案や、嚥下機能に配慮した食事形態の調整、ご家族への調理指導なども実施します。これらの専門家が定期的にご自宅を訪問することで、病院での治療と同等の質の高いケアを在宅で受けることが可能になります。
- 医療処置の実施
- 症状観察・管理
- 運動機能訓練
- 筋力・関節可動域改善
- 日常生活動作練習
- 環境整備・認知機能訓練
- 言語訓練
- 嚥下機能訓練
- 栄養管理・評価
- 食事指導・調理指導
介護する家族の休息と利用者様の笑顔を増やす効果
訪問看護の利用は、介護を担うご家族の身体的・精神的負担を大幅に軽減し、利用者様にとっても安心できる環境づくりに貢献します。
医療処置や症状の観察を専門スタッフに任せることで、ご家族は外出や趣味の時間を持つことができ、介護疲れの予防につながります。また、専門的な知識を持つスタッフからの適切なアドバイスにより、介護方法に対する不安や迷いが解消され、精神的な安定を保つことができます。
利用者様にとっても、専門的なケアを受けることで症状の安定や機能の維持・向上が期待でき、生活の質の向上につながります。定期的な訪問により孤立感が軽減され、専門スタッフとのコミュニケーションが心の支えとなることも多く見られます。
ご家族全体の生活リズムが整い、それぞれが自分らしい時間を過ごせることで、家庭内の雰囲気も明るくなり、利用者様の笑顔も自然と増えていきます。このような好循環を生み出すことが、すえひろ訪問看護ステーションの目指す質の高い在宅ケアです。

まとめ
最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。本記事では、訪問看護の真の価値と必要性について、具体的な場面や事例を交えてご紹介しました。ここで改めて、重要なポイントを3つご確認ください。
- 退院後の薬管理や急変時の対応など、専門的な医療ケアを24時間体制で受けられる安心感
- 介護保険や医療保険を活用して月額3,000円から10,000円程度の負担で利用できる経済的な現実性
- 看護師に加えてリハビリ専門職や栄養士など多職種連携による包括的なサポート体制
訪問看護は、単なる医療サービスではなく、利用者様とご家族の人生に寄り添う心強いパートナーです。専門的な知識と経験を持つスタッフが、皆様の在宅療養を全力で支援します。
一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。すえひろ訪問看護ステーションでは、24時間365日体制で皆様のお電話をお待ちしております。安心できる在宅療養の実現に向けて、私たちと一緸に歩んでいきましょう。
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