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「介護認定の更新、とりあえず出した」だけでは損かもしれない

毎年届く更新のお知らせに、書類を揃えて提出するだけで終わっていませんか?実は、更新手続きを済ませても、今の状態に合ったサービスが受けられていないケースが少なくありません。 介護認定には「更新」と「区分変更」という2つの手続きがあり、使い方を間違えると必要なサービスを十分に受けられないまま過ごすことになります。この記事では、認定区分と実態のズレによって起きる問題と、今すぐ確認すべきポイントをわかりやすくお伝えします。

介護認定の「更新」と「区分変更」の違い
知っていますか?

更新申請と区分変更申請は、名前が似ていますが目的がまったく異なります。どちらを選ぶかによって、受けられるサービスの内容と量が大きく変わります。

更新申請とは何か

更新申請とは、認定の有効期間が満了する前に「引き続き認定を受けたい」と申し出る手続きです。有効期間満了の60日前から申請でき、原則として認定結果は12か月間有効となります(市区町村が必要と認める場合は最大48か月まで延長可能)。

大切なのは、更新申請はあくまで「認定の継続」を求める手続きであって、介護度の見直しを強制するものではないという点です。状態が変わっていなければ、前回と同じ区分に据え置かれることも珍しくありません。

区分変更申請とは何か

区分変更申請とは、有効期間の途中であっても、心身の状態が著しく変化したときに「今の認定区分を見直してほしい」と申し出る手続きです。申請から結果が出るまでは原則30日程度かかります。

区分変更申請は、次の更新を待たずにいつでも申請できます。 転倒による骨折・入院後の状態悪化・認知症の進行など、介護の手間が明らかに増えたと感じた時が申請の目安です。

以下の表で2つの申請の違いを整理しましょう。

下記の内容を表でご確認ください。

更新申請と区分変更申請の違い
A 更新申請
B 区分変更申請
目的
認定の継続 有効期間が終わっても引き続き認定を受けるための手続き
区分の見直し 心身の状態が著しく変化したときに、認定区分を変えてもらう手続き
申請タイミング
60日前 有効期間満了の60日前から申請可能
いつでも 有効期間内であればいつでも申請可能
有効期間
原則12か月 市区町村の判断により3〜48か月に変更可能
原則6か月 認定審査会の判断により3〜12か月に変更可能
認定調査
あり調査員が自宅等を訪問
あり新たに認定調査が実施される
手続き後の介護度
前回と同じ区分に据え置かれることも多い(状態変化なしの場合)
現状に基づき再評価・変更上がる・下がる・変わらないケースあり
※ 有効期間や判断基準は市区町村によって異なる場合があります。詳細はお住まいの市区町村窓口にご確認ください。

認定結果が実態と合っていないときに起きること

認定区分が現在の状態に合っていないと、日常の介護にじわじわと影響が出てきます。「なんとなくサービスが足りない気がする」というご家族の感覚は、多くの場合正しい判断です。

区分支給限度基準額が足りなくなる

介護保険には、要介護度ごとに1か月あたりの区分支給限度基準額(利用できるサービス費用の上限額)が定められています。2024年度の情報では、要支援1は月約5万円分、要介護5は月約36万円分のサービスを介護保険の適用内で利用できる上限が設定されており、最軽度と最重度の間には約7倍以上の差があります(ソニー生命2024年4月現在の情報より、1単位10円換算)。実際の自己負担はこの金額の1〜3割です。

状態が重くなっているにもかかわらず認定区分が低いままだと、必要なサービスが区分支給限度基準額の枠内に収まらず、超過分はすべて全額自己負担になってしまいます。「なぜか費用が高い」と感じたら、上限額を超えていないか確認してみましょう。

必要なサービスを制限せざるを得ない

区分支給限度基準額が実態に合っていないと、「デイサービスを増やしたいけれど枠が足りない」「訪問看護の回数を上げられない」という事態が起きます。介護保険のサービス量は認定区分によって上限が決まっているため、区分が実態より低ければそれだけサービスを絞らざるを得ません。

ご家族の負担だけが増え続けながらも、本来受けられるはずのサポートが届いていないケースを、私たちすえひろ訪問看護ステーションの看護師も現場でたびたび目にします。「もっとサポートが必要なのに、なぜか使えるサービスが足りない」と感じたら、認定区分の見直しを真剣に検討する時期かもしれません。

悪循環 認定区分のズレが引き起こす連鎖的な影響
1
認定区分が低い
実態より軽い要介護度のまま認定されている
2
限度基準額が少ない
月に使えるサービス費用の上限額が足りない
3
必要なサービスが使えない
デイサービスや訪問看護の回数を絞らざるを得ない
4
ご家族の負担が増える
在宅介護の負荷が高まり続ける
認定区分の見直しがなければ、この悪循環が繰り返されます
参考:区分支給限度基準額の目安(1単位10円換算) 要支援1 = 月約5万円 / 要介護5 = 月約36万円(約7.16倍の差) ※2024年4月現在の情報

訪問看護の時間・回数は認定区分によって変わる

訪問看護(医師の指示のもと看護師がご自宅を訪問し、医療的ケアや健康観察などを行うサービス)の利用量は、要介護認定の区分と密接に関わっています。

介護保険での訪問看護の仕組み

介護保険を使って訪問看護を利用する場合、その費用は区分支給限度基準額の枠の中に含まれます。つまり、認定区分が高いほど使える枠が広がり、訪問看護の頻度や時間を増やしやすくなります。

2023年の統計によると、介護保険での訪問看護の利用者数は要介護の総数で約63万人に達しており、2009年の約2.7倍に増加しています(訪問看護データベースより)。在宅でのケアへのニーズが高まり続ける中、適切な認定区分を得ることの重要性もますます増しています。

認定区分が変わると何が変わるか

たとえば要介護2から要介護3に区分変更が認められると、区分支給限度基準額(2024年度)は月約19万7千円から約27万円へと大幅に増加します(1単位10円で換算)。この差分を使って、訪問看護の回数を週1回から週2回に増やしたり、1回あたりの訪問時間を延ばしたりすることが可能になります。

「もっと頻繁に看護師に来てほしい」「1回の訪問をもう少し長くしてほしい」という希望がある場合、まず認定区分が実態と合っているかどうかを確認することが出発点になります。

医療保険でも訪問看護は利用できる

がんの末期や特定の難病、精神科訪問看護などに該当する場合は、介護保険ではなく医療保険で訪問看護を利用することができます。医療保険が適用される場合、訪問看護は介護保険の区分支給限度基準額とは別に算定されます。そのため、介護保険を使ったデイサービスや訪問介護などの他のサービスと並行して、医療保険での訪問看護を利用できる場合があります。どちらが適用されるかは主治医やケアマネジャーにご確認ください。

介護保険の仕組み
要介護度別 区分支給限度基準額と訪問看護の利用イメージ(2024年度)
1単位=10円換算 / 訪問看護30〜60分を他サービスと併用した場合の目安
要介護度 限度基準額
(単位数)
目安金額
(月額)
訪問看護の利用イメージ
1 要介護 1 16,765単位 約167,650円 週1回程度(月4回前後)
他サービスとのバランスに応じて調整
2 要介護 2 19,705単位 約197,050円 週1〜2回程度(月4〜8回)
枠が増え始め、回数や時間を増やしやすくなる
▲ 区分変更(要介護2→3)で月額約73,000円分の枠が拡大 — 訪問看護を週1回から週2回に増やすことが現実的になります
3 要介護 3 27,048単位 約270,480円 週2回程度(月8〜10回)
訪問時間を延ばす余裕も生まれやすくなる
4 要介護 4 30,938単位 約309,380円 週2〜3回程度(月10〜13回)
医療的ケアが増えても対応しやすい枠組み
5 要介護 5 36,217単位 約362,170円 週3回以上(月13回〜)
最も手厚いケアに対応できる上限額
単位数は2019年10月改定後の値。2021年・2024年介護報酬改定でも区分支給限度基準額に変更はありません。
目安金額は1単位10円(その他地域)で換算。地域区分によって実際の金額は異なります。
訪問看護の回数はケアプラン全体の構成によって変わります。主治医・ケアマネジャーにご相談ください。
がん末期・特定難病等は医療保険適用となり、上記の区分支給限度基準額とは別に算定されます。

「もっとサポートが必要」と感じたら今すぐできること

「なんとなく足りない気がする」という感覚を放置せず、早めに行動することが大切です。動き出すタイミングを迷わなくていいよう、具体的なステップをお伝えします。

まずケアマネジャーへ相談する

担当のケアマネジャー(介護支援専門員)は、利用者様の生活状況を把握し、必要なサービスをコーディネートする専門職です。「最近、介護の手間が増えた気がする」「今のサービスでは足りないように感じる」と率直に伝えてみましょう。

ケアマネジャーは現在の認定区分とケアプランを見直し、区分変更申請が必要かどうかを判断する際のアドバイスをしてくれます。区分変更申請はケアマネジャーが代理申請することもできますので、手続きの不安があっても安心して相談してください。

区分変更申請の手順

区分変更申請は以下の流れで進みます。

  1. ケアマネジャーまたは市区町村の介護保険窓口に相談する
  2. 市区町村の窓口に「介護保険要介護・要支援認定申請書」を提出する
  3. 認定調査員による訪問調査を受ける(家族も同席が望ましい)
  4. 主治医意見書が作成される
  5. 一次判定・二次判定を経て認定結果が通知される(申請から約30日)

認定調査では、普段の状態をありのままに伝えることが大切です。「調査の日だけ頑張ってしまった」という声もよく聞きますが、日常の困りごとをしっかり伝えることが正確な判定につながります。

ケアマネに相談する前に家族が確認すべき3つのポイント

相談をスムーズに進めるために、事前に整理しておきたいことがあります。次の3点を確認しておくと、ケアマネジャーへの相談が具体的になります。

①今の認定区分と有効期限を確認する

介護保険被保険者証(介護保険証)を手元に用意してください。「要介護○」という区分と認定の有効期限が記載されています。現在の状態が認定区分の内容と一致しているかどうかを確認する第一歩です。

有効期限が近い場合は更新申請と区分変更申請を同時並行で検討することも選択肢に入ります。どちらの手続きが適切かは、ケアマネジャーや市区町村の窓口に確認しましょう。

②状態の変化を具体的に書き出す

「最近転びやすくなった」「夜中に起き出すことが増えた」「食事に時間がかかるようになった」など、気になる変化を日時とともに具体的にメモしておきましょう。

認定調査では74項目の行動・能力について確認が行われます(厚生労働省「認定調査員テキスト2009改訂版」より)。日頃の観察をもとに具体的なエピソードを伝えることで、現在の状態が正確に評価されやすくなります。

③今利用しているサービスの内容と量を確認する

現在利用しているサービスの種類・回数・時間が書かれたケアプランを確認しましょう。「週2回のデイサービスでは足りていない」「訪問看護を週1回から増やしたい」といった具体的な希望がわかると、ケアマネジャーとの相談がより実りあるものになります。

「こんなことを相談していいのだろうか」と遠慮せずに声に上げることが、適切なサービスへの第一歩です。 私たちすえひろ訪問看護ステーションでも、訪問の際にご家族から「今の認定でこれだけ使えるの?」という相談をよくいただきます。制度上難しいと思われることでも、まずはご相談ください。一緒に可能性を探っていきましょう。

相談前に確認しておこう
ケアマネに相談する前に
家族が確認すべき3つのポイント
01
介護保険被保険者証を手元に用意
今の認定区分と有効期限を確認する
「要介護○」の区分と有効期限を確認。期限が近い場合は更新申請と区分変更申請の同時並行も選択肢に。
認定区分 有効期限 介護保険証
02
日時とともに具体的にメモ
状態の変化を具体的に書き出す
「転びやすくなった」「夜中に起き出す」「食事に時間がかかる」など、気になる変化を日時と一緒に記録しておく。
変化のメモ 日時記録 具体的エピソード
03
ケアプランを手元に確認
利用中のサービスの内容と量を確認する
現在のサービスの種類・回数・時間をケアプランで確認。「週2回では足りない」「訪問看護を増やしたい」など具体的な希望を整理しておく。
ケアプラン サービス内容 希望を整理

まとめ

介護認定の更新手続きを済ませることは大切ですが、それだけで「今の状態に合ったサービスが受けられている」とは限りません。状態の変化を感じたときは、更新を待たずに区分変更申請という選択肢があることを覚えておいてください。

認定区分と実態のズレは、訪問看護の回数や時間にも直接影響します。「もっとサポートが欲しい」と感じているご家族がいれば、まずはケアマネジャーへ相談することをお勧めします。相談する前に、被保険者証の確認・状態変化のメモ・現在のサービス内容の把握という3つのポイントを整理しておくとスムーズです。

私たちすえひろ訪問看護ステーションは、利用者様お一人おひとりが望む生活を実現するために、制度にとらわれず「どうすればもっとサポートできるか」を本気で考えます。「今の訪問看護で足りているのかな」という疑問も、お気軽にご相談ください。専門職として責任を持って、誠実に向き合わせていただきます。

【お問い合わせ先】 すえひろ訪問看護ステーション TEL: 03-5888-6375 受付時間: 平日8:30~17:30

よくある質問

Q. 介護認定の「更新」と「区分変更」はどう違いますか?

A. 更新申請は有効期間が満了する前に認定を継続するための手続きです。一方、区分変更申請は有効期間の途中でも心身の状態が著しく変化した場合に区分の見直しを求める手続きです。更新申請では必ずしも介護度が変わるわけではありませんが、区分変更申請は現在の状態に合った介護度への変更を目的としています。

Q. 区分変更申請はいつでもできますか?

A. はい、有効期間の途中でも申請できます。転倒による骨折・入院後の状態悪化・認知症の進行など、介護の手間が増えたと感じたタイミングが申請の目安です。申請から結果が出るまで原則30日程度かかるため、早めに動き出すことをお勧めします。

Q. 訪問看護の回数を増やすには介護認定が関係しますか?

A. 介護保険で訪問看護を利用している場合、その費用は要介護度ごとに定められた区分支給限度基準額の枠の中に含まれます。認定区分が高いほど区分支給限度基準額が大きくなるため、訪問看護の頻度や時間を増やしやすくなります。現在の認定区分が実態より低い場合、区分変更申請により利用できる訪問看護量が増える可能性があります。

Q. 区分変更申請は自分で手続きできますか?

A. 本人だけでなく、家族やケアマネジャーが代理で申請することも可能です。必要な書類は介護保険要介護・要支援認定申請書、介護保険被保険者証、本人確認書類などです。手続きに不安がある場合は、担当のケアマネジャーか市区町村の介護保険窓口にご相談ください。

Q. 区分変更申請をすると必ず介護度が上がりますか?

A. 必ずしも希望通りに介護度が上がるわけではありません。申請前と同じ区分になる場合や、場合によっては介護度が下がる判定が出ることもあります。申請前にケアマネジャーと十分に相談し、現在の状態が区分変更に値するかどうかを見極めることが重要です。

【参考資料・相談窓口】

制度の詳細・手続き窓口

相談窓口

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